ひとり暮らしの母が年末年始の予定を聞いて来た。毎度の事ながら憂うつな気分。実家に帰りたくない理由はないが、共に帰省するのを好まない夫がいる。それで毎年気分が悪い。分かっているようで分かっていない母。結婚して30数年も経つのだからいい加減理解してよ、と思うがそうはいかない。年老いてひとりで暮らしている母に寂しい思いをさせるのは気の毒、と思い毎年帰省を続けている。しかしこちらも年々年を取る。夫にしても同じこと。あちらは雪山へ出掛けたりもしているので、こちらも勝手気ままに過ごしてきたが今回は珍しく「おせち料理を食べたい」と言い出し面倒な事になった。母には年末の数日間だけ滞在すると伝えた。しかし年末に実家で過ごしていたらおせちを準備する間がない。母にはそれを理解する気はないようで彼女から「手作りするの? 大変ね」とのメッセージが届いた。「年末は帰って来なくていいからそっちでおせち料理作りに専念しなさい」とでも言ってくれたらいいのにー。無理な願いか。元気で暮らす母がいるだけでいいと思えない我が身の小ささを悔む。