桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

足利事件

2009-05-09 | Weblog
冤罪仲間の足利事件に朗報が届いた。
昨日、足利事件弁護団は、再審請求の中で実施したDNA再鑑定結果を記者会見ど公表し、犯人とされた菅家さんのDNAとは一致しない結果が出たと公表した。これで再審開始に大きく前進した。どんなに菅家さんが喜んでいるかと考えると、本当に嬉しい。
しかし、素直に喜べない思いもある。
記事やニュースの中で、あたかもDNA鑑定によって有罪にされ、当時の検査精度の低さが招いた誤判であるごとくに言う人もいるが、違う。絶対に違う。
そもそも菅家さんのDNAと犯人のDNAが一致していないし、その疑問は専門家から見れば明らかであったのだ。警察が似ているように工作した鑑定書を提出したのであって、冤罪のお定まりの道を辿ったに過ぎない。
裁判官が警察のでっち上げを易々と見逃すから、ますますでっち上げをするのだけれども、俺は今度の朗報を聞いて、勿論警察と検察の犯罪行為は許しがたいと思うが、裁判所の責任を強く感じる。真実を正しく裁けない裁判官は、即刻辞任すべきだ。警察や検察を盲信して嘘の自白を見抜けない裁判官は、即刻辞めるべきなのだ。
それにつけても、このDNA鑑定を拒否して再審請求を棄却した宇都宮地裁での裁判長、池本寿美子氏、貴女の責任はどうなのだ!今も裁判所にあることを恥ずかしくないのか!