旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

素敵だった「山びこの会」忘年会

2009-12-13 14:40:35 | 文化(音楽、絵画、映画)

       

 銀行時代の友人たちの集まりに「山びこの会」というのがある。既に13年の歴史を持つこの会は、実にユニークな生い立ちをしている。
 当初は、山の好きな数人が行き先と集合場所、集合時間だけを決めて、集まった人たちだけで山歩きをしていたようだ。全く片意地の張らない、自由意志だけに基づく会で、その日に行ける人だけが気軽に集まり、少人数で山を楽しんでいたが、そのうち人が人を呼び参加者が増えてきたと言う。
 月一回の行事を重ね年を経るに従い参加者は増え、そのメンバーは70人を超えるに至った。今年新たに五名の新規加入者を迎え、正確には73名になったと言う。
 最早以前のように、「行き先と集合時間だけで集まる」では収拾がつかず、13人で幹事を構成し、参加者を事前に定めながら山行を行なうとか、事故に備えて保険に入るなどそれなりの体裁を整えなければならなくなったが、実に大らかに、楽しい行事を重ねているようだ

           

 昨日、この素敵な会の忘年会に初めて参加した。実は息子と娘が招かれて忘年会の余興に歌うことになったのだ。幹事の中に娘が主催した「オペラの会」や「歌曲・カンツォーネの会」などに来てくれた人が居て、「是非ともお嬢さんに歌ってもらいたい」と頼まれたのだ。会場にピアノが無いこともあって伴奏役にギターを弾く息子が引っ張り出され「兄弟公演」となった次第。
 結果は参加者に大変喜んでいただけたようだ。息子と娘の演奏が会員の雰囲気にマッチしたこともあったようだが、何よりもそれを受け入れる会の人々の姿が素晴らしかった。山を趣味としながらも写真のプロやオペラ通や料理通など様々な個性をもつ人たちと聞くが、会の雰囲気は、実に自制が効いていて、高い品格と知性に満ちていた。

 そこに、13年も続きなおメンバーを増加させ続けている秘密があるのだろうと思った。何とも清清しい一夜であった。
                           
     


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