桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

三者協議

2010-06-12 | Weblog
昨日は待望の三者協議だった。今後の展開を決めるモノとして、俺も期待を持って行ったが、これで終わるという安心を得た協議になった。
検察がDNA鑑定をして、俺たちを犯人と証明すると主張していたが、それがどうなるかと案じていた。
43年前、DNA鑑定は無かった。犯人が壊した便所の窓の桟には捜査官の指紋が付いている始末で、とてもDNA鑑定をするような厳重な証拠採取と保管がなされていたとは言えない。調べのときに、実際に俺の目の前に出され、俺が触っていた机の上に並べたりもしたのだから、その際に俺の垢やフケなどがワイシャツなどに付着したかも知れないのだ。多分、検察官は、それを期待して鑑定を行い、俺のが出たらば「犯人とは言えないが、そうだと確信する」とか言って灰色無罪を主張するつもりなのだ。
昨日、裁判所は検察官に対して「鑑定対象証拠物の保管状況を示す言葉や意見では無い証拠を提出するように」と求めたのだが、これで鑑定は棄却されるだろう。そもそもDNA鑑定の無い時代なのだ。保管状況を示す確かな署面など、あろう筈がないからだ。年内六回公判の期日が指定されたが、鑑定が無ければ行うことも限定されるから、いよいよ年内判決も現実になってきた。
何だか、とても安心し、ホッとした1日になった。

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1 コメント

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Unknown (カーキー・ソルト)
2010-06-13 15:13:43
 6月12日付け某政党の新聞赤旗日刊紙に『布川事件3者協議再審初公判は来月9日』と報道された。田舎の山奥で住んでいるので水戸まで傍聴にいけないが、7月9日はなんと私の誕生日ではないか。きっと桜井さんみたいに明るい方向に展開されることと確信している。5月29日、大阪市北区で開かれた冤罪を許さない関西集会に桜井さんが来られ、再会し親しく懇談でき楽しいひとときを過ごせた。ともに一緒だった知人も喜んでおられた。またいつかどこかで会いましょう。
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