Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

特出しの悔恨

2020年07月19日 | 日々、徒然に

森崎東監督のものすごい傑作とは、

98年に公開された「ラブ・レター」。

浅田次郎原作で、主演は中井貴一。

 

 

主人公は、裏ビデオ屋の店長をしているヤクザもん。

人の好いところがあり、悪人になりきれない男を中井貴一が好演。

そんな男が、中国から密入国してきた女と偽装結婚することになる。

戸籍を貸しただけで、何の交流もなかった女だったが、

その女が死んだという知らせを受け、戸籍上は夫なので、

遺体を引き取りに行く羽目になってしまい、

映画は一転、ロードムービーへと展開する。

その過程で、初めて知るその女の出自や、

日本でどんなことをさせられてきたのかが浮き彫りになっていく。

 

「ラブ・レター」という題名にあるように、

女から主人公に宛てた手紙が読まれる場面は、涙を禁じ得ない。

主人公とさほど変わらない半端モンである観客(自分も、だ)は、

何の言葉も出なくなってしまう。

抒情的な演出のもと、スクリーンに哀しみと怒りが充満し

これでいいのか。お前はどうなんだとに問いかけてくる。

まさにものすごい傑作であり、ありがとう森崎監督、

映画館でかかったらまた見に行きます、と。

 

コメント
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