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Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

反抗でロック諧謔でロール

2021年05月25日 | たまには音楽でも
くるり「天才の愛」を聞く。
ジャケは空の写真のように見えて、絵、だ。
坂口恭平さんが描く、とことん写実的でありながら
情緒的な雰囲気のある絵を見ながらこの新譜を聴く。


ふざけてるのか、それともシリアスなのか。
おそらくその両方なのだろう。
くるりの曲を聞くといつもそう感じる。

01_ I Love You

で気だるく歌われる
やさぐれた状況を思い浮かべたと思ったら、

02_潮風のアリア

では、
思い出と生き方はいつも釣り合わないものだ
という歌詞に感じ入ったり。かと思えば

03_野球

は、プロ野球選手の名前を連呼する
ふざけたロックンロールで、
ドラゴンズの選手は落合だけか、と
突っ込みながらも体温が上がる。

06_ナイロン
07_watituti
08_less than zero

とほぼインストが続く。
特に07のねちっこいビートが腹に響いてくる。

10_コトコトことでん

では、相変わらずの電車愛が
ほとばしる快調で可愛らしいロック。

など盛りだくさんの曲で噛めば噛むほど
いい味が出てくるわけで。
でも、結局くるりってどんなバンドなんだろう、
という疑問を抱いたまま終わるという。

ギター・ボーカルの岸田繁と
ベースの佐藤征史は不動のメンバーで、
他のメンバーは激しく入れ替わっている印象。
ホーンを担当していた
ファンファンは今作で脱退と聞き、少し残念。

くるりのアルバムを聞いたのは、
「ザ・ワールド・イズ・マイン」から。
もう20年近く聞いているけれど、このバンドのことは
まだわからない。極上の名曲はいくつもあるし、
ぶっ飛んだロックンロールも、いい。
こうやって楽しみつつ、少しのクエスチョンを抱きながら
今後も聞いていくのかな、と。
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この抑えきれない衝動

2021年03月22日 | たまには音楽でも
チャットモンチー「生命力」を聞く。
昔からなんてかっこいいバンドなんだ、と
思っていたのだけど、ちゃんと聞いたことなかったんです。
それが、ついこのあいだ、
草野マサムネのラジオで「シャングリラ」を聞き、
衝動が抑えきれなくなったおっさん(気持ち悪いな)は、
仕事そっちのけ(しろよ)で中古レコ屋に走り、
450円で手に入れたセカンド。


聞いてみてびっくり。
知っている曲がほとんどで、意識せずとも、
耳にしていたんだなと思う。
「世界が終わる夜に」「橙」「女子たちに明日はない」
そして「バスロマンス」など名曲の嵐。
ギターとベース、ドラムの音がいちいち際立ち、
絶望と諦念と温かさが渾然一体となった歌詞。
3ピースバンドから2ピースに。2年前に解散したこのバンドを
今さらながら追いかけるおっさんを許してください。

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これからの君はまちがいじゃない

2021年03月14日 | たまには音楽でも
ということで、
佐野元春&THE COYOTE GRAND ROCKESTRA
「ヤア!40年目の武道館」。
えらく荒れた天候で、傘が吹き飛ばされそうな激しい雨と風、
ときおり雷が鳴ったりする3月13日。

元春のライブに来ると、
それはもうくたびれたおっさんがわんさかと。
もちろん自分もそのうちの一人なのだけど、
今夜はいつもの夜とは違う、と思いながら
集まったのです。きっと。

座席は南西の2階席スタンド。
一席ずつ間隔を開けて、
しっかりと感染対策がされていた。
始まるまでのBGMは
シュープリームスやスモーキー・ロビンソン、
ビートルズの「レイン」や
S&Gの「アイ・アム・ア・ロック」など。

17時きっかりに、コヨーテバンドの面々と、
本日65歳のパースデーを迎えた元春が登場。

再度、セトリです。

01. ジュジュ 
02. ナポレオンフィッシュと泳ぐ日
03. 新しい航海
04. レインガール
05. ダウンタウン・ボーイ
06. レインボー・イン・マイ・ソウル
07. ハートビート(小さなカサノバと街のナイチンゲールのバラッド)

01を聞いていたら、思わず落涙。
こんなに好きだったっけ、ジュジュ。
あ、いや好きだよ、そりゃあ。
と思いながら、聞く。
02と03が続き、そういえば
ここに来る前に「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」を
予習しておいて良かったとしみじみ。
で、04。ええっ、ここでまた泣くかね、自分。
オリジナルに忠実なアレンジで、
優しい優しいフォークロックなラブソング。
ディランで言うなら「アイ・ウォント・ユー」だ。

そして、「90年代にかいた曲です」と06。
若さに任せてシャウトしていた元春が、
ぐっと成熟して大人のロックを歌い始めた頃の名曲。
現在の元春との架け橋になった曲だと思う。
さらに07。15年ほど前、
NHKホールで聞いたときは、
この曲はレゲエ的なアレンジだったけれど、
オリジナルとほぼ同じで、
そうか、あらためてスポークンワーズの人だということに気がつく。

08. ワイルド・ハーツ
09. 愛が分母
10. 合言葉~SAVE IT A SUNNY DAY~
11. ヤァ!ソウルボーイ
12. ロックンロール・ナイト
13. ヤング・フォーエバー

新旧の曲を織り交ぜて、
11から13の流れに悩殺。12でシャウトする元春のボーカル。
2000年代に入った頃から、かなり声の衰えを
危惧するファンも多かったけれど、65歳のいま、
これだけのシャウトができるとは。

14. 朽ちたスズラン
15. 禅ビート
16. ポーラスタア
17. バイ・ザ・シー
18. 東京スカイライン
19. La vita é Bella
20. エンタテインメント
21. 純恋(すみれ)
22. 誰かの神
23. 空港待合室
24. 優しい闇

往年のヒットパレードで突き進むと思いきや、
新しい曲が連続する。すべて近作の
「Zooey」「ブラッド・ムーン」「マニジュ」から11曲。
とくに「ブラッド・ムーン」からは5曲も。
近作まで聞いている人はそれほど多くはないのだろう。
観客の反応は一気にしぼむ感じはあったのだけれど、
次第に盛り上がってくるのは、
楽曲の良さと、聞く人を励まそうとする思いが伝わったからだと思う。
とくに16と21と24の素晴らしさ。名曲です。

25. ニュー・エイジ
26. 悲しきレイディオ
27. SOMEDAY
28. アンジェリーナ
Encore
01. 約束の橋

そしてクライマックス。
そうか、26やるんだ。シャウトしてるよ。すげえ。
お約束の27と28。そしてアンコール。
みんなマスクしていたけど、歌ってたよ。
「レイディオ!」とか「君はバレリーナ!」とか
武道館じゅうに響き渡っていたよ。

終わったのが19時50分。ほぼ3時間。
29曲を歌い切った元春。体のキレとしなやかさ。
ロックスターとしてのカッコ良さを保ちながら、
くたびれたおっさんたちに
一歩踏み出せば誰もがヒーローさ、と伝えてくれたと思う。
バンドの演奏もぶっとくて、ギターもベースも
ホーンセクションも見応えと聴き応えがたっぷりだった。

「自分の人生に必要なのは、やっぱり音楽とライブ」
そう語る元春に大きな拍手を送る。
声援ができない分、拍手に力がこもる。
くたびれたおっさんでもそれくらいはできるのです。

コロナは収まるんだろうか。
ライブの良さをあらためてかみしめた夜ではあるけれど。
少なくとも、元春は10年後もやってるでしょう。
75歳で50周年で。自分もそのときまで生きていたら、
また馳せ参じたいと思う。死屍累々でも行きます。
ありがとう元春。輝き続けている、いつまでも。


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愛に気づいて

2021年03月10日 | たまには音楽でも
ジョージ・ハリスン「ゴーン・トロッポ」を聞く。
実は、これまでまともに聞いたことがなかったのです。
中古レコを手に入れて、
あらためていいアルバムだなあと、
発売から39年目にようやく認識したという体たらく。
ごめんなさい、ジョージ。


まったくプロモーションをしなかったせいで、
ビルボードでは100位以内にも入らず、
英国ではチャートインすらしなかったという。
ジョージの中で最もスルーされているアルバムだろう。
当時のロック雑誌で、評論家(誰かは忘れた)が
「このアルバムはジョージのファンに対する裏切りである」
とかなんとか酷評していたのを覚えている。
それはレビューでもなんでもなくて、
単に気に入らない、ってだけだろうと思うのだけど。

ともあれ、
01  Wake Up My Love 
02  That's The Way It Goes

といったトロピカルで穏やかな曲がとても快調。
チープな味わいのあるジャケを眺めながら聞いていると
やさぐれた心がだんだん癒やされていく。

03  I Really Love You

がドゥーワップのカバーで軽い驚きもある。
きっとジョージは新たな方向性を模索していたんだろうと思う。

09 Dream Away

のフレーズ「Oh Ry In Eye Ay」も心地良い。
もっと評価されていいアルバムだと思います。

このアルバムの5年後
「クラウド・ナイン」の大ヒットで、
見事な復活を遂げたジョージ。
ビートリーなものを求めていたファンには
大いに受け入れられたのだけれど、
「ゴーン・トロッポ」が売れていたら、
違ったジョージがもっと聞けたんだろうな、と。

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たまらなく円盤ラブ2

2021年02月28日 | たまには音楽でも
円盤ラブが止まらない。
UFOジャケの東の横綱がELOなら、
西の横綱はボストンだ。
このバンドが偉いのは、これまでのアルバムのジャケに
すべてUFOが登場しているところだと思う。

音は全然異なるけれど、この2つのバンドはけっこう似ている。
ELOは初期こそロイ・ウッドがいたけれど、
3作目以降はジェフ・リンのワンマンバンドになっていくし、
ボストンはそもそも最初からトム・シュルツという
なんでもひとりでやってしまう才人のバンドなわけで。

「幻想飛行」(1976)
ELOのUFOと比べると、アメコミ的というか。
円盤のなかに都市があるようだけど、
明らかに地球を侵略しようとする
邪悪な宇宙人が住んでいそう。
ハードロックというものに初めて触れたのがボストンだった。
あとになって産業ロックのハシリと言われたっけ。

「ドント・ルック・バック」(1978)
いかにも地球に侵略に来ましたよ、という感じのジャケ。
ハードロックといっても、
アコースティックな楽器の響きもちゃんとあって、
親しみやすいロックだった。
「ア・マン・アイル・ネバー・ビー」とか名曲です。

「サード・ステージ」(1986)
「アマンダ」が大ヒットした3作目。
垢抜けなかった前2作のUFOと比べると、
宇宙船から地球にUFOが発射されるジャケのカッコ良さ。
ハードロックという感じではなくなってきたけれど、
「キャンチャ・セイ」など、いい曲が入っています。

「ウォーク・オン」(1994)
すみません。ボストンはこのアルバムから聞いてません。
だからジャケのことしか書けないのだけど、
明らかに地球を侵略してますな。やけくそ気味です。

「コーポレート・アメリカ」(2002)
なんか、えらく洗練されましたな。
邪悪なイメージもなくなったけど、面白味に欠けるというか。
地球を救う宇宙船、というイメージ。


「ライフ・ラブ&ホープ」(2013)
どうしてこんなデザインになってしまったのだろう。
ELOが試行錯誤の末に、いい感じのUFOになっていったのに、
ちょっと不格好と言ったらファンに怒られるかな。
ともあれ、「ウォーク・オン」以降は聞いていないので、
ちゃんと聞いたら、ジャケの印象も変わるかもしれないけれど。

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たまらなく円盤ラブ

2021年02月27日 | たまには音楽でも
ELOのUFOジャケの変遷が気になったので、
ちょっと調べてみました。

意外とUFOジャケというのは少なくて、
オリジナルアルバム15枚のうち
UFOなのは6枚。ベストやコンピはUFOばかりだけど。
ELOと言えばUFOジャケというのは
正確には当てはまらないようで。

「ELO2」(1973)
2作目で宇宙というコンセプトができたみたいで、
最初はUFOじゃなくて、電球だったという。
プログレ全盛の頃だから、こんなシュールなジャケになったのかな。

「オーロラの救世主」(1976)
UFOはこのアルバムから始まった。
平面的なデザインだし、エンブレム的な意味合いもあったような。
「テレフォン・ライン」の大ヒットで世界的な人気を博したのもこの頃。

「アウト・オブ・ザ・ブルー」(1977)
まさに全盛期。「ターン・トゥ・ストーン」や
「ミスター・ブルースカイ」などを収録した2枚組。
「スターウォーズ」や「未知との遭遇」などの
SF映画が話題になった頃だし、
時代ともリンクしていたのだろう。
長岡秀星氏デザインのUFOがきらびやかで素敵でした。

「ディスカバリー」(1979)
アラビアンナイト的な青年が
魔法の水晶か何かのようにUFOを大切に撫でている。
こんなグッズがあったら欲しいと当時思っていました。
ディスコ時代にも対応するジェフ・リンのしなやかさ。
「ドント・ブリング・ミー・ダウン」は今やELOの代表曲だなあと。

「ZOOM」(2001)
80年代に入るとELOは低迷。
アルバムにUFOが登場しなくなったのが
低迷の理由なんじゃないかと勝手に思っています。
プロデュース業で成功を収めたジェフが、
およそ15年ぶりに出した本作は、ELO名義だけど、
ソロプロジェクトに近い1作。
「モーメント・イン・パラダイス」「ジャスト・フォー・ラブ」など名曲揃い。
気合いが入っていたのだろう、UFOも再登場したけれど、
レトロでカラフルなものとは打って変わって
サイバーでリアルなUFOになっていた。

「ミスター・ブルースカイ」(2012)
ELOのベスト盤のジャケ。
あのレトロなUFOがうす汚れて地球に帰還。
さんざん働いてきたから満身創痍なんだよ、と言いたげだ。
ベストとはいっても、すべてジェフが自分一人で新録音した1枚。

「アローン・イン・ザ・ユニバース」(2015)
「ZOOM」から15年ぶりにまさかのELO復活。
UFOにサイバーな感じがなくなり、かつてのレトロ風味も加わり、
なかなかカッコいい円盤になったと思う。
アルバムとしても佳曲揃いなのはさすが。

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小市民の味方

2021年02月26日 | たまには音楽でも
ジェフ・リンズELO
「フロム・アウト・オブ・ノーウェア」を聞く。
出たのは2年前だけどELO4年ぶりの新作で、
自分にとっては6年ぶりに聞くニューアルバムということ。
きっといつものジェフ・リンなんだろうなと思っていたけれど、
まさにその通りというか、安心安定の楽曲群。
ポールやディランの新譜には進化(深化)を求めているけれど、
ジェフ・リンはジェフ・リンのままで
あってくれればいい、と思ってしまうのは失礼なのかな。


ジャケのUFOがおニュー(死語)になっている。
と思ったら、前作「アローン・イン・ザ・ユニバース」からだった。
これまでのジャケに登場していた
レトロなUFOは引退したということかな。

ともあれ、充実の曲群で、

01 From Out Of Nowhere
からキャッチーで朗々と歌い上げて泣かせるし、

06 One More Time
がベストトラックかな。
元気で溌剌としたロックンロールで、
71歳(当時)とは思えない。
ロイ・オービソンに憧れていたという
この人のバリトンなボーカルは衰えないなあ。

さらに
09 Time Of Our Life
では、今でもステージに立って、
みんなに喜んでもらっているという歌詞が微笑ましく、
「テレフォン・ライン」という単語が出てきたりして、
自身の代表曲のタイトルを
歌詞に入れてしまうドヤ顔な感じも、いい。

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君の微笑み取り戻せたら

2021年01月09日 | たまには音楽でも
スピッツ コンサート2020
「猫ちぐらの夕べ」を配信で見る。
音楽とか演劇とか、ライブをメインとするアーティストたちは、
コロナの影響でそれはそれは大変だと思う。
スピッツも「見っけ」のツアーが2月以降すべて延期になり、
ようやく昨年の11月、徹底した感染対策のうえ、
東京ガーデンシアターでおこなわれたライブをオンラインで堪能。



これから先、ライブに行けたとしても、
立ち上がったり、声を上げたり叫んだりすることは
できないかもしれない。もともと腰がアレなので、
おとなしく座って見たり聞いたりすればいいのだけど、
高揚したらやっぱり声を上げたいし、
場合によっては立ち上がって盛り上がりたい気持ちは、ある。

映し出される観客席を見ると、
ちゃんと一席ずつ開けて観客は座っているし、
みんなマスクをしている。リアクションは拍手と
身体を揺らしたり、手を振ったりするぐらいが限界のよう。

スピッツの面々も、それほど激しい曲は演奏せず、
とはいっても、このバンドはいつも目一杯楽器を鳴らすので、
いつも通り、熱のこもった演奏を聴かせてくれたというか。
声援が全くないので、曲と曲のあいだに静寂があり、
観客がじっと次の曲を待つ雰囲気は、悪くない。

個人的には、
「20年ぶりぐらいにやります」と草野マサムネが語る
「ハートが帰らない」が白眉。
彼らの傑作アルバム「隼」の中でも名曲のひとつで、
もし自分が観客席にいたら
「ぶおお」と不穏な声を出していたに違いない。
さらに「フェイクファー」「ハネモノ」など、
これまでのライブではあまり聞けなかった曲もあり、
けっこうなお得感のある2時間のあいだ、
パソコン越しで「ぶおお」の連発だったという。
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その日をつかめと御大が

2020年12月22日 | たまには音楽でも
ポール・マッカートニー「マッカートニーⅢ」を聞く。
齢78のポール御大、元気です。


70年の「マッカートニー」
そして80年の「マッカートニーⅡ」は、
ポールが宅録で好き放題につくった実験作と言われる。
確かにこの「Ⅲ」でも
それまで聞いたことのない曲調というか、
いつものポールらしいバラードもないし、
シンプルなロックンロールも少ない。

でもそれは、それ。御大のやることは
とりあえず受け止めるしかないのです。
で、何度も聞いていくうちに、これはこれでいい、と
思うようになってくるわけで。
そういえば前作「エジプト・ステーション」も
何度も聞いているうちに、傑作だなあと思うようになったし。

個人的なベストトラックは

09 Seize The Day

かな。爽やかなメロディと前向きな歌詞が素晴らしい。

05 Lavatroy Lil

も軽快なロックンロールでなかなか。
「便所のリル」って前妻ヘザーのことを
歌っているという噂を聞いたけど、本当なのだろうか。

11 Winter Bird/When Winter Comes

も名曲でしょう。聞く者の琴線に触れまくるメロディ。
これこそポール、と最後の曲で大満足してしまうのは、
御大の術中にはまったんだろう、きっと。

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野に咲く花はスルメ味

2020年12月11日 | たまには音楽でも
トム・ペティ「Wildfowers&All the Rest」を聞く。
94年に出たTPのソロ第2作「ワイルドフラワーズ」は、
彼の最高傑作との声が多く、まさに自分もそう思うし、
長年愛聴していたアルバムだ。
このたび26年の時を経て、リマスター及び、
本来入れるはずだった未発表曲をAll the Restと題して収録。
さらにTPのホームデモ音源や
ハートブレイカーズでのライブバージョンを集め、
4枚組のデラックス版として発売。


プロデューサーのリック・ルービンや、
盟友のマイク・キャンベル、ベンモント・テンチらの
詳細なコメントが入ったライナーも素晴らしい。
輸入盤なので、拙い英語力でなんとか読みながら、聞く。

未発表だったAll The Restの楽曲は、
地味だけどしみじみ心地良い。
もともと「ワイルドフラワーズ」は
サウンド的にも控えめで、自省的な歌詞が目立っていたのだけど、
発表当時、2枚組で出ていたら、
えらく地味でそっぽを向かれていたかもしれない。

Disc 02 Leave Virginia Alone
は、ロッド・スチュアートに提供した曲で、
All The Restのなかでもキャッチーで可愛らしい。

05 California 
の温かなフォークロックも気持ちいい。

10 Hung Up and Overdue
は、リンゴがドラムでカール・ウィルソンが
バックコーラスで参加。ライナーによると
ビーチボーイズ風を目指したとある。TPにしては異色で興味深い。

聞けば聞くほど味が出る
スルメCDであることは間違いないので、
しばらくはこの4枚組で楽しませてもらおうかと。ありがとうTP。


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