「E・F・S・Fってなんですか?」昨日9月29日、ドイツ連邦議会が賛成523,反対85、棄権3の圧倒的多数で可決した欧州安定化基金(EFSF)強化策について、ドイツZDFが街頭でドイツ市民2人にインタビューする様子を伝えていた。「えっ?E・F・S・F?分かりませんねぇ。それなんですか?」と二人とも同じ反応だった。ドイツZDFは、メルケル首相は欧州安定化基金強化法案がドイツ下院で可決してほっとした表情を見せたと隣に座る財務相に笑顔で応じる様子を写していた。
英BBCは「イギリスはユーロ圏のメンバーでありません。29日のドイツ議会でEFSF法案が可決した。自分たちに関係ない遠い国の出来ごとですか?」と問いかけたあと「いえ、そうではないのです。もしドイツ議会で否決されたらギリシャ国債の償還期限が10月15日に迫っているギリシャ財政が破たんする。英国の銀行にも損失が出る。年金の運用に即影響が出て来る。イギリスの銀行が貸し渋りを強める。景気回復が遅れ、低成長が長引く。英国も必ず影響を受ける。遠くの出来ごとではないのです。」とベルリンから英BBC特派員がレポートしていた。
フランスF2はモロッコ訪問中のフランスサルコジ大統領は演説の中で「ドイツ連邦議会で欧州金融基金強化法案が可決されました。ドイツのメルケル首相に早速嬉しく思っていますと伝えました。ドイツとフランスが相互理解を深めることは大切なことだとご理解いただきたい」と話す様子を紹介していた。ロシアRTRもドイツ議会での法案可決は大きな一歩であるとしたあとで「ユーロ17ケ国全てが欧州金融強化案を承認しなければならない。スロバキアなど6ケ国の承認を残している」と紹介していた。
29日のNY株式市場は、「ドイツ議会での金融安定化基金法案が圧倒的多数で可決されたと伝えられた後、NYダウは前日比250ドル近く急騰した。ところが、中国経済に失速懸念が出て来たとのニュースを受けて急落一時マイナス圏にはいったが、買い戻しがはいり結局前日比143ドル高、11,153ドルで取引を終了した。一部調査機関が2015年に向けて中国のGDP成長率は年率5%未満まで落ち込むと伝えられたあと、ティフア二―などの株価が急落したことがこの日の株価乱高下に影響した」などと大和証券、キャピタルマ―ケッツアメリカ、長谷川誠氏が「ワールドWaveMorning」(経済情報)で解説していた。
29日のNY原油(WTI)相場はバレル93セント高、82.14ドル、NY金相場は、トロイオンス60セント安、1,616.50ドル、NY債券市場では、10年物国債が売られ、利回りは年2.002%へ久しぶりに2%台へ回復したが依然として記録的低さである。CNBCテレビを見ていたら米国の住宅ローン金利が年4.01%へ歴史的低水準まで低下したと紹介していた。
ドイツZDFはアテネを訪問中のECB,EU,IMF調査団はギリシャ財務省ビルの前で反対デモに阻まれた。「これ以上の緊縮財政では公務員は生活できない」とマイクに不満を述べる女性の財務省職員の姿を写していた。目先の10月15日の33億ドルのギリシャ国債の償還期限はクリア出来るかもしれない。しかし、12月117億ドル、来年3月157億ドルと続く。その都度ユーロ圏17ケ国議会承認が必要である。3ケ月ごとに世界の株式、外国為替、商品市場はその都度右往左往しそうだ。
子供時代、阪神青木浜はどこまでも続く白砂青松の遠浅だった。釣り糸を垂れてテンコチ、カレイ釣りを楽しんだ頃が懐かしい。フエリーの岸壁が出来、ヘドロの海に変わった。美しい海を取り戻して欲しいと叫んでも詮ないことかもしれないが、日々、変転極まりないご時世であるが故にこそ海辺に立って水平線をしばし眺めることを若者に期待したい。(了)