現地時間で昨日の開催となった今年のドバイ国際招待レース。馬の国籍における日本馬は,5レースに7頭が参戦しました。
レース順に,現地時間17時45分発走のドバイゴールドカップGⅢ芝3200mに出走したのは一昨年の東京ダービーを勝ったマカニビスティー。再内枠からやや押して先頭に立ち,逃げる競馬。1周目の正面の直線で,1頭が横転。おそらく心臓発作だったのではないかと思います。レースは向正面まで続けられましたが,倒れた馬をコース上から排除できなかったために中止に。現地時間の21時25分に再発走という運びになりました。
再発走のレースでも逃げたマカニビスティー。前のレースより遅いペースであったと感じられましたが,縦長に。3,4コーナーの中間で後ろの馬に並び掛けられると,何の抵抗もなくずるずると後退。完走した馬の中では最下位。故障したのではないかと思えるくらいの下がり方で,心配したのですが,そういうわけではなかったようです。疲れきってしまったということでしょう。
UAEダービーGⅡタペタ1900mには6戦2勝のゲンテン。中団から後方のインを進み,3コーナーを回ると手が動き出し,直線に入るとすぐに一杯となり,最下位。距離が長かったということもあるでしょうが,この馬の前走は追い込んでの2着で,日本のダートでこういうレースをしている馬がこの舞台で戦うのは,そもそも荷が重いのではないかと思います。
アルクオーツスプリントGⅠ芝1000mには重賞2勝のエーシンヴァーゴウ。これは直線のレースで,先頭に立った馬からおよそ2馬身くらい後ろを追走。外に出したそうでしたが,馬群は内に寄ってきたのでそれはできず,はっきりばてたという印象でもありませんでしたが,伸びることもなく12着。スプリントでトップクラスという馬ではありませんから,実力通りの結果であったかもしれません。個人的に最も印象的だったのはこのレースで,勝ったオーストラリアの馬はものすごく強いと思いました。ただオーストラリアにはこの馬よりもはっきり強い馬がいるわけで,オセアニアのこの路線のレベルの高さを感じました。
ドバイデューティフリーGⅠ芝1800mには重賞2勝のダークシャドウ。中団の外を追走,先頭からは5,6馬身の圏内でしたが,直線で追われると伸びを欠き,9着。チャンスが最も高いのはこの馬と考えていましたのでやや残念な結果。勝ち馬は離しましたので,勝つのは難しかったでしょうが,明らかに能力を十全に発揮できたとはいい難く,体調面を整えることができなかったのではないかと思います。
ドバイワールドカップGⅠには,昨年のJRA賞最優秀ダートホースのトランセンド,NARグランプリのダートグレード競走特別賞のスマートファルコン,一昨年の日本ダービーを勝ったエイシンフラッシュの3頭。トランセンドは押してハナへ。しかし後続のプレッシャーがきつく,3コーナーでは一杯に。出走した馬の中では最下位。昨年の3着馬が優勝していますので,力を発揮できなかったともいえますし,昨年よりも勝ち時計が大幅に速く,それに対応できなかったともいえます。馬自身のリズムが少し悪くなっているような気がします。エイシンフラッシュは後方のインを追走。直線でも内を突き,じわじわとは伸びましたが,勝負になったというわけではなく,6着。この馬は超スローペースで極限の瞬発力勝負というのが得意な馬で,このレースはそういうレースになるとは考えられませんでしたから,その中では健闘したといっていいかもしれません。ドバイシーマクラシックの方に使えば,たぶんもっといい結果が得られたのではないかと思います。スマートファルコンは発走前後にいくつかの不利があって最後尾追走。直線は外に持ち出しましたが,ばてた馬を交わしただけの10着。日本でやっているのと全く違うレースですから,この結果は仕方ありません。逃げてどういう結果になるのかは個人的に大いに興味がありましたので,それができなかったのは残念です。勝ち馬は離しましたが,ゴール前の騎手の御し方はいただけないものだったと思います。
第二部定理八系が示していることの中には,もしも個物の観念が存在するという場合には,それが神の無限の観念がある限りにおいて,いい換えれば神の思惟の属性に包容される限りにおいてあるか,そうでなければそれとともに現実的に,要するに一定の持続のうちにあるかのどちらかであるということが含まれているといえます。これはおそらくそれ自体で明らかでしょうから,とくにそれ以上の説明は不要でしょう。したがってここまでの考察によって,人間の精神がある事物を認識するという場合,第二部定義三説明における知覚の場合も概念の場合も,すべて同じように第二部定理九の様式で説明されなければならないということまでは明らかになりました。
ただし,ある人間の精神が現実的に存在するという場合に,その精神の一部が必然的にある個物の十全な観念によって構成されているということは,スピノザは第三種の認識との関連で説明しますから,まだ明らかになったといえるわけではありません。また,これもすでに説明したように,これを明らかにするということは可能なのかもしれませんが非常に困難であり,少なくとも現時点での僕の能力からはできません。ただし,それは個物の観念ではありませんが,ある十全な観念が現実的に存在する人間の精神の一部を必然的に構成するということであるなら,それは説明することができます。というよりもそのことは,第二部定理三八系において,スピノザ自身が明らかにしているといえると思います。この系は,人間の精神が現実的に存在するならば,その精神の一部は,必然的にいくつかの共通概念によって構成されていなければならないという意味を明らかに含んでいますが,第二部定理三八および第二部定理三九が示していることは,どんな共通概念も十全な観念であるということだからです。
確かにこれらふたつの定理は,それが現実的に存在する人間の精神のうちに必然的に発生するということまでは示していないかもしれません。しかしこのことは,人間の精神が現実的に実在するならば,その精神は必然的に個物,あるいは物体を表象するということを示したのと同じように,岩波文庫版117ページの第二部自然学②要請三によって明らかにできますから,第二部定理三八系をこう理解して問題ない筈です。
レース順に,現地時間17時45分発走のドバイゴールドカップGⅢ芝3200mに出走したのは一昨年の東京ダービーを勝ったマカニビスティー。再内枠からやや押して先頭に立ち,逃げる競馬。1周目の正面の直線で,1頭が横転。おそらく心臓発作だったのではないかと思います。レースは向正面まで続けられましたが,倒れた馬をコース上から排除できなかったために中止に。現地時間の21時25分に再発走という運びになりました。
再発走のレースでも逃げたマカニビスティー。前のレースより遅いペースであったと感じられましたが,縦長に。3,4コーナーの中間で後ろの馬に並び掛けられると,何の抵抗もなくずるずると後退。完走した馬の中では最下位。故障したのではないかと思えるくらいの下がり方で,心配したのですが,そういうわけではなかったようです。疲れきってしまったということでしょう。
UAEダービーGⅡタペタ1900mには6戦2勝のゲンテン。中団から後方のインを進み,3コーナーを回ると手が動き出し,直線に入るとすぐに一杯となり,最下位。距離が長かったということもあるでしょうが,この馬の前走は追い込んでの2着で,日本のダートでこういうレースをしている馬がこの舞台で戦うのは,そもそも荷が重いのではないかと思います。
アルクオーツスプリントGⅠ芝1000mには重賞2勝のエーシンヴァーゴウ。これは直線のレースで,先頭に立った馬からおよそ2馬身くらい後ろを追走。外に出したそうでしたが,馬群は内に寄ってきたのでそれはできず,はっきりばてたという印象でもありませんでしたが,伸びることもなく12着。スプリントでトップクラスという馬ではありませんから,実力通りの結果であったかもしれません。個人的に最も印象的だったのはこのレースで,勝ったオーストラリアの馬はものすごく強いと思いました。ただオーストラリアにはこの馬よりもはっきり強い馬がいるわけで,オセアニアのこの路線のレベルの高さを感じました。
ドバイデューティフリーGⅠ芝1800mには重賞2勝のダークシャドウ。中団の外を追走,先頭からは5,6馬身の圏内でしたが,直線で追われると伸びを欠き,9着。チャンスが最も高いのはこの馬と考えていましたのでやや残念な結果。勝ち馬は離しましたので,勝つのは難しかったでしょうが,明らかに能力を十全に発揮できたとはいい難く,体調面を整えることができなかったのではないかと思います。
ドバイワールドカップGⅠには,昨年のJRA賞最優秀ダートホースのトランセンド,NARグランプリのダートグレード競走特別賞のスマートファルコン,一昨年の日本ダービーを勝ったエイシンフラッシュの3頭。トランセンドは押してハナへ。しかし後続のプレッシャーがきつく,3コーナーでは一杯に。出走した馬の中では最下位。昨年の3着馬が優勝していますので,力を発揮できなかったともいえますし,昨年よりも勝ち時計が大幅に速く,それに対応できなかったともいえます。馬自身のリズムが少し悪くなっているような気がします。エイシンフラッシュは後方のインを追走。直線でも内を突き,じわじわとは伸びましたが,勝負になったというわけではなく,6着。この馬は超スローペースで極限の瞬発力勝負というのが得意な馬で,このレースはそういうレースになるとは考えられませんでしたから,その中では健闘したといっていいかもしれません。ドバイシーマクラシックの方に使えば,たぶんもっといい結果が得られたのではないかと思います。スマートファルコンは発走前後にいくつかの不利があって最後尾追走。直線は外に持ち出しましたが,ばてた馬を交わしただけの10着。日本でやっているのと全く違うレースですから,この結果は仕方ありません。逃げてどういう結果になるのかは個人的に大いに興味がありましたので,それができなかったのは残念です。勝ち馬は離しましたが,ゴール前の騎手の御し方はいただけないものだったと思います。
第二部定理八系が示していることの中には,もしも個物の観念が存在するという場合には,それが神の無限の観念がある限りにおいて,いい換えれば神の思惟の属性に包容される限りにおいてあるか,そうでなければそれとともに現実的に,要するに一定の持続のうちにあるかのどちらかであるということが含まれているといえます。これはおそらくそれ自体で明らかでしょうから,とくにそれ以上の説明は不要でしょう。したがってここまでの考察によって,人間の精神がある事物を認識するという場合,第二部定義三説明における知覚の場合も概念の場合も,すべて同じように第二部定理九の様式で説明されなければならないということまでは明らかになりました。
ただし,ある人間の精神が現実的に存在するという場合に,その精神の一部が必然的にある個物の十全な観念によって構成されているということは,スピノザは第三種の認識との関連で説明しますから,まだ明らかになったといえるわけではありません。また,これもすでに説明したように,これを明らかにするということは可能なのかもしれませんが非常に困難であり,少なくとも現時点での僕の能力からはできません。ただし,それは個物の観念ではありませんが,ある十全な観念が現実的に存在する人間の精神の一部を必然的に構成するということであるなら,それは説明することができます。というよりもそのことは,第二部定理三八系において,スピノザ自身が明らかにしているといえると思います。この系は,人間の精神が現実的に存在するならば,その精神の一部は,必然的にいくつかの共通概念によって構成されていなければならないという意味を明らかに含んでいますが,第二部定理三八および第二部定理三九が示していることは,どんな共通概念も十全な観念であるということだからです。
確かにこれらふたつの定理は,それが現実的に存在する人間の精神のうちに必然的に発生するということまでは示していないかもしれません。しかしこのことは,人間の精神が現実的に実在するならば,その精神は必然的に個物,あるいは物体を表象するということを示したのと同じように,岩波文庫版117ページの第二部自然学②要請三によって明らかにできますから,第二部定理三八系をこう理解して問題ない筈です。