グロリアス
画・江嵜 健一郎
今年はグロリアスと紅葉葵が元気である。通りがかりの女の子が「あっ!!グロリアスや」と声をかけてくれたのが6月の初めだった。
8月の末に6,7,8月とたっぷりと咲いてくれたので、ご苦労さんでした、とお礼肥しをやったが、それならもうひと踏ん張りするかと言わんばかりに、エンジンをかけ直して咲き続けている。
以前にも当欄で紹介した道一つ隔ててある小さなコンビニのおばさんが「今年は長いこときれいに咲いてますね。」とスケッチしていた時、一服付けるために店の外に出て来て、笑顔で声をかけてくれた。
10月が近づくと来春用のチュウリップの球根を植えることが恒例となってる。例年、神戸市灘区にある「コーナン」とう大型量販店へ球根を買いに出かけた。
10月から一斉値上げが始まると聞いていたが、9月末に既に球根が1個68円になっていた。昨年は1個48円だった。40%以上の値上げである。生活防衛のためもあり、10個入り498円を3袋、20個入りは798円を2袋買った。
過去の経験では1個売りの球根の方が咲き振りがいい。悲しいかな1個売りに手が伸びなかった。
今年に入り、原油が上がり、灯油が上がり、ガソリンが上がった。全てをロシアのウクライナ侵攻のせいにしたくないが、日本はエネルギーの大部分、その他資材の99%を輸入に依存している。今年に入って半年間に1ドル=115円が1ドル=145円と30%近くドル高・円安がチュウリップの球根値上げにも波及したのだろう。
花を描いているとアゲハ蝶が1羽飛んできた。この日は臙脂色の小ぶりの蝶も飛んできた。つがいだろうかしじみも飛んできた。お盆も終わりご先祖さんの誰かが訪ねてきてくれたのだなといつも感謝している。
花を描いているとインフレも忘れさせてくれる。元気ももらえるので花にひたすら感謝である。(了)