桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

さて、回答やいかに!

2009-05-20 | Weblog
昨日、足利事件弁護団は、検察庁に対して、菅家さんの無実は明白だとして即時の釈放を要求した。
検察庁は、今鑑定書を精査中だと答えたらしいが、裁判員制度を明日にして、どのような回答を示すのか、国民の注目するところだろう。
今までの裁判は、足利事件に示されたような科学的な鑑定を無視や曲解することが多かった。特に、冤罪事件にあって被告側に有利な鑑定のときだけに無視や曲解があった。
裁判官の名前を得ることで、何でも理解し得るような錯覚に陥るのかも知れないが、科学的事実に対する傲慢さが、これまでの冤罪を作ってきた大きな原因であると思う。しかし、一般市民は違う。自らの理解し得ない科学の目には、素直に対して認めるだろう。少なくても裁判員制度の中では、これまでのように科学的な鑑定が粗略に扱われないだろうから、今度の足利事件のような場合は、即座に無罪とされるに違いない。
先の報道にあるように、検察庁は捜査員の汗や唾液が出た可能性があるなどと、これまでと同じような曲解に走っている。この件で弁護団の佐藤弁護士は、なかなか面白いことを言っていた、
事件発覚後に行った検査でも、被害者の衣服からは、今回と同じ型のDNAが検出されている。菅家さんのが違うと明らかにされただけなのだ。従って、もし検察庁の言うとおりだとするならば、犯人の精液の上に捜査員が精液を掛けたことになる。でなければ、今回と10数年前とで同じ型のDNAは出ない。と、かなり辛辣に、且つユーモアたっぷりに検察庁の姿勢を批判したのだが、今回の足利事件弁護団の申し入れに対して、果たして検察庁は、何と反応するだろうか。
これまでと同じに裁判所を巻き込み、曲解路線を走り続けるのか、それとも真摯に科学の目を受け入れるのか。
足利事件弁護団の申し入れは、今後の検察庁の姿勢を占う意味でも注目されるだろう。
樋渡利秋検事総長の決断やいかに?

ありがとうございました!

2009-05-20 | Weblog
読売新聞に掲載予定だった意見広告が無事に掲載された。まだ予定した募金には足りないが、何とか支払いも済んで、最高裁決定前の最後ものとなるだろう活動が実った。
この運動にご協力くださった皆さんに、心から感謝申し上げます。有難うございました!!。
今日は、九段会館で「開け再審!」を合言葉に大集会を開きます。
裁判員制度の始まるこれからは、冤罪は国民自身の問題となります。冤罪は警察の自白強要に証拠のでっち上げと改ざん、検察の証拠隠し、更には、それらの不正に鈍感な裁判所の姿勢によって作られます。それらの問題が、何ら改善の法は成されていないままに裁判員制度が始まるのですが、これからは、この警察・検察の不法行為を国民の皆さんに、しっかりと見定めて正しい判断をしていただきたいと、私は一般社会人の持つ常識に期待して願っています。
いずれにしても、今後も冤罪事件の先頭に立つ布川事件として、総ての仲間を刑務所から取り戻せるように頑張る決意の今日です。
意見広告にご協力くださいました全国の皆さんに、重ねてお礼を申し上げます。有難うございました。