俳優の樹木希林さんが語る”人生の贈りもの”(朝日新聞・朝刊に掲載)を楽しみながら読んでいる。昨日の回に面白い話があった。その昔、森繫久彌さんと演じたドラマでのギャラの件。希林さんは当時新人(?)だった頃と思われるが、一本の出演料が1万円。大学卒の初任給が1万2千円の時代なので決して安い金額ではない。ただ、共演の森繫さんはなんと! 120万円。「作品の中身は忘れてもギャラのことは覚えているものね」には笑えたが、森繫さんの額には笑えなかった。彼女も「これは森繫さんがいかにすごい人だったかという証ね。映画界のスターをテレビにお迎えしたわけだから当然の額ですよ」と話す。今も映画スター(存在するなら)は破格の値で商売をしているのだろうか。ハリウッドスターは別物。日本にもそれを真似た(?)俳優はいるかも知れないがその価値のある演技が出来る人はないなかいない。例えて言えば、今の希林さんが値するのかも。一時は嫌悪感を感じ、見たくないと思った時期もあったが、ここ数年の彼女はとても良い。病を患ってから映画の仕事しかしていないそうだが、そのままゆっくりと年齢を重ねて欲しい。あの人が出ているから映画館へ行こう、と思わせてくれる数少ない俳優。それが彼女。しばらくはそのままでお願いします。