夢鉄城の日記

模型・鉄道・旅に関係した事を中心にしています。

西武鉄道100周年に思う②

2015-04-18 22:55:00 | 西武100周年
3.当時の西武電車はすごかった

 前置きはこのくらいにして、高校の通学で毎日乗ることになった西武新宿線は、雨が降ると必ず停車位置をオーバーして、逆転機を切り替えてバックすることが常識かと思うほど各駅で修正していました。
 ブレーキ性能が悪いのか、運転手の腕が悪いのか当時は分からなかったのですが、後から技量の問題でなかったことが判明。こうしたことで、天気が良ければ余裕で学校に間に合う時刻なのに、雨の日は1本前に乗車しないと遅刻してしまうという、おまけがつくのにはまいりました。さらに朝の乗車時間には必ずと言っていいほど、性能の悪い旧型片開きドアの先頭車の編成がやってきます。この車両はこのような事情から、しっかりクハ1411という形式であることを認識しました。雨の日はバスも遅れがちですから、いつもの時刻で家を出ると遅刻するので、1本早く乗るのですが、結局このバスも駅には遅延して1本前の電車に間に合わないことが多く、結局いつもの乗車時刻の電車に乗る羽目になるわけです。
 電車の方も定刻より遅れていて待ち時間だけが長くなります。そしてお決まりのオーバーランで停止位置を修正するので更に遅延するわけです。
 ある日ふと頭をよぎったのは、このあとにくる電車は何だろうかと言う事でした。確認したくなった私は1本待つことにしました。


(非冷房の701系)

 今この電車に乗っても2~3分遅刻するのは確実なので、この際10分後にくる各駅停車でもたいして変わりがないと腹をくくって待ってみたわけです。すると先頭車は701系だったので、車両の格差に唖然としてしまいました。でも、当時の701系だって車体は近代的だけど、台車は同じTR11だから性能面では全く同じといえます。先頭車に関しては同じですが、中間電動車は国鉄型のDT21なので、雨の日でも停止線を過ぎることはなかったので、ブレーキの性能はこのDT21のお陰げと思われます。



 片扉ドア車は通学を始めて四ヶ月ほどで見なくなってしまいました。最初は使用する時間が変わったのかと思いましたが、夏休み中に本線から姿を消したようです。そして定刻の電車は先頭車が切り妻の411系(のちの401)2連と701系4連とのコンビが常連となりました。台車は相変わらず古いもののDT21の強いブレーキのおかげで制動距離も短くなったようで、このころから区間スピードも若干上がっているように感じました。
 
4.101系はゆりかご

 池袋線には早くから101系の新性能電車が投入されていましたが、新宿線の主力と言えば、411、701、801系と旧性能車ばかりで、華やかさは全くなく品質の差が大きかったといえます。特にその差を感じるのが所沢での乗り換えで、飯能に行くときに天と地の差を感じるほど異次元の乗り物だと感じました。
 101系の車体は701系や801系とほぼ同型ですが、内装は全く違って明るく、エアばね台車のFS372はゆりかごのようなしなやかさです。この車両の登場でいままで酷評されてきた西武電車でしたが、一気に株が上がり私鉄でも乗り心地のいい電車と評されるようになったのも頷けます。
 その影響もあってか新宿線も新性能化が始まり、主力の411系、701系、801系の本数が減って、その代替えで101系が入線してくるようになり、ローズピンクと、ベージュのいわゆる赤電の比率が減って、レモンイエローとベージュの明るい車体が多くなり、新宿線のイメージもアップしてきたように思えました。そして高校2年の初夏には101系の冷房車が登場して車内環境が格段に上がりました。
 下校の時は駅に着くと急行が来ることが多く、田無で各停に乗り換えることが常になっていたのですが、たまたまその日は各停に乗れていたのでストレートで帰れるはずでした。ふと見ると田無折り返しの101系の天井にクーラーが搭載されているではありませんか。これはチャンスとばかりにわざわざ乗り換えて涼しい車両を満喫した思い出があります。



 試作冷房車の101系はパンタ車を除き分散クーラーになっていて、扇風機との併用でかなり涼しい快適な車両でした。
 この頃から次第に冷房編成が増え始め、乗車できる機会も増えてきましたが、朝の通学時間だけは冷房車に恵まれることはありませんでした。

 101系冷房車の登場は、それまで中央線に後れを取っていた環境が逆転した時代になります。当時の中央線には冷房車が少なく、乗り心地もエアバネの101系には全く及ばないのは言うまでもありません。西武が総力を挙げて冷房化に邁進したこの時期が、高品質化への転換期だったと言えると思います。
 





コメント (4)
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