桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

元の木阿弥

2011-04-29 | Weblog
名古屋刑務所で看守が受刑者を殺したことがあった。それが切っ掛けになり、明治時代の法律だった監獄法が刑事施設法として改正された。
改正された当時は、受刑者の人権を尊重するとして面会や手紙など、かなり自由になったが、最近、元に戻っている。どこの刑務所でも面会は制限するようになってしまった。
何しろ、刑務所の管理は法務省矯正局。トップが検察官だから、こうなるのは目に見えていた。風向きの悪さを感じて、一応は人権を理解したごとき姿勢を見せたが、自分たちの行動だけが社会正義だと思い上がる連中だから、本心は違っていたのだ。
今、検察改革を言われているが、あれも同じ結果になるだろう。今は頭を下げているが、社会の関心が薄れれば、また元の木阿弥だ。
東京電力の社長も、一応は頭を下げているが、この騒ぎが収まれば、きっと同じだね。まだ冷却も満足に出来ないのに、もう責任に付いて全面的には無理みたいな発言を始めたね。
役人、企業のトップ、社会をリードすべき一員が、これ。日本の不幸だが、今度の大災害は、真に社会をリードする人たちを知る機会になり、日本人が変わる切っ掛けになって欲しいよね。元の木阿弥にだけは戻って欲しくないねぇ。

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