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脈があるのかないのかの見極めが肝心だ。アメリカは本当に脈がないのか?(学校で教えてくれない経済学)

2011-07-30 09:08:32 | 経済学

「脈がある」を広辞苑で引けば「①脈拍が絶えないで、まだ命がる。②転じて、前途に見込みがある」と出ていた。明らかに肺炎をおかしていることが素人目にも分かるケースでも最近の多くの医者はすぐ検査である。

語弊があるかもしれないが、頭から検査からはいり、脈をとらないところは、さいきん何かと言えば囃される格付け会社と似ている。ストレステストも同類項であろう。原発はなんとなく胡散臭いしろものだなという嗅覚が機能しないことの方がはるかに怖いのではないか。

今朝の「ワールドWaveMorning」を朝6時から見ていたら、米債務上限引き上げ問題が難航しており、NYダウが、前日比96ドル安、12,143ドルで取引を終了した。NY外国為替市場で、ドルが売られ1ドル=76.73円、1ユーロ=110.45円で取引された。原油はバレル95.70ドル、NY金先物はトロイオンス1,628.30ドルで取引されたと「経済情報」のコーナーで紹介していた。

米ブルームバーグに出演した投資会社の迂闊にも名前を書きとめられなかったが、「債務上限引き上げ問題などはこんなにも騒ぐことではない。引き上げられるか、引き上げられないかが問題でない。8月2日までに必ず引き上げられる。問題はその中身である。」と話していた。

これを聞いていて、先の脈があるか、脈がないかという言葉を広辞苑で引いてみたくなったのである。先の米専門家は、アメリカには十分脈があると確信しているようだった。「8月2日を過ぎれば、ドル相場は反発、株価もアク抜けする。」と明快だった。昨日、「モーニングサテライト」に出演した堀古英司氏も「アメリカはギリシャと同じではない」と明言しておられた。

アメリカが本当に脈がなければお陀仏である。当然、米債券は紙くずになる。米ドルも同じく紙くずになる。ところが、米格付け会社が米国債を格下げしても、誰も紙くずになるとはいっていない。最高ランクのAAAではないと言っているにすぎない。当然楽観過ぎるのは危険だが、金融ブローカーが囃したてて銭儲けの種にしているに違いないと思う次第である。

「ワールドWaveMorning」(経済情報)に出演した三菱東京UFJ銀行、岩岡聡樹氏は「①債務上限引き上げ問題が進展していない。②今年4~6期、米GDPデータが予想を大きく下回った、③エネルギー相場が失速したことがNYダウを押し下げた」と解説していた。特に米GDPが予想を下まわったことが株価を下げ、ドル相場を引き下げたと強調しておられた。米国が一番心配しているのはGDP(国内総生産)が思うように伸びないことではないかと思っている。

私ごとで恐縮だが、西宮病院の当時眼科部長だった市橋賢治先生は「治る病気か治らない病気かは目を見た時にすぐにわかります」と話しておられた。「いろいろなところを回った後で、うちへ来られる。目をいじくりまわされた後では、正直、手の打ちようがない」と話された。

脈があるかないかが大事である。専門家が見ればたちどころに分かる。治る病気か。そうでない病気か。そのあたりの見極めが人生すべてについて大切なのではなかろうか。(了)

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