スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

王位戦&意志作用の発生

2008-09-10 20:06:13 | 将棋
 王位戦七番勝負第六局。今日は最後のところを少し観戦することができましたが,やや差が開きすぎている感じでした。
 羽生善治名人の封じ手は△5一飛。昨日挙げた手としては△9三香に似た意味合いの手ですが,こちらの方がずっとよさそうです。深浦康市王位も▲6八銀とひとつ引き締め,△7五歩から攻め合いとなり第1図。
           
 ここから▲5五飛といって飛車交換になり,激しくなりました。以下,飛車をもう1度交換した後,互いに敵陣に飛車を下ろして第2図。
           
 ここから後手は△5二歩▲同飛成△4一金打と受けに回りました。先手は攻めきるよりないですが,どうも攻めが細かったようです。つまりここで受けたのが好判断だったということではないでしょうか。少し進んで第3図。
           
 ここで▲9一角成でしたが,これはいくら何でもぬるい感じ。これしかないようではもう先手が苦しいのでしょう。代わる手としては▲4六角と引くとか,▲4六角打と打つとかはありそうですけど,それで先手がよくなるというわけではないようにも思います。
 これ以下は,後手がかなり手堅く指したというのが僕の印象。そのため手数こそかなり伸びましたが,先手にはチャンスらしいチャンスがない感じで,最後はどうにもならなくなり,投了となりました。
 これで3勝3敗のタイに。運命の第七局は少し間が開いて,25日と26日に指されることになっています。

 下に広告も出ていましたが,明日から一宮競輪場でオールスター競輪が開催されます。初日はドリームレース。きちんとしたラインはふたつで,山崎ー伏見の福島に渡辺,平原ー武田ー神山で関東。小嶋と村上は単騎。井上は小嶋の番手にいくかもしれないとのこと。僕としては関東勢を狙ってみたいです。

 単に意志の発生ということについて考えれば,現在の考察の目的としては不十分な,抽象的な結論しか得られないということは,実はスピノザの哲学にあっては当然であるといえます。なぜなら,これは第二部定理四九系の証明の中でスピノザ自身がいっているように,意志というものは個々の意志作用の総体にほかならないからです。つまり,ある人間の精神のうちに現実的にあるというような意志の発生について考えるためには,単に意志の発生について考えるのではなく,むしろそうした意志作用の発生について考えなければならないのです。意志の発生を考えることによって理解できるのが,この意志作用の発生の原因が,この人間の精神のうちにある別の思惟の様態であるというところまでなのです。
 ところが,個々の意志作用の発生について考える場合には,次の点に注意しなければなりません。たとえばある人間の精神のうちにあるAという意志作用は,こうした個々の意志作用のひとつであり,また同じ人間の精神のうちにあるBという意志作用もまた,同様に個々の意志作用のひとつであるということになります。これはそれ自体で自明でしょう。ところが,Aという意志作用とBという意志作用は,意志作用であるという意味では同じですが,具体的には異なった意志作用です。そこで第一部公理三により,一定の原因からはある結果が必然的に生じるのですから,ある人間の精神のうちにAという意志を発生させる原因と,Bという意志を発生させる原因は,実は異なった原因です。というか,同一の原因であるということはあり得ません。つまりこの考え方から採用し得る方法というのは,ある具体的な意志作用というのをおき,かつこの意志作用が確かに生じるような原因というのを考えるということになります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする