スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

表彰選手&無知の人

2018-02-01 19:17:01 | 競輪
 2017年の競輪の表彰選手は1月29日に発表されました。
 MVPは福島の新田祐大選手高松宮記念杯,サマーナイトフェスティバル,競輪祭とビッグを3勝。函館記念も優勝しました。昨年は新田の年であったといっても過言ではありません。当然のMVPでしょう。2015年に続き2年ぶり2度目のMVPです。
 優秀選手賞は3人。まず三重の浅井康太選手KEIRINグランプリを優勝。優勝がこれだけであったために勝率や連対率は低いのですが,グランプリの優勝選手はほぼ賞金王になる仕組みで,その選手が受賞できないというのも変ですから順当でしょう。2011年と2015年に続き2年ぶり3度目の優秀選手賞。特別敢闘選手賞も1度受賞したことがあります。
 ふたり目は福島の渡辺一成選手。オールスター競輪寛仁親王牌に優勝。いわき平記念も優勝しました。昨年は新田とセットでの活躍が目立ちました。MVPは新田に譲っても,受賞自体は当然です。国際賞の受賞歴はありますが,それ以外は初受賞。
 3人目が埼玉の平原康多選手。全日本選抜競輪を優勝。大宮記念も制しました。平均競走得点が新田に続く2位で,勝率は新田を上回っていますから,3人目の選手としては平原が妥当です。2009年,2015年,2016年に続き3年連続4度目の優秀選手賞。MVPは獲得できていませんが,3年連続で優秀選手賞を受賞するというのは偉業だと思います。
 優秀新人選手賞は徳島の太田竜馬選手。選出カテゴリーの中では太田になるのではないかと思います。記念競輪制覇も近いのではないでしょうか。
 特別敢闘選手賞は奈良の三谷竜生選手。日本選手権競輪を優勝。三谷も浅井と同じで昨年は優勝はこれだけ。ただGⅠとしては最高峰のレースの優勝者ですから,選出に異論はないです。一方でもう少し活躍してほしいという気持ちも拭えないです。2014年に優秀新人選手賞を獲得して以来の2度目の受賞です。

 僕は喜びlaetitiaは小なる完全性perfectioから大なる完全性への移行transitioであり,悲しみtristitiaは大なる完全性から小なる完全性への移行であるということだけから,人間は同じ受動状態にあるのであれば,悲しみに沈んでいるより喜びに浸っている方がまだましであると考えるといいました。このゆえに,不安metusに苛まれているより希望spesに満ち溢れている方がまだましだと考えるのです。恐怖metusも希望も,混乱した観念idea inadaequataとともにでなければ存在し得ない感情affectusですから,どちらも受動passioによって人間が感じる感情です。だから不安に苛まれているより希望に満ち溢れている方がよいとは僕はいいません。まだましだというだけです。
 ですがまだましである以上,ある恐怖を打ち消す,すなわちその恐怖と相反する感情である希望があるなら,希望によって不安を打ち消すことを僕は否定はしません。むしろまだましであるという意味において肯定します。そしてこのとき,不安を打ち消している希望もまた,元の不安と同じように虚偽falsitasであるということ,いい換えれば,恐怖に怯えていようと希望に満ちていようと,虚偽に陥っているという点では何ら変わるところはないということを認識しているのであれば,こうした方法によって恐怖に打ち勝つことは,人生における対処法のひとつとして僕は全面的に肯定します。一例でいえば,原子力発電所が事故を起こせば取り返しのつかない事態になるかもしれないという不安を,厳しい基準の下で運転されるのだから事故を起こすことはないだろうという希望によって打ち消すとき,しかしその希望は虚偽であるということ,つまりどんな基準の下に運転されようと事故を起こす可能性が0ではないということを同時に認識しているなら,僕はこうした対処法を全面的に肯定するのです。要するに自由の人homo liberの対処法については全面的に肯定するということです。
                                
 このようにいえば,僕が第四部定理七〇で自由の人と対比的に記述されている無知の人というのを,どのような人と解しているのかも分かってもらえると思います。すなわち自由の人が虚偽には陥るけれども誤謬errorを犯さない人であるとするなら,無知の人とは虚偽に陥るばかりでなく誤謬も犯す人のことです。

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