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旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

木曽路の旅(2) … 御嶽信仰

2013-05-17 10:30:38 | 

 

 木曽路に入って一番感じたことは、御嶽山がこの地のシンボルであるということだ。当然のことと言えば当然だが、今更ながらそれを感じた。
 子供のころから「木曽節」を歌うことは多かった。「木曽のナ~なかのりさん 木曽の御嶽山はナンジャラホイ…」と楽しげに歌う気持ちには、軽い茶化し気分こそあれ信仰や霊験を感じるようなことはなかった。
 今度の旅で、地元の人の御嶽に対する感情は、私たちよそ者には到底わからない崇高なものがあることを感じた。何よりも御嶽山は美しかった。その美しさは想像をはるかに超えた。そしてどこからでも見えた。

 御嶽教の存在も初めて知った。そういえば、藤村の『夜明け前』に、主人公の青山半蔵が父の病気全快を祈って御嶽山の神社で修業を重ねる場面があった。木曽の人々にとって、全存在は御嶽とともにあるのだろう。
 私たちを案内してくれたH氏は、現在は京都に住む根っからの木曽人であるが、「この山を見てエネルギーをもらう。ここに帰って一番に見るのはこの山だ」と何度も、感慨深く語った。
 木曽の人に信仰と生気を与え続けた御嶽山は、壮大な独立峰で、人を惹きつけてやまない美しさを放っていた。

  
 逆光に暮れなずむ御嶽山(開田高原のホテル『風里』より)
   
    「おんたけロープウエイ」乗り場より
   
   御嶽山を見つめるH氏


盛会だったミャゴラトーリ支援者の集い

2013-05-15 13:27:16 | 文化(音楽、絵画、映画)

 

 去る12日(日)の午後、西新宿の中華レストラン『白龍館』で、今年度のミャゴラトーリ支援者の集いを催した。
 第一回目であった昨年は30名弱の参加者であったが、今回は40名を越す方々にご参加いただき、定員40名の同館は超満員となった。本当にありがたいことだと思った。

 7月13,14日には、高円寺の『座・高円寺』で「セヴィリアの理髪師」を公演するので、その動員に弾みがつけば、と願っている。250席の二日公演は延500名の方に来ていただかねばならず大変だ。
 支援会では、その「セヴィリアの理髪師」に出演する歌手の中から、里中トヨコ(ソプラノ)、薮内俊弥(バリトン)、大澤恒夫(バスバリトン)のお三方にご出演願い、ピアノの巨瀬励起さんの伴奏で約一時間歌っていただいた。
 これは相当に好評であった。何せ本物のオペラ歌手が目の前で歌うのを聞くのは迫力がある。そのような経験を多くの人にしていただこう、というのもミャゴラトーリの願いである。
 ご参集の方々が、一人でも多くの人にこの経験を伝えていただき、その輪を広げていただくことを願ってやまない

  
             里中トヨコさん。
       
         薮内俊弥さん
  
       ピアノの巨瀬励起さんと大澤恒夫さん


木曽路の旅(1) … 蕎麦(そば)

2013-05-13 11:24:09 | 

 

 島崎藤村によれば「木曽路はすべて山の中である」(『夜明け前』)が、私に言わせれば、木曽路はどこもそば屋であった。街道筋にある食べ物屋はすべてそば屋であった。しかもそれは半端な数ではなかった。木曽の人たちは、そばのほかは食べていないのだろうか?

 10時に新宿を発つス―パーあずさで、午後一時前に塩尻に着くと、H氏に迎えられる。近くのワイナリーで試飲をさせてもらいながら、H氏が「昼飯はそばでいいか?」というので私は、「本山宿が近いのなら、太田蜀山人が『本山の蕎麦名物と誰も知る荷物をここにおろし大根』と詠んだ店はないか」と問うと、そこかどうかわからいがとにかくそば屋だ、と案内されたのが「本山宿めん食い処『宗月』」。
 お目当ての「からし大根」ではなかったが、まずは天ぷらそばに舌鼓…、運転するH氏には申し訳なかったが、地元塩尻の地酒「高波」を一口味わいながら先ずは満足。

 
     

 二日目の昼食は木曽市新開芝原の『時香忘(ZCOBO)』。前述したように街道筋はそば屋だらけであったが、これほど凝った店はないだろう。店の造りから蕎麦の凝り方から、感動すら覚えた。
 最後の「イカスミ蕎麦」に至るまで四品のそばを四人でシェアーしながら食べたが、筆舌に尽くしがたいとはこのことだろう。酒も「醸し人九平次」と「義侠」を、それぞれ四品に合わせてくれた。最後に出たドロドロの蕎麦湯が美味しいので店主に聞くと、「そば湯として特別につくる。そば湯は料理だ。ゆでた後の残り汁は料理ではなく、食品廃棄物だ」と胸を張った。
 もう一つ高田店主に、町おこしの要諦を尋ねると、「“若者、よそ者、変わり者”がいなければだめだ」との答えだ。少なくともこの店主が、かなりの変わり者であることは疑う余地がない。

 
  店へのアプローチ
     
  
 イカスミ蕎麦(わさびも大根おろしもかき混ぜて食べる)


 因みに三日目の昼は、馬籠宿で山菜そばを食べた。木曽路はすべて蕎麦であった。


木曽路の旅から帰ってきました

2013-05-12 07:55:16 | 

 

 素晴らしい旅でした。これから書き綴っていくことになりますが、とりあえず印象的な写真を掲載しておきます。
 木曽のシンボル御嶽ニ景と、妻籠宿と馬籠宿です。前者は快晴に恵まれ、後者は小雨となって緑が調和しました。

    
    
        

  
                  妻籠宿
      
                       馬篭宿

   

 


明日から木曽路の旅に行ってきます

2013-05-08 18:12:18 | 

 

 明日から、待望の木曽路の旅に出かけます。中央線で名古屋に向けて下ったことはありますが、「木曽路」を実感する旅は初めてです。二泊三日、たっぷりと味わってきたいと思います。

 何と言っても案内人が素晴らしい。木曽で育ったH氏。次のメールをくれました。

 「…素人ガイドですが、木曽人として並みのガイドにできない味のあるガイドを精一杯させていただきます……」

 涙の出るような話です。すべてはその地のもの…、その地に行かなければ、その地の事は何もわからない。そして、その地を知っている人は、その地の人をおいて他にないのです。
 この旅は、すべてH氏のなすがままに委ねたい。


 昨夜、京橋に開店した『獺祭バー』に行ってきた。「3割9分」と「2割3分」と「その先」、それにスパーリングと焼酎の「5点セット」を飲んできた。いずれも素晴らしい酒であるが、酒の味もだんだん現実離れしてきたような気がした。
 明日からは、もっぱら木曽の酒だ、たぶん「普通の酒」だと思う。その「普通」をたっぷりと味わってこよう。

   


若者たちの生態と日本の未来

2013-05-06 13:28:55 | 時局雑感

 

 過去6年に及ぶブログを読み返してみると、毎年この時期に菖蒲湯のことを書いている。昨夜も菖蒲湯に浸かった。菖蒲は邪気を払い元気な子供を育てるとされ、端午の節句にこれに浸かることが日本のしきたりだ。妻がこの習慣を忘れないでいてくれることがうれしい。
 
 さて、日本の子供たちは菖蒲湯に浸かって元気に育っているか? 昨日の新聞は一斉に日本の子供(15歳以下)が1659万人となり、32年減少を続けていることを報じている。総人口の12.9%となり、この比率は39年低下を続けているという。
 何日か前に日本の老人人口のことが報じられていた。こちらは3000万人を超え、総人口の25%に近づこうとしている。老人(65歳以上)は子供人口の2倍近い。この倍率は今後も高まっていくのだろう。日本はどうなるのだろうと、何となく不安になる。

 人口構成よりも、今の若者たちの生態の方が気になる。テレビのどこかのチャンネルが、今の若者の特徴として、「偉くなることを好まない(社長や部長などいやだ)」、「たくさんのお金をほしいとも思っていない」、「海外旅行の願望なし」、「恋愛願望なし」…などをあげていた。
 実例として、池袋で大学生3人に5万円を渡して半日放置したら、昼飯はコンビニの弁当を道路わきで食べ、大した買い物もしないで(せいぜいスケボーとかゲームなど)、夕方には2,3千円のつり銭をよこした、そうな。
 ブランド物などに関心のないのはいいとしても、「恋愛願望なし」は気になる。いよいよ子供の数は減るのではないか? 経済成長の経験なく、給料は増加していくものではなく、下がっていくものだと思っているというのだから、子供を育てようなどとは思わないだろう。

 もちろん、この若者たちも新しい日本の針路を見つけ出していくだろう。高度成長だけに浮かれた年寄りがその道だけが正しいと思い込み、若者たちにそれを押し付けるなど、彼らにとっては大きなお世話だろう。
 彼らが見つけ出した新しい日本の針路を、見ることなく死んでいくのが何とも残念だが…。


憲法96条を守ろう … 3分の2条項は世界の大勢

2013-05-04 11:10:06 | 政治経済

 

 昨日は憲法記念日。安倍政権の改憲気運の急なるを受けて、世は国論を二分して憲法問題に目を向けている。しかも、その焦点が第96条、つまり改正手続き論に向かっていることが気に食わない。
 自民党は結党以来憲法改訂を掲げているが、これまで発議に要する3分の2条項に阻まれ実現に至らなかった。そこで今回は、そのハードルを2分の1に下げることから始めようとしているところに姑息さがある。国のあり方を定める憲法を変えるのに、まず手続き論から入るなど論外で、なぜ変えたい内容を堂々と論じ合うことから始めないのだ。

 憲法は国のあり方を規定する基本法だ。他の法律や一般の物事を決めるように多数決で決めればいいというものではない。特に日本国憲法は、第二次大戦の不幸な体験の中から生まれた平和主義、主権在民主義など、世界に誇るべきものを持っている。
 「簡単に変えられない」、というところに3分の2条項の貴重な価値を求め、それを誇らしく思ってきた。先ずそこから崩していこうとする魂胆は許せない。しかも「3分の2」は世界の大勢だ。アメリカにしてもドイツにしても3分の2条項を持っている。

 自民党安倍政権が、憲法を変えたい本当の狙いはわかっている。それは第9条を変えて、軍隊と集団的自衛権を持ち、アメリカと戦争のできる国にしようということだろう。それならばそのことをまず選挙公約にして論じ合うべきであろう。そして、世論の3分の2を説得できるぐらいになって発議にもってくべきだ。憲法というのはそれほど重く、かつ、変えるには努力を要する大典であると思う。
 
 重ねて言うが、手続き論から入るような姑息な手はやめるべきだ。因みに、その手続き論からしても、毎日新聞の世論調査によれば、96条改正に反対46%で、賛成42%を上回っている。民意は二分されており、改訂する機運など熟していない。
 いわんやそれを、小選挙区制で掠め取った議席の数で決めてしまうなど、民主国家のやるべきことではない。


パソコンの大トラブル … 復活に半日を要す

2013-05-03 17:16:54 | 時局雑感

 

 昨夜帰宅してパソコンを開くと、私のメールが出てこない。会社用のメールも自宅で見れるようになっており、それは出てくるが自宅個人用が出てこない。「このビューにそのアイテムは見当たりません」という表示だ。
 何度か試みるがダメで、ついにあきらめて寝た。今朝になってやってみるがやはりだめだ。いつも世話になる隣の甥に来てもらい、調べてもらうが分からない。ついにJ‐Comに電話して調べてもらうが、これも分からず。
 コンピューターに原因があると思われるので、購入先のDell社に頼め、という。しょうがないなあ…と思いながら、Dell社に電話すると英語なまりの日本語の外人さんが出てきて、あれこれ指示を受けながら操作を続ける。。

 かなりの時間を要した後、「ここは修繕部門で、私の能力ではダメ、ワカラナイ。専門のトコロにつなぐが有料だ。イイカ?」ときた。メールが見れないではどうしようもないので、「シカタナイネ、タノム」とこちらまで英語なまりになって専門部署なるところに回してもらった。
 電話口に出てきたのは、金(キム)さんという韓国なまりの女性。「5千円と消費税250円、しかもカードですぐ払え」という。やや危険も感じたが背に腹は代えられず、カードナンバーを告げて、専門部署に回してもらう。
 今度は李(リー)さんという女性が出てきて、各部門で何度も繰り返した操作を繰り返して「消えたメール」を探してもらう。結局原因不明で、消えたかどこかに隠れた各アイテムは見つからず、J-Comのサーバーにあった受信記録を引っ張り出して繋いでくれたらしい。そして、「送信済み」と「削除済み」アイテムに残っていたものは消失したままだ。

 まあ、送受信ができるようになったのでよしとするのかもしれないが、半日と5千円を無駄にした。それとも、大変な便利さを享受しているのだから、何年かに一度はそれくらい必要なのだ、というのだろうか?
 それにしても、この分野で活躍しているのは韓国女性であることを実感した。韓国なまりとはいえ流暢な日本語で、てきぱきとした処理ではあった。


楽しみな五月 … 木曽路の旅、オペラ、薪能・・・

2013-05-01 17:28:02 | 時局雑感

 

 今年もすでに三分の一を終えた。風薫る五月・・・、世間は早くもクールビズということだ。
 今月は楽しみな日程で一杯だ。ゴールデンウィークは例年通りどこにも出かけないが、明けて9日から二泊三日で木曽路の旅だ。木曽谷出身のH氏の案内で、塩尻から中津川までの旅だ。H氏の車で4人だけの手作りの旅を、ワクワクする気持ちで待っている。

 続いて12日は、娘の主宰するオペラ創作集団『ミャゴラトーリ』の「支援者の集い」だ。グランドピアノのあるレストランを借り切り、オペラ歌手3人を招いてミニ・コンサートをやる。そのあとは軽い食事でお酒を酌み交わしながら懇談だ。40名ぐらいの方々が集まってくれる模様で楽しみにしている。
 私はお酒の担当を仰せつかっているので、美味しい日本酒を買い集めている。40名となれば、ビールを別としても四合瓶10本ぐらいは飲むだろう

 次の週の週末(18日の土曜日)は、近くの大宮八幡宮の「薪能」だ。娘と、「今年は日本の文化を極めよう」という計画を立て、正月の歌舞伎や落語から始めたシリーズの延長線である。出し物は野村四郎の「船弁慶」ほか。
 薪能ともなれば、何としても天気が崩れないことを願っている。娘は雨女であるので・・・。

 そのあとも、下旬には銀行の同窓会である「本町会」などが続く。5月はそのようなシーズンなのであろう。2年前の今日は脳梗塞で入院していた。おかげで軽くて済み、再発も免れているが、脳梗塞二周年を迎えて自重もしなければなるまい。

     


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