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スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ひろしまピースカップ&困難と容易

2016-12-26 19:09:27 | 競輪
 被災地支援競輪として実施された広島記念の昨日の決勝。並びは深谷‐金子の師弟,竹内に松浦‐池田‐桑原の中国,原田‐渡部の四国で園田は単騎。
 深谷がスタートを取って前受け。3番手に園田が入り,園田はこのラインを追走のレースに終始しました。4番手は竹内で8番手に原田の周回。残り3周のバックから原田が上昇開始。ホームで深谷を叩くと同時に竹内も動き,さらに竹内が原田を叩きました。なので先頭に竹内,5番手に原田,7番手に深谷の一列棒状になってバックへ。このまま動きなく打鐘からホームに入り竹内の押さえ先行に。バックから先に原田が仕掛け,深谷はさらにその外を捲り追い込んでいく形に。松浦の牽制はありましたが乗り越えた原田が優勝。大外の深谷が半車身差で2着。松浦の外を踏んだ池田が半車身差で3着。
 優勝した徳島の原田研太朗選手は年頭の立川記念以来の記念競輪2勝目。奇しくも今年の最初の記念競輪と最後の記念競輪を制することに。地元勢を連れて愛知勢とは別ラインを選択した竹内の先行は容易に推定されたレース。深谷もさすがに竹内とは争わないでしょうし,園田も地元勢に競り掛けることはないだろうと思われました。そうなれば5番手を狙うのが常道で,その位置を取れば現状の竹内との力量差から優勝は可能。深谷がわりとあっさりと引き,位置を狙いにこなかったので,原田にとっては最高のレース展開だったのではないでしょうか。ビッグでの活躍が期待される選手のひとりです。

 デカルトが頻度と難易度を関連付けて認識していたかどうかは不明です。いい換えれば,頻繁に生じることは容易で,滅多に生じないことは困難であると認識していたかどうかは分かりません。ただスピノザが看破したように,難易度を完全性perfectioと関連付けて認識していたのは間違いありません。いい換えれば困難であることほど完全で,容易であることほど不完全であると認識していたのは確実です。しかしスピノザが考察しているように,どんなことであれ絶対的に容易であるとも困難であるともいわれ得ません。それは原因と関連してのみいわれ得ます。よって同一の原因から生じる結果については,難易度には一切の差異がないといわなければなりません。
 このことから理解できるように,たとえ人間が他になし得ない事柄を多くなし得るとしても,それは人間が他より完全であるということにはなりません。人間がなし得る多くの事柄は絶対的に困難なことであるとはいえません。人間以外の原因が与えられる場合には困難であるといい得るとしても,それは与えられた本性natura,essentiaによって各々ののものがなし得ることが決定されているからであり,各々のものの本性の原因は神Deusという同一の原因なので,各々のものの完全性の差異とは無関係であるからです。
                                     
 もっとも,第五部定理四〇が示しているのは,働きをなすことがより多いに従って完全であるということでした。もし能動actioが困難で受動passioが容易であるといい得るとしたら,困難であるほど完全であるということになります。ただ,各々のものがなし得ることというのは,それを能動的になすか受動的になすかに関わらず自然法則lex naturalisによって決定されているのですから,各々のものの本性に差異があるなら,能動は困難で受動は容易であるということは意味をなしません。しかしもし同一の本性を有するものの間でなら,能動を困難といい,受動を容易ということを僕は是認できます。というのは能動と受動の差異は,困難であるか容易であるかの差異の規準となる,原因と関連していわれるからです。すなわちあるものが十全な原因causa adaequataとなることは困難で,部分的原因causa inadaepuata,causa partialisとなることは容易であるというなら,僕は是認できます。
コメント
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