Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

うだる暑さとは関係なく

2007年08月07日 | 読んでいろいろ思うところが
相変わらず、暑い。
今日は外に出て打ち合わせをして、
仕事場に戻ってからも打ち合わせという感じで、
慌ただしく過ぎる。

今週から来週にかけて何件か取材が入りそうで、
暑いからと言って、ダラダラとしていられない。

そんな自分を引き締める意味でも
行きと帰りの電車の中で、
藤井誠二『殺された側の論理』(講談社)を読む。



文学でも映画でも、
犯罪者を描くことに腐心する傾向がある。
この人物はなぜ人を殺したのか、と考えることは
クリエイターに刺激を与え続けて来ただろうし、
ある意味、犯罪者がヒーロー扱いされていることは否定できない。

しかし、犯罪被害者への想像力は、
自分も含めて、かなり乏しい。
被害者はひたすら気の毒であり、
そっとしておきたい存在、
というところで思考が停止している。

妻と子供を殺された遺族が、
楽しそうにテニスをしているところを他人に見られて、
怪訝な顔をされた経験を話す箇所がある。

犯罪被害者は、
ずっと死ぬまで悲しんでいなければいけないのか。

「遺族は人生を楽しんじゃいけないと思う人が多いし、
私も最初はそうでした。でも、人間だから笑いたい、
おいしいものも食べたい、楽しみたいと思う」

そう語る遺族の男性。
この言葉の意味をよく噛みしめるべきだと思う。
こうしたあまり耳にしない犯罪被害者の声を
丹念に追った本書は、所詮犯罪って人ごとだよな、
と思っている人(僕もそう)にとっては耳の痛い内容だ。
でも、読むべきだろうし、知るべきだ。そう思う。

コメント
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