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スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

流出&思惟の様態とことば

2008-09-08 19:57:04 | NOAH
 一昨日はNOAHのツアー最終戦となる日本武道館大会。予定通りに佐々木健介選手が森嶋選手に挑戦するGHCヘビー級のタイトルマッチが行われました。
 このふたりは前ツアーの7月13日,博多大会でノンタイトルのシングル戦。これは30分1本勝負で時間切れ引き分け。前回のWILDⅡ対決を制した後の森嶋選手の指名は,この試合を念頭に置いたものであったと思われます。ただ,30分では両選手とも時間切れを視野に入れての戦いになりますが,60分ではそういうこともないでしょうから,条件が変われば試合の内容もやはり異なってきます。30分と60分では,公理系が微妙に違うといえるかもしれません。
 ふたりはキャリアは天と地ほども違い,佐々木選手が新日本でIWGP王者となり,トップとしてファイとしていた頃,森嶋選手はまだデビューもしていませんでした。身体は森嶋選手の方が大きいのですが,佐々木選手はよくいえばあまり小細工せず,悪くいえばあまりスマートな試合をするタイプではありませんので,真向からぶつかり合うことになります。試合もいきなり体当たりでファーストコンタクト。ただ試合全般を通して,佐々木選手は必ずしもナチュラルな力でも負けていないなと感じました。
 最後は前,後ろ,横からラリアート3連発。投げ捨てジャーマンからエルボースマッシュを挟んでのノーザンライトボムで佐々木選手が勝利。新王者に輝きました。ストラングルホールドなど,佐々木選手には効果的な締め技がいくつかあり,そちらを主軸に戦うのではないかと予想していましたが,あまりそれに頼らなかったのがかえってよかったのかなと思います。
 佐々木選手は健介オフィス所属で,NOAHから見ると最高位のベルトが他団体に流出したということになります。ただ佐々木選手の主戦場は全日本からNOAHに移っているといえますし,健介オフィスの主催興行でも,NOAHの選手の参戦が目立つ状況。ですので健介オフィス主催試合でのタイトルマッチはあり得るかもしれませんが,他団体の選手の挑戦は可能性が低いように思います。
 秋山選手はこの状況はほかの選手にとってもチャンスであるという意味のことをいっています。27日の大阪大会で,ヨネ選手の挑戦がすでに決定しています。

 明日からは王位戦七番勝負第六局が始まります。先手ですので深浦康市王位としてはここで防衛を決めたいところ。羽生善治名人が勝ってタイに持ち込めば,第七局は優位に戦えるのではないかという気がします。

 このことばの問題から,僕たちが気をつけておかなければならないことというのがよく分かります。すなわちそれは,ある人間の精神のうちに観念やら意志といった何らかの思惟の様態があるということと,何らかの事柄がことばによって説明されるということを混同してはならないということです,人間は,実際に思惟の様態として有していることとはまったく別のことを,ことばによって表現するということができるからです。単純にいうなら,人間が意図的に嘘をつくというような場合には,こうしたことが生じているといえるでしょう。
 ある人間の精神のうちにXについて何の観念も,すなわちそれが十全な観念であるか混乱した観念かは問わずに,Xの観念がないとしましょう。このことは,端的にいうならば,この人間はXについて何も知らないということになります。しかしこのような場合でもこの人間は,Xを知っていると表現することは可能なのです。実際,Xということばさえ知っていれば,この人間がこのようにいうことが可能であるということについては,だれも疑い得ないと思います。知ったかぶりをするということは往々にしてあるからです。
 これと同様のことが,意志の場合にも起こり得るのです。つまりある人間の精神のうちにはそうした意志というものは本当はなくても,そうした意志があるということは可能です。しかも意志の場合にさらに厄介なのは,そのようにことばで表現されることによって,実際にそのような意志があるかのように,その当人も思い込むことがあるからです。したがってある人間の精神のうちに,何らかの意志があるということは,こうしたことばに依拠するのではなしに,もっと別の方法によって,はっきりと確定されなければなりません。
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