


ボブ・ディラン「ラフ&ロウディ・ウェイズ」を聞く。
オリジナルアルバムとしては8年振り。
全英チャートで1位。全米でも2位だという。
コロナ禍のなか、
先行シングルの「最も卑劣な殺人」が初の全米ナンバーワン。
時代はますますディランに風が吹いているのだろうか。
ストーンズに続いて、かどうかはともかく、
マイク・キャンベルも「Lockdown」という、
まさにいま伝えるべき曲を配信中。
なんだか清志郎を失くしたときのチャボのような感じというか、
トム・ペティ亡きあと、この職人肌のギタリストへの期待は高い。
フリートウッド・マックに参加したと思ったら、
ダーティ・ノブズというバンドを結成してアルバムも発売。
TPに負けない堂に入ったボーカルも素敵です。
渋谷STREAM HALLにて、
インヘイラーの初来日公演に行く。
アイルランド出身の4人組ロックバンドである。
そう聞くと、誰もがU2を思い浮かべるだろうけど、
ボーカルのイライジャ・ヒューソンは、なんとボノの息子とな。
U2「ソングス・オブ・エクスペリエンス」のジャケで
ジ・エッジの娘と手をつないでいた、あのあんちゃんである。
ニュースで息子がバンドを組んでいたことは知っていたけれど、
ロック好きのデザイナーFさんの「チケット余ってるので行きませんか」
とのお誘いにホイホイ乗ってしまったという。
ほほお。ボノの息子とはのお。ちょいと見てやろうかのお。
と上から目線のU2ファンのおっさん(自分、だ)ばかりと思いきや、
若い人もけっこういて、ホールは満杯。
聞くところによるとソールドアウトだったようで。
似てる。顔も声も演奏も。
ボノの若い頃ってこんなんだったろうなと思うけど、
それはやっぱり貧しい見方であり、
若さに溢れていながら、堂々とした演奏ぶりのギターバンドを
体感する幸せに浸るべきだろう。
ポップで明るいのだけど、どこか哀感が漂うギターの旋律。
イケイケなドラムに太いベース音。高音が切ないイライジャのボーカル。
演奏したのは10曲足らずで、1時間に満たないライブだったけれど、
メンバーみんなイケメンだし、U2がどうしたこうしたとは関係なく。
売れるんじゃないだろうか。アルバムが出たら聞いてみよう。
会場はオールスタンディングなので、
腰がもうボロボロです。周りにいた上から目線のおっさんたち(自分も、だ)も
軒並み腰をやられている様子。やはり謙虚に生きなければいけないと反省しつつ、
渋谷ストリームをあとにするのでした。
それにしても渋谷ってすごいことになっているんだな。
渋谷ストリームにヒカリエ、それから渋谷スクランブルとか、
これまでの渋谷の印象ががらりと変わったというか。
地下鉄の連結も複雑怪奇になっていて、
どこを歩いているのかよくわからない。
いずれにしても、自分のようなやさぐれ男の居場所は、
この街にはほとんど残っていないようです。
忌野清志郎「夢助」を聞く。
このCDが出たのが2006年。
発売から13年経って初めて聞く。驚いた。実にいい。
なんという前向きさと明るさ。
おそらくがんであることはわかっていたんだと思うけど、
その頃の録音とは思えない力のあるボーカル。
92年のソロ「Memphis」以来のナッシュビル録音で
憧れの地でシンプルなロックンロールやブルースを聞かせてくれる。
01_誇り高く生きよう
のまっすぐな歌詞や、
亡くなる直前のアルバムでセルフパロディともいえる
03_激しい雨
での「RCサクセションが聞こえる/流れてる」
のフレーズに勇気が出る。
2009年に清志郎が亡くなったとき、
その時点での近作はあまり聞いていなかった。
持っていたCDも「RainbowCafe」「冬の十字架」あたりまで。
亡くなったからといって、慌てて飛びつくのもどうかと思っていた。
なので、清志郎のことを思い出すたびに
RCやタイマーズを聞いたり、
「瀕死の双六問屋」を読み返したりしながら13年。
「ザ・カセットテープ・ミュージック」の
スージー鈴木さんの解説を聞いて、
ようやく「夢助」を手にし、感慨に耽っている次第。
本作の前のアルバム「KING」や「GOD」もいいんですよね?
清志郎のコアなファンの皆さん、教えてくださいな。
「中学のとき、隣の教室でバンドをやっている奴がいて
羨ましいなあと思っていたけれど、
まさかいま、ここに自分が立っているなんて」
とMCで話す草野マサムネの言葉に偽りはないだろう。
信頼できるメンバーと、自分が作った曲を鳴らし、
観客を興奮の渦に包み込もうとするところは
ずっと変わらない。
メンバーの演奏を聞いていると、
キレイな音なんか出すものかというノイジーなところがあって、
田村の太いベース音と、軽やかだけど迫力のある崎山のドラムス。
見た目からは想像できないぐらい寡黙にギターを弾く
テツヤの律儀な感じと、ちょっとひずんだ音でギターを鳴らすマサムネ。
ライブでなければ感じ取れないものを体に浴びる。
新譜「見っけ」のツアーなので、
このアルバムからは7曲演奏され、
合間に過去の曲が入ってくる構成。
意外なことにベストアクトだったのは
「11_優しいあの子」かな、と。
朝ドラで散々聞いていたし、
スピッツの中ではまあ普通かなと思っていたこの曲が、
ライブで聞くとドラムとベースが弾んでいて好印象。
ナマで初めてその曲の良さがわかることがあるけれど、
まさにその例に当てはまるというか。
ステージからはまあまあ近いというか、
けっして遠くはないスタンド席。
女性客が多いせいか、お客さんの服装が明るめでした。
普段、やさぐれたおっさん(自分、だ)が
集まるようなライブの客席はどす黒いからなあ。
爽やかで心地良い空間でした。
スピッツ JAMBOREE TOUR 2019-2020 ”MIKKE”
@武蔵野の森総合スポーツプラザに行く。
とどのつまりチビったのは、
U2ではなく、スピッツでだったのでした。
初めての武蔵野の森スポーツプラザ(ムサプラと言うらしい)は、
とってもキレイな会場で、
ステージからそれほど遠くないスタンド席にて
このベテランバンドのロック魂を受け止める。
とりあえずセトリをば。
01 見っけ
02 はぐれ狼
03 エスカルゴ
04 けもの道
05 小さな生き物
06 遙か
07 快速
08 放浪カモメはどこまでも
09 点と点
10 ラジオデイズ
11 優しいあの子
12 ヒビスクス
13 プール
14 まがった僕のしっぽ
15 青い車
16 YM71D
17 ロビンソン
18 ありがとさん
19 楓
20 渚
21 8823
22 俺のすべて
23 春の歌
encore
01 醒めない
02 甘ったれクリーチャー
03 ヤマブキ
ディランだし、もちろん名盤だとは思っていたけれど、
久々に聞いたら、なんとも滲みてきたのは何故だろう。
音楽というものは、そのときの心境とか体調とか、
回りの空気とか気温とかで、ずいぶん印象が変わるんだけど。
特に
05_Tryin' To Get To Heaven
がやたらに響いたので、思わず歌詞カードを見たら
こんな内容だった。
わたしは今なんとかして天国に辿り着こうとしている、
その扉が閉められてしまう前に
あと
07_Not Dark Yet
もぐいぐい来るので、歌詞を見ると、
ときどき自分が背負っている重荷に
押しつぶされてしまいそうになる
まだすっかり暗くなってはいないけど
おおむね不幸だけど、
ほんの一筋の光があるような曲だなあと。
01_Love Sick
09_Make You Feel My Love
といったわかりやすい名曲は好んで聞いてはいたけれど、
それ以外の曲も、チビりますな。
1997年の「タイム・アウト・オブ・マインド」。
20年近く聞いてきたアルバムだけど、
初めて五臓六腑に染み渡る感じがしたというか。
あらためて名盤だと断言したい。