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中国が9年ぶりの利上げ、専門家の評価分かれる No110

2004-10-29 08:27:28 | 経済学
学校で教えてくれない経済学・・・江嵜企画

 中国が9年ぶりの利上げに踏み切った。世界経済に与える
影響について、専門家の見方が分かれており注目される。

 日本人は、中国の過熱景気の強行着陸〔ハードランディング〕が
回避されるとして『追い風』との見方が多い。一方、為替ディーラーなど
外国人は、好調な中国経済が、スローダウンすることが、
今回の利上げではっきりし、景気減速が、商品相場、原材料の
需要の足を引っ張るとして、米国景気や日本などアジア景気にも
マイナスに働くと警戒的な見方が多い。

 今回の中国の利上げは、10月29日から実施される。
銀行などが企業などへの貸し出し金利である
「法定預金金利」で見れば、一年もので0.27%上げて
年5.58%と小幅である。

 10月28日、NY原油先物相場が、前日の4.9%、バレル当たり
2.71ドル下げに続いて1.66ドル下げ50.80ドルで取引された。
NY株価は前日113ポイント上げ、1万ドルの大台を回復したが
さらに上値を目指す勢いはなくもみ合い商状を続けている。

 原油相場の値下がり引きがねとなり、天然ガス相場も
値下がりをはじめた。米政府が発表した米在庫が4%増と
なったことも影響したようだ。

 為替相場は、中国の利上げ発表のあとドルは反発したが、
取引途中から売りに転じた。米ドルは、対ユーロで、
前日の1.2696ドルから1.2736ドルへ下落し、対円でも
106.55円から106.15円へ値下がりした。

 今回の中国の利上げ発表は市場関係者にとっても
驚きだったようだ。地震でも同じで、第一波で終わるのか、
比較的上げ幅が小幅であったことから、第2、第3波と
余震が続くのかいまひとつ見極めがつきにくいのかも
知れない。

 余震が続くと影響も大きい。しかし、小幅利上げで
当面利上げがないとなればほとんど影響がないであろう。
0.27程度上げで打ち止めにして、難物の地方経済への
打撃を最小限度にとどめるために、中国政府が
様子見を決め込む可能性は十分考えられるからだ。

 日本ではあまり表に出ていなが、今回の中国の
利上げのあと、現在ドルに固定している人民元を
弾力的運用に切り換え、結果として人民元切り上げに
誘導するかどうかについて、米国では盛んに
議論しているようだ。元切り上げになるとドルが売られると
見る為替専門家は多い。

 為替ディーラーの中には、中国が第2波、第3波と
利上げしてくると、商品相場の値下がりが加速して、
俗に言う一次産品関連通貨のカナダドル、豪州ドルに
対しては米ドルが上昇すると予測している。

 相場が一端下げ始めるとどこまでも下がる様に
錯覚する。原油相場でも同じである。60ドルまで
値上がりするといった見方は後退したが、一気に
再び30ドル台へ急落するといった極端な見方は
ほとんどない。

 昨日の米株高のお陰で、日本株にも買い安心感が
広がり日経ダウも161ポイント上げ、10,853円を
記録したが米株が様子見に変わると日本株も
上値を追うようなことにならないだろう。

原油高騰は、ノドにささったトゲであった。それが少し
おとなしくなった。だからといってそのまますんなりと
ノドを通るかといえば世の中そんな甘いものではない。

 「最悪の事態は回避した。あとは神のみぞ知る。」と
発言していた米国のあるエコノミストがいた。
飛行機でいえば、シートベルトを外ずしていい状態かと
いうとそうではなさそうだ。

 今回の原油相場急落の背景は、
① 米国原油在庫が予想以上に低かった。
② OPEC〔石油輸出機構〕が米大統領に米戦略備蓄原油の
即時放出を求めたことが重なったことが指摘出来る。

 中国の今回の利上げも米大統領選挙と全く無関係か
どうかとなると実に怪しいものである。米大統領選挙となると
なんでもありになる。日米繊維交渉でも、日本人は
当時のニクソン米大統領にひどい目にあった。

 日本人は騒ぐだけ騒ぐがあとケロッと忘れる。
災害が多い国なので「水に流す」体質が身についたの
かもしれない。

 「水に流す」ことと「見ずに流す」こととは大違いである。
今回の中国の利上げについてはいま少し注意深く
観察しなければならないであろう。(了)


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