JL3002便機中風景
江嵜企画代表・Ken
「相国寺管長 有馬頼底氏と行く金閣寺杉戸絵と森田画伯個展鑑賞・春のパリ・オランダ美術紀行」という名前が、旅行代理店H社がつけた今回のヨーロッパツアーの正式の名前である。
総勢37名、大阪組が20名、東京成田から17名の構成と聞いた。神戸三宮のバス停を朝6時25分出て伊丹に35分間で着いた。いつもながらの空港風景がそこにはあった。丁度1週間あとの5月22日、夕方着いた神戸のバス停で見た、まるでゴーストタウンのような風景が忘れられない。その間、神戸発の新型インフルエンザ発症のニュースが駆け巡り、日本中がパニックになったなど知る由もなかった。
伊丹発JL3002便に乗り込んでいざ出発である。乗るなり絵心を刺激されるご婦人が目に止ってスケッチした。ご婦人の後ろの座席に赤ちゃんを抱いた若いご婦人と新聞を両手いっぱいに広げて読み始めた男性が見えた。他人ならこうはいかない。ご家族だろう。座席番号53が見えた。
成田でパリ行きJL405便に乗り換えた。先にスケッチしたご婦人が我々のツアーのメンバーの一員であるYさんだとパリ ドゴール空港に着いた時始めてわかった。多忙の中、なんと森田りえ子先生が空港で我々一行に手を振って晴れやかに出迎えてくださった。気のせいか少しお疲れの様子にお見受けした。
これも後で分かったことだが、新型インフルエンザが、フエーズ6になれば取りやめになるとの話が出て、胃が痛くなる日が毎日続いたと聞いた。森田りえ子先生の食事会の挨拶の中で、いまここに私が立っているというこことが奇跡ですという言葉が飛び出した。森田りえ子先生にとって一世一代の大イベントである。インフルエンザごときでご破算にして成るものか。森田りえ子さんの念力で実現した。彼女は壮大な星のもとにお生まれになった方に違いないと常々思う。
ドゴール空港にもその後パリ市内をしばしば往来したが、パリの街中には、マスク姿はどこにもなかった。 パリ郊外にあるエヴァーグリーンロワイエルホテルに現地、5月16日午後5時半に到着した。(了)