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普通の生活の中での、思いついたこと、考えたこと。何かを表現したい、書いておきたいと思った時に、ココで発散しています。

アキちゃんごめんね

2009-05-29 09:21:00 | 学校&就活
今、2箇所の学校で講義を受け持っていますが、1箇所の学校では特別支援の生徒さんを受け入れて、1クラスつくっています。約20名ほど在籍。

この学校では1年生2クラスを4月から受け持っています。パソコンとビジネスマナー担当。
仮にA組、B組としますが、A組の生徒さんがどうもヘン・・・
テキストを読ませても、簡単な漢字が読めない、レポート書かせると1行がやっと、字形も整わない、指名して意見を言ってもらおうと思っても口ごもっていえないか、
聞き取れないぐらいの声でぽつぽつ言うくらい。
と思うと、いきなり大きい声で何かしゃべりだす子、つられて騒ぎ出す子、
ずっと落ち着きなく動いてる子、これは…

「もしや」と思って、連休明けに、担任の先生に
「あの、A組って、特別支援のお子さんまじってますか」と聞いたところ
「…ああ、A組はそういうクラスですので。知的な遅れがある子がいますから。よろしくお願いします」…
「…そういうことは事前にいっていただかないとこちらも困ります」
「先生、もう何年もやってらっしゃって。おまかせしても大丈夫だと思いましたから。よろしくお願いしますね」それでおしまい。

A組が特別支援クラスだ、と後になってわかったんです。ちゃんと伝えてよ!

4月の間は、まだ慣れないからかなとも思っていて、そのつど注意していたのですが、
言っても言っても忘れてしまうのか、一向に改善されず、注意してもなおらない。

どうしてもこちらの要求することができず、(難しいことではない)何度教えてもできない。
私もヘトヘトで、どうしたらいいのか、と結構深く悩み、考えて、毎晩考えて
ついこのまえは「前期で辞めさせてもらおう」と決意したのでした。

そういうお子さんを教育する訓練を私は受けていないし、どう接していいかもわからない。
わからないなりにやってみたけれど、そのやり方ではだめみたい。

「専門学校の先生」というある程度の自己イメージを持って仕事にのぞんでいたのですが

これじゃ全然ちがう。なんで私がこんな大変な子たちを教えないといけないの…
と、とても落ち込んでしまいました。

B組は普通の生徒さんなので、問題なく授業ができるのですが、問題があるのはA組…もう、私の精神力ではだめだ…
こういうことでストレスを抱えてしまっては、自分のためにもならない…


考えすぎなのか低気圧のせいなのか元気がなくなり、おまけに珍しく食欲もなくなり、1キロやせました。あんまり喜べるやせ方ではない。


本当に、前期終わったら「もうはずしてください」と学科主任に言おうと思っていたのです。

相談できる人もいない、どなたも自分の仕事で手一杯、話を聞いてくれる余裕もない。今の状況をわかってくれる人がいないことも、強いストレス。


でも


昨日

ビジネスマナーの授業で、レポートを書かせました。

「仕事に優先順位をつける際に、必要なポイントはなにか」。
答えは「緊急度、および重要度」この2点、
授業ではわかりやすく「いそぐこと、だいじなことからやりましょう」と教えたのです。
レポートの問題も簡単に言い換えたものにしました。

 「たくさんの仕事がかさなったときには、順番をつけます。その、順番をつけるときに、気をつけることはなんでしょう。2つ書きましょう」

これをホワイトボードに書いて、写させて、答えを考えて書いて、できたら出してください、ということにした。
テキストや、ノートを見てもいいですよ。と、くどいほど言ったのに。
講義中は一応、うなずいて聞いていたのに。理解はできていなかったらしい。

レポート用紙を回収したところ、


…誰も正答が書けていなかった…^^; それ以前に、白板の問題を写すのがやっと、というレベルでした。


もう、本当にこれじゃこの先何をやってもだめだろうと思って、昼休み総務課へ行って(午前中の授業だったので)
「1年契約ですけど前期でやめます」と言いにいかなければ、と思いつつ、教卓で一人一人のレポート用紙に目を通していたところ、

ある女の子:アキちゃん(仮名)のレポートに目がとまりました

この子は、知的障害があり、字の読み書きがあまりできません。できないながらも、いつも前から2番目の席で、一生懸命に聞いてくれている。

それで、そのアキちゃんのレポートに何て書いてあったかというと、

ひとこと、つたない漢字で、一生懸命な字で、書いてあった。



「笑顔」 と。



その字が、笑っているように見えた。ほんとに、にっこり笑っているような字だった。


はっとして、アキちゃんを見た。私と目が合った。

アキちゃんは、にっこり笑ってくれた。この子はいつも目が合うと、にこっとしてくれる、
私は本当にはっとした 何か、よそ見をしていたけれどちゃんと見るべきものが見えた感じ、血の気が引いた感じ。


この子は覚えていてくれた、一番初めの時に、「笑顔」を大切にしましょう、
と言ったこと。白板に大きく「笑顔」と漢字2文字を書いたこと。それをノートにうつしていた。ノートにも大きく「笑顔」と。


お昼休憩のときに、講師室でお弁当を食べながら、何度もアキちゃんの書いてくれたレポートを机において「笑顔」の2文字を見つめていた。
はじっこに、自分の名前といっしょに、「ビジネスマナー○○先生」と私の名前も書いてくれていた。自分の名前より、私の名前のほうが、大きな字で書いてあった。

少し、涙が出た。


アキちゃん、ごめんね。やめようと思ったりして。私、やめない。やめないからね。
アキちゃん、一緒に勉強しようね。いつも、「おはようございます」と挨拶してくれる、出席をとると「はい」とにっこり返事してくれる、
人の目を見て話をきける、うなずいたり、聞いたことには一生懸命答えてくれる、

ビジネスマナーだの何だの大げさな言葉はわからなくても、この子は基本的なこと、大事なことはちゃんとできている。

仕事の優先順位なんて、わからなかったら聞けばいいんです。ちゃんと、教えてくれる人はいるから。

きっと、この子にもできる仕事はあるはず。社会へ出てから困らないように、学校にいる間に、いろいろがんばろうね、アキちゃん。私も手伝うね。


他人が成長するということは自分も成長するということなのだ。
私のためにならない、ということでは決してない。私、ばかみたいなこと考えてた。目の前の子の、レベルにあったことをやればいいだけ。

自分に相手を合わせようとするから、ストレスになるのであって、相手に自分を合わせる、ぐらいの感覚で向かいあったほうがお互いにラクなのかもしれない。

…私、自分のことばっかり考えてた、人ってそういうものかもしれないけど。
悩んでるレベルから抜けて、覚悟が決まった感じ。そうするとすっきり。


♪やめないったら、やめないよ~~(*^^)v


さて 今日は午後からです 行ってきます。曇ってるけど 心晴ればれよ!


(^^)/~~~



コメント
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