桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

院内集会

2015-08-06 | Weblog
今日は、昨日、衆議院法務委員会で可決された刑訴法改正での反対集会だった。民主党の修正法案が出され、盗聴法や司法取引法が削除される期待も抱かせたが、政府提出法案は、何も変わらずに可決された。修正されたと言うのは、官僚文章の眩惑に過ぎず、何も変わらない。
頑張ってくれた民主党議員は、きっと無念だろうと思うが、これが政治なんだ。想像力の欠如で暗黒社会を作る、哀れな話だ。
この社会が刑務所になる、それが盗聴法なのに、腑抜けな政治屋には、それが判らないんだよな。
以前から、盗聴法や司法取引法の怪しさに、今まで反対していた日弁連が賛成したのは、被疑者弁護について拡大し、この法案が通れば弁護士には毎年20数億円が税金から支払われることになり、それで日弁連執行部は賛成に回った、と言う話があった。
俺は日弁連の支援を受けて再審で勝てた男だ。そんな話は信じたくなかったし、思いたくもなかったが、悪党警察は骨身に染みて知っているだろう日弁連が、日本を監獄社会にする盗聴法を認めて、その法案を早く通せと国会議員に説得に回っているのを聞いて、残念だけど「日弁連は冤罪被疑者の無念を切り捨て、20数億円で冤罪被疑者を売り払った」と感じたなぁ。
いやいや、 俺は日弁連の支援で勝った。冤罪被疑者を集めて日弁連に抗議に行く気持ちになったが、止めた。そうじゃないと、忘れぬ感謝で信じることにした。でも、参議院でも、俺たち冤罪被疑者は抵抗する。人の心を盗みとる盗聴法なんて、絶対に許せない。他人を売って自分の罪を軽くする、そんな賤しい法律は日本には合わない!冤罪を作って反省しない警察や検察に盗聴法や司法取引法を与えたならば、日弁連も新聞記者も、アナタが冤罪になるんだと、声を上げ続ける。

法案採決

2015-08-06 | Weblog
衆議院法務委員会で審議されていた刑訴法が、昨日可決された。
読売からの取材があり、俺の短いコメントも掲載されたが、最悪であることに変わりはないままの可決だった。
そもそも冤罪を作らない法律の改正だったはずが、可視化は3%ほど。そこに「可視化すると治安が悪くなるので代わりの捜査手段を」とかの訳の判らない理由で盗聴法と司法取引が加えられた。
盗聴なんて、何時、誰がやられるか判らない気味の悪い捜査手段だし、「治安を守るため」と思えば、どんなことでもやる警察なのに、その歯止めが「捜査に関係しない警察官の立ち会い」だと言うから呆れるのを通り越して笑える。泥棒集団の悪事を監視するのに仲間を立ち会わせて、何をさせようと言うの。国会議員の思考レベルには、とても付いて行けないよ。
司法取引は、さすがに自分の身に降り掛かる法律と思ったのか、「自分に関係しない犯罪はダメ、経過を含めて弁護士の立ち会い」と修正されたが、甘いね、議員さんは。美濃加茂市長の冤罪は他人事なのだろうが、悪党警察と腐れ検察が狙うのは、次はアナタ!!
この法案、たった3%の可視化を実行するまで、3年も掛けるらしい。でも、盗聴法は数ヶ月。予算的に云々?いゃ、やる気の問題だよ。法律になったらば、即、全国の全警察官にICゴーダを与えれば、少なくても音声での全面可視化は可能なこと。
まだ参議院もあるし、俺たちは闘い続けるが、警察と検察の際限ない悪辣さを理解しない可決で、実に残念だったなぁ。