桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

勝利の喜び

2018-03-13 | Weblog
昨日は、本当に嬉しかった。
大崎事件は、俺たちが再審請求をした当時、再審開始決定を得て闘いの先頭を走っていた。
それが宮崎高裁支部で逆転されて以来、苦闘を重ねて来た。
昨日は39年に亘る闘いで、やっと宮崎高裁支部の壁を破り、この「事件」の本質を指摘する決定内容として報われた。
ここまでの長い闘いを支えて来た支援者、そして、この闘いを勝利に導く活動を重ねた弁護団、共に喜び合う祝杯の場にいて安らぎを感じる喜びを味わった。
大崎事件は死体が堆肥の下から発見されたことから殺人事件と速断した警察によって作られた冤罪だ。
救援会が行う現地調査のときは、「被害者」が下半身裸体で道路脇に寝ていたのが目撃された現場で、泥酔した「被害者」が深い溝に自転車に乗っていて落下。自力か他力かで溝と反対側の道路脇に寝ていた経過を再現実験する。
溝には「被害者」が店で買った商品が落ちていたが、その転落のときに頚椎を痛めて出血し、やがて近所の人に自宅に運ばれたときには瀕死だった!というのが推測で、今回の決定は、その推測を吉田鑑定や検察が隠して来た自宅に運んだ人たちの検証写真が明らかになったことによって認めた内容だった。
やっとやっと、あの日に帰ったのだ。原口アヤ子さんの命があるときに、あの日に帰れて、本当に良かった。
鹿児島地裁は供述心理学の観点から開始決定を書き、宮崎高裁支部は供述心理学は否定したが、再鑑定や他の会場内された証拠から開始決定を書いた。どの観点からも大崎事件は冤罪であると認められたのだ。
もはや検察は抵抗をしないで、原口アヤ子さんの命に答えて再審裁判の開始に協力すべきだろう。

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