スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典全日本2歳優駿&自然権の優越性

2016-12-15 19:29:52 | 地方競馬
 昨晩の第67回全日本2歳優駿
 リエノテソーロの逃げもあるかと思っていましたが,ローズジュレップが主張して逃げました。発馬直後に外によれてしまったシゲルコングが長い直線で追い上げて2番手に。リエノテソーロはその後ろに控え,メイソンジュニアと併走での追走に。前半の800mが49秒8のハイペースになったのですが,不良馬場になった影響が大きかったようで,ここで前の位置を取ることができた馬たちだけのレースになりました。
 3コーナーを回るとシゲルコングがローズジュレップに並び掛けていき,さらにその外にリエノテソーロも並んで3頭が雁行。メイソンジュニアは一杯になり突き放されました。5番手をネコワールドと併走していたハングリーベンはレースに参加すべく追い上げようとしていましたがまだメイソンジュニアより後ろで前3頭のレース。一番外のリエノテソーロが楽々と抜け出して快勝。シゲルコングもローズジュレップは捕えて3馬身差の2着。逃げたローズジュレップが1馬身半差で3着。4着以下はここから4馬身離されました。
 優勝したリエノテソーロは前走のエーデルワイス賞に続く重賞制覇。デビューから4連勝での大レース制覇となりました。今年の2歳馬はエピカリスが過去最強クラス。その他の馬は例年のトップレベルに達しているかどうかも不明なところがあったので,今回の出走馬が決定したとき,14頭のうち10頭は勝つ可能性がある馬というのが個人的見解。その中で最も底を見せていなかったのがこの馬で,その点に魅力を感じていました。課題は距離延長でしたが,このレースをみる限りではこの距離ならさほど問題にはならないようです。ただ,スピード能力の方が優越していると思われますので,さらに距離が伸びることがプラス材料になるとはあまり思えません。その意味では不良馬場になったのはプラスだったでしょう。大成するならスプリンターとしてではないでしょうか。
                                    
 騎乗した吉田隼人騎手は昨年の有馬記念以来の大レース2勝目。管理している武井亮調教師は開業から2年9ヶ月で大レース初勝利。

 人間の自然権jus naturale,naturale jusとライオンの自然権では,どちらが優れた自然権であるかを決定できるでしょうか。まずそこから考えていきます。
 間違いなく人間はライオンより多くのことをなし得ます。つまり人間の自然権はライオンの自然権より広範にわたります。だから人間の自然権の方がライオンの自然権より優れた自然権であると結論するなら,これはいささか短絡的にすぎるでしょう。このことは人間の自然権がライオンの自然権より広範であるということだけを示しているのであって,ライオンの自然権として含まれている事柄のすべてが人間の自然権に含まれているということを示しているわけではないからです。むしろライオンの自然権には含まれているけれど,人間の自然権には含まれていない事柄もあります。いい換えればライオンにはなし得るけれど人間にはなし得ないということもあるのです。
 さらに,現実的に存在する人間とライオンが,武器を持たずに一対一で戦えば,おそらくライオンが勝ちます。つまりこの意味においては,ライオンの自然権が人間の自然権を凌駕するのです。もしかしたらライオンはその一点をもって,ライオンの自然権は人間の自然権より優れた自然権であると主張するかもしれません。ですがそれもまた短絡的な主張といわざるを得ないでしょう。それはちょうど,人間の自然権がライオンの自然権より広範にわたるという一点をもって,人間の自然権の方が優れた自然権であると人間が主張するなら,それは短絡的であるというのと同じです。
 こうした考察は,スピノザが書簡五十六でいっていた,三角形が口をきければ神は優越的にeminenter三角だというだろうという主張とパラレルな関係にあります。つまりここでいう人間の主張は人間的な主張であり,ライオンの主張はライオン的な主張であるということです。そしてこうしたことがおおよそ現実的に存在するすべてのものについて妥当しなければなりません。よって優れた自然権なるものは存在しないといわなければならないでしょう。
 このことは,自然権というもの,他面からいえば各々のものがなし得ることが何によって成り立つのかということからも説明できます。
コメント
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