遊び人親子の日記

親子で綴る気まぐれ日記です。

この世にたやすい仕事はない

2017年01月15日 12時45分19秒 | 読書

   この世にたやすい仕事はない    津村記久子(著)2015年10月発行

   5話からなる短編集で、
   第1話  みはりのしごと
   第2話  バスのアナウンスのしごと
   第3話  おかきの袋のしごと
   第4話  路地を訪ねるしごと
   第5話  大きな森の小屋での簡単なしごと

   この世には、知られざる仕事がほんとに色々あるものだ、、、
   と溜め息がでる。
   これは、かなり《イタい》感じが強いので、
   早くも、第1話でめげそうになった。
   
   こんな世界に身を置いている人以外で、
   気力のある人、怖い世界を覗きたい人、知りたい人、鈍い人、は
   読んでみて。今、弱ってる人には、母はお薦めできないなあ。

     母
   
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ポトスライムの舟

2017年01月15日 12時04分10秒 | 読書

       ポトスライムの舟       津村記久子(著)2009年2月発行

    『浮遊霊ブラジル』が面白かったので、同著者の本書も読んでみた。
    本書で芥川賞を受賞した折りには話題になっていたのだが、
    あまり興味がもてずに読んでいなかった。

    本の内容は、主人公の「ナガセ」というアラサー女性が、
    古くなった家で母親と暮らしながら、工場でのライン業務に従事している。
    が、薄給のため、友人の喫茶店の手伝いやパソコン教室講師を掛け持ちし、
    辛うじて生活している状況。
    が、ある日、職場の壁に世界一周クルージングの旅のポスターが貼ってあり、
    突然、「その旅に参加しよう!」と決め、貯金を始め、
    毎日、出費をメモし節約生活をしようと努力中に、
    友人が子連れで助けを求め家に転がり込んできたりして、
    貯金など到底ままならない状況になり・・・。
    大学時代の友人達、同居する母や工場の女性の先輩、
    と、登場人物はほぼ女性なのだが、
    彼女達と触れ合うことで揺れ広がるナガセの心情が丁寧に描かれている。

    特に同世代の女性には、登場する働いている女性達の等身大の姿に
    共感するところが多いだろうな、と思った。
    『浮遊霊ブラジル』とは、ちょっと違ったし、この本を最初に読んでいたら
    どうだったかな?と思うと、母の好みの本ではないかもしれないが、
    登場人物には親近感を持つところはあった。

     わがまま母
    
    追加で・・・
    職場で強烈なパワーハラスメントを経験したという著者が、
    本についてのインタビューで、こんな風に答えている記事があり、
    「視野を狭くさせる」という一文に「確かに!」と、かつて母の職場でも
    思い当たるところがあったので転記しておく。
   
    —
    モラルハラスメントをする人というのは、
    対象に自分に都合の良い世界観を吹き込んで視野を狭くさせるところがあります。
    それを、できるだけ意外な方向から打破する小説が書きたいと思いました。
    鈍感な強い者のもっともらしい世界観だけが世界のすべてではないと言いたかったのです。
    そこにたどり着くまでの抑圧がリアルすぎていやだ、という話をよく聞くので、
    申し訳ない気分になります……。
    一冊にした意図は特にないのですが、強いて言うなら、今の三十歳前後の人間は、
    一社目の会社を選び間違えると、そのことがずっとついて回るようなところがありますので、
    そのことに関して気がついていただけたらな、と思いました。
    一社目を選び間違えた人の、使用後・使用前みたいな構成ですね。
    —
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