スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

朝日杯フューチュリティステークス&頻度と難易度

2016-12-18 19:26:29 | 中央競馬
 第63回朝日杯フューチュリティステークス
 抜群の発馬だったボンセルヴィーソがハナへ。大外から脚を使って追い上げたトラストが2番手に。トラストを行かせた2頭,レヴァンテライオンが3番手でクリアザトラックが4番手に。この後ろはダンビュライトとレッドアンシェルで併走。リンクスゼロ,ビーカーリー,ミスエルテ,アメリカズカップの4頭は一団。トリリオネア,ブルベアバブーンの2頭が中団の後方。この後ろをサトノアレスが単独で追走し,タガノアシュラ,モンドキャンノ,ダイイチターミナルの3頭が集団を形成。最後尾に控えたのがアシャカリアンとトーホウドミンゴの2頭。前半の800mは48秒3のスローペース。
 直線に入ってもボンセルヴィーソが先頭で逃げ込みを図りました。追ってきたのはクリアザトラックでしたが,コーナーで外を追い上げ,前を射程圏に入れていたサトノアレスが大外から一気に末脚を爆発させ先頭に。これを目標とするように伸びてきたモンドキャンノが最後はさらに外から迫ったものの届かず,サトノアレスの優勝。モンドキャンノが半馬身差で2着。粘ったボンセルヴィーソが2馬身差の3着。
 優勝したサトノアレスは8月に札幌でデビュー。札幌の2戦は2着でしたが9月に中山で初勝利をあげると前走の500万条件も勝ってここに出走。馬場やペースの差はあったにしても先週より時計が1秒4も遅いレースになりましたから,どこまで評価してよいのかは微妙なところ。レース内容は強かったですから,能力が高いのは間違いないでしょう。ただこの距離が合っていたような感もありますので,中距離でも同じような内容のレースが可能なのかもまだ分からないところはあります。父はディープインパクト
                                     
 騎乗した四位洋文騎手は2013年の川崎記念以来の大レース制覇。朝日杯フューチュリティステークスは初勝利。管理している藤沢和雄調教師は先週の阪神ジュベナイルフィリーズに続いての大レース制覇。第47回のバブルガムフェロー以来16年ぶりの朝日杯フューチュリティステークス2勝目。

 自然のうちには頻繁に生じる出来事もあれば稀にしか生じない出来事もあります。このことは自然法則lex naturalisに何ら反するものではありません。なぜなら第一部公理三により,一定の原因が与えられることによって結果は必然的に与えられるのだからです。つまり原因がしばしば与えられれば結果もそれだけ多く与えられますし,原因が滅多に与えられなければ結果が与えられることもそれだけ少なくなるからです。いい換えれば出来事の生じ方に頻度の差があること自体が,自然法則すなわち神の本性の必然性necessitasに含まれていることになります。
 頻繁に生じようと稀に生じようと,それは同一の法則に従っています。ですから結果が生じる頻度と結果が生じる難易度にはまったく関係はありません。多くの原因が与えられようと少ない原因が与えられようと,与えられてしまえば必然的にnecessarius結果は与えられるのですし,法則自体は「唯一」なのですから,容易な原因がたびたび与えられ,困難な原因があまり与えられないというものでもありません。
 事実はこの通りなのですが,僕たちはしばしば生じることは容易であり,滅多に生じないことは困難であると表象しがちです。そしてそれが出来事自体に内在的に備わっている性質であるかのようにも思いがちです。つまり自然のうちには容易なことと困難なことが,僕たちの知性intellectusを離れて存在するというように認識してしまうのです。
 スピノザは,デカルトにはこうした類の思い込みがあって,それを哲学的な意味における完全性perfectioないしは完全と関係づけていると理解していると僕は考えています。その根拠は『デカルトの哲学原理Renati des Cartes principiorum philosophiae pars Ⅰ,et Ⅱ, more geometrico demonstratae』の第一部定理七の後の備考です。この本はデカルトの哲学の解説書なのですが,スピノザはその備考の中でデカルトの考え方には難点があるとし,スピノザ自身の考え方を示しています。
 問題となっている第一部定理七というのは,神が存在するということは,人間のうちに神の観念があり,そういう人間が存在するということから証明することができるというものです。ただしスピノザはその定理自体を問題視はしていません。このことをデカルトが論証するときの方法を問題としています。
コメント
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