桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

朱に交われば

2014-01-11 | Weblog

今日の新聞には、警察官が暴力団に情報を流して金を貰って逮捕された事件が、2件報道された。気の毒になあ、きっと初めは社会正義を実現しようとして警察官になったのだろうに。

暴力団担当刑事は、常に暴力団に接触し、情報を得るとこを任務として居る。でも、暴力団の朱に交わってしまい、自らが汚れてしまう。暴力団でも人間だし、組の頭などになる人は、それなりに力量や人間力がある。ただの粗暴では人は動かせないが、その人間性に惑うんだろうなあ。そして、金。

暴力団として、堂々と暴力団の看板を下げて街中に存在しうる国は、世界でも日本しかないだろう。アメリカなどの諸外国にも、もちろん地下組織として存在するが、街に看板などはない。下げたらば、即、逮捕、壊滅だろう。

なぜ日本では暴力団が社会的な組織として街中に存在するのか!政治との結びつきだ。

自民党と暴力団、双子の存在と言って良い。亡くなった千葉県選出の有名な御仁は「俺は住吉会だ」と、自ら語っていたし、自民党の実力者で岐阜羽島駅を強引に作らせた大野何某と言う人物も列記たる組関係者だったよね。安保闘争当時、全国の暴力団員がデモ隊の前に立ち塞がったことは歴史の事実だ。この茨城県下では自民党を牛耳った二人の県議は、片やM会、片やS会であったことは公然たる秘密だ。勢力を争った二人は袂を分かち、県南の「M会」は病死、争いに勝った「S会」は、引退した今も隠然たる力を持っている。

裏金、ポストと地位が総ての警察。上位下達の職業ゆえ、道理の通じない組織。これらが人間性を歪めるのだろうが、まじめな警察官がまじめに仕事の出来るような組織になって欲しいと思うのは、きっと俺だけではないと思う。

一刻も早く改革しなければならないねえ、警察も。

 

 


殿ご乱心、だって

2014-01-11 | Weblog

甘利経済担当相が、細川元首相の都知事立候補に付いて、昨日の記者会見で、そうコメントしたらしい。

この人、確か舌癌で治療した人だったかな。髪の毛に、その痕跡があるけど、重い病を得て、少しは人生観に変化があるかと思ったけど、ダメな人は駄目だね。

肥後の殿様の末裔・細川氏の出馬が原発反対を掲げてと言うことで、甘利大臣は「資源に乏しい日本を考えて、安定した低廉で安全なエネルギーを確保することが政治の責任だ」と語ったらしい。

まだこんなことを記者会見で話すんだね、自民党は。

原発が安定していたことはあったろうか。甘利の語る「安定」として政治が目標としたのは「90%の稼働率」だが、1度も「85%」を超えたことはない。1975年以降の利用率でさえも「平均して70%程度」だとある。トラブル続きで、政治屋さんの目標は達成されないで来たこのエネルギーを「安定してる」と語るのは、知見が不足か、それとも金に目が眩んでるのか。

低コストなど、嘘っぱちだね。原発は立地自治体や御用学者などへの寄付金が2000億もあって、この税金を発電費用に加えれば安くない。ここに福島原発事故の諸費用を加えたらば、どうなるの?小学生でも判るだろう。それを「低廉」と語って恥じぬ神経は、何に狂っているのか判らないが、少なくても日本国の安寧などは眼中に無いとしか、俺には思えない。

「安全」と来ては、もう語る言葉を失うね。科学技術に、絶対的な安全はない。常識だろう。一度原発に事故が起これば、日本国土がどうなるかは、今の福島が示している。

これらを忘れたのか、見えないのか、「殿ご乱心」などと語り、揶揄し、番記者たちの「イイネ!」笑いに得意然とした顔を見ていると、本当に政治家の不見識さは国を滅ぼすと感じる。

もし本当に日本の低資源を認識し、国民国家の安全を思うならば、太陽光、風力、波力、地熱など、再生可能エネルギーに資金を投資して、そこに新しい産業を育成することこそ、真の政治家だろう。重ねれば、地球的な課題である「温暖化」阻止を考えて、その自然エネルギー産業を確立する夢に向かうことこそ、政治家たる者の責務ではないのか。

権力を監視すべき記者たちが、甘利記者会見の戯言に対して、番記者ならぬ番犬のごとくに「追従笑い」をするニュースを見ていて、この国は行くところまで行くのかも知れないと、初めて感じたなあ。