桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

犯罪行為止まず

2014-01-13 | Weblog
また大阪府警で調書捏造行為が発覚した。
大阪府警での不祥事、犯罪行為の発覚が多いけども、この問題は、決して大阪府警だけに発生する事件ではない。全国の警察に潜在している問題なのであって、警察内部で根本的に意識を変えない限りは、これからも止まないだろう。
何ゆえに犯罪行為や不祥事が生まれるかだが、警察は社会正義の実現を旗印に犯罪に立ち向かう組織だ。日常的に犯罪者と出会い、向き合うわけだが、その日常が過剰な可罰意識を生み出す。犯罪行為を憎むのは良いが、巧妙な犯罪者たちを罰したいという思いは「悪い奴を処罰するためには、その悪に対抗して、多少の不法行為を行うのは仕方がない」との考えになってしまう。
この「悪い奴を懲らしめる、正義のために許される違反行為がある」という意識こそ、全国の警察で犯罪行為や不祥事が生み出される根本的な原因なのだ。
冤罪が作られるのも、その意識に原因がある。冤罪者に「自白」をさせても、それは言葉だけであって有罪の証拠としては足りない。すると警察は「有罪にしないと正義が負ける。こいつを逃しては大変だし、逃がさないことが正義。逃がさないためには証拠を捏造しても正義のためだから許される」として証拠を作り上げてしまうのだ。
正義のために許される違反行為など、あり得まい。誰がみても、どこから考えても厳格な真実と正義に基づいた法律の行使こそ、日本の警察であり、犯罪捜査の基本であると、警察全体の意識改革がなされない限りは、今後も警察による犯罪行為は続けられるだろう。そして、冤罪事件も産み出され続けることだろう。