(学校で教えてくれない経済学)
9月5日、NY株は米FRB利上げ警戒感の中、ロシアが欧州向けガス供給を対ロシア制裁解除まで停止するとの報道の後、特にドイツ株安、欧州全般の景気後退懸念が加わり、ダウは300ドル超値下がりした。5日、WSJ紙電子版は「①トラス英外相が次期英首相に6日、正式に任命される。高インフレ、英ポンド安、エネルギー高騰、労働者不足など難問山積のなかトラス政権がスタートする。②米株は足元の米経済データ堅調で積極的利上げ継続懸念で下げた。ロシアがノルドストリームによる欧州向けガス供給停止を発表、欧州でエネルギー相場が急騰した、③OPECプラスが小幅減産発表でNY原油が反発した、④バイデン気候変動対策法案成立で米中間選挙での民主党巻き返しを指摘する声が出て来た。」と伝えた。
5日、ブルームバーグ電子版は「①人民元安進行を抑えるために中国の保有外貨売り増加、②成都都市封鎖に加えて四川省でM6.8の地震で停電、道路切断で経済への悪影響が懸念される、③ロシアの欧州向けガス供給停止で更なるエネルギーコスト上昇を材料に欧州株が値下がりした、④ドイツ連立内閣はエネルギー不足・高騰対策として原発3基のうち2基を緊急避難措置として来年4月まで継続すると発表した」と伝えた。
5日、NY市場でダウは31,318ドル、337ドル、1.07%安、S&P500は3,924と42ポイント、1.07%安、ナスダックは11,630と154ポイント、1.31%安で取引を終えた。恐怖指数VIXは 25.99と1.685上昇、米10年債利回りは3.195%とほぼ横ばいの0.13%増加。NY外為市場では1ドル=140.58円、1ユーロ=139.59円、1英ポンド=161.94円とユーロ圏経済先行き警戒感からユーロが売られたが全般は小動き。トラス英新政権の先行き不透明から英ポンド売りを懸念する声が出てきている。NY原油(WTI)はバレル88.88ドル、2.31%高、北海ブレント、同95.19ドル、2.33%高で取引された。OPECプラス減産発表とロシアの欧州向けガス供給停止が相場を支えた。NY金はオンス1,721.20ドル、0.08%安、ビットコインは1万9,734ドル、1.36%安で取引された。
6日、朝放送のNHK/BS「ワールドニュース」で米ABCは「ゼレンスキー、ウクライナ大統領は、米ABCとのインタビューで①ロシアはザポリージア原発を戦争に利用している。ウクライナは南部,東部併せて3都市を制圧した。しかし、ウクライは全ての領土を奪還する。欧米の援助が無ければ実現しない。援助をお願いする。」と話した、」と伝えた。英BBCは「ジョンソン首相の後任として6日、トラス氏が就任する。保守党選挙結果によればトラス氏8.1万票(57%)、スナク氏6万票(43%)とトラス勝利は予想通りだったが圧勝ではなかった。トラス氏は300億ポンドの大型減税と2023年の法人税引き上げ凍結の公約を守ると演説した。トラス氏はEU離脱に反対だった。国民投票で英国のEU離脱が決まると翌日離脱に転じた。政治家として信頼できないという声がそのあたりから出てくる。EUには距離を置いている。ロシア・中国には強硬姿勢である。調整型の政治家である。英国で3人目の女性首相となる。サッチャー首相を目標にしている。彼女は首相として資質はあるのか?カリスマ性はない。6日から足元のエネルギー高騰に対処を迫られる。」と伝えた。(了)