旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

トルコ紀行28 ・・・ トルコと日本の未来

2009-12-17 20:33:15 | 

 長きにわたってトルコについて書き綴りながら、「トルコと日本は今後どんな国になるのだろう?」と思いつづけてきた。そのようなとき偶然にも、「21世紀の中葉、トルコと日本がユーラシア大陸の中核的国家となる」という大胆な予測をたてた書物に出くわした。ジョージ・フリードマンと言う人が書いた『100年予測』という本である。それによると・・・、

 「・・・中国はこれ以上の長期高度成長を続けることは出来ず、政情不安から毛沢東時代以前の状態に戻り、ロシアは資源国として生きる道を求めるが軍事力の弱さからユーラシア大陸を治めることは出来ずやがて自壊する。それに代わり興隆してくる国は三つ、一つはロシアと中国に沿岸部で接し北太平洋に力を持つ日本、二つはコーカサスから北部へ進出できる位置にあるトルコ、三つはポーランドとバルト三国同盟だ・・・」という。

 特にトルコは、混乱を続ける三大陸の中心に位置し地の利を得ている。ペルシャ湾への支配で石油を支配し、経済力軍事力ともに増強して北にも西にも出て行ける。2040年代にはこの地域の覇権国になっているだろうと予測されている。
 つまり、海に面していることはその先の国々に海を隔てて接していることになり、直接圧力を与え得るということらしい。日本は四方海に面しており、トルコも実にうまく海に面している。ガイドフラット氏がトルコを最初に紹介した言葉を思い出した。

 「トルコは五つの顔を持つ。ヨーロッパの国、アジアの国、黒海の国、エーゲ海の国、地中海の国の五つの顔だ」

 フラット氏はこう説明して胸を張ったが、まさにその五要素が、トルコを21世紀の中核的国家に導くようだ。黒海から北へ(特にロシアへ)、エーゲ海から西へ、地中海からそれに繋がるペルシャ湾(石油)やアフリカへ・・・、と地の利は万全である。
 私は『100年予測』を見て改めてフラット氏の解説の凄さに驚いた。この本は20091015日発行であるので、わが旅行時にフラット氏が読んでいたはずはない。氏の慧眼に頭が下がる。

 もちろんこの書は、21世紀はアメリカの世紀と結論付けている。大西洋と太平洋の両方に面し軍事力に優れるアメリカに勝る国は無い。勃興するトルコ、日本はやがてアメリカと戦争になりその興隆は阻止される。そのアメリカもやがてメキシコにやられる、というのが予測の結論のようである。

 それにしても、トルコと日本の勃興予測には驚いた。
                           

 
 フラットさんを囲んで(アタチュルク空港にて)


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