遊び人親子の日記

親子で綴る気まぐれ日記です。

ひこばえに咲く

2014年03月24日 13時51分01秒 | 読書

   ひこばえに咲く    玉岡かおる(著)2013年11月発行

   生涯をひっそりと、青森津軽の自宅の離れにある土蔵をアトリエとし、
   地元津軽の風景と人、特に林檎の木、花、林檎とともに生きる人を題材に
   あくまでも「自分のため」に絵画を描き続けた孤高の画家がいた。

   ある時、偶然彼の画集を目にして以来、気になったしようがなくなる
   銀座の画廊の娘「香魚子」が、津軽を訪れてみるところから話が始まる。
   その老画家は、津軽のゴーギャンとも言われていたが、
   描く事以外には無頓着なため、作品を発表せず、売る事もせず、
   倉庫の二階に150点以上の絵画をビニールシートで覆い無造作に置いていた。
 
   「こんなところに押し込むしかない繪を、どうして一生懸命、描いているんですか?」
   という香魚子の質問に、
   「そりゃあ絵描きは絵を描くだろ。船頭が船を漕ぐようなもんだ」
   ― おれはただ・絵を描ければ・それでよい ―
   「生活ってが? 食ってぐぐらい、なんとしてもでぎるべ」
   そんな言葉に衝撃を受けた様子の香魚子に、気の毒そうにこういう。
   「描くためだけの絵もあるんでねえか」

   この衝撃の出会いから、香魚子の働きによって
   津軽の画家「ケンさん」こと「常田健」の個展が銀座の画廊で開催されることとなる。
   入場者数もうなぎ上り、作品は絶賛され、彼の名が世に広く知られる事となった。
   そんな異色の画家「常田健」の生涯を描きつつ、
   「ケンさん」と幼い頃に運命の出会いをして、自分も絵描きとなり、
   後に「ケンさん」を「オヤブン」と呼び生涯慕う「ふく」や
   画家の従兄弟、家族、、、彼を支えた人々の人生もそれぞれに、感動的。
   あくまでも小説なので、彼の伝記として描かれているだけではなく、
   香魚子の仕事や恋、父親との葛藤などもスパイスとして加味されているので
   とても面白く、あっという間に読み終わりました。
  
   小説として、人物や設定にも様々なアレンジがされている訳ですが、
   それを踏まえつつも
   こんな画家もいたのか、、、と、人の生き方の有り様に想いを馳せ、
   厳しい自然環境なはずの津軽も楽園となることに、感慨深いものがありました。
   
   著者自身が、「ケンさん」の絵に惚れ込んだからこそ、
   これだけ面白い小説となっているのでしょう。


      わがまま母
   
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母娘旅(箱根編-4)

2014年03月24日 11時08分46秒 | 雑記
             

   箱根2日目の午後
  ロープウエイとケーブルカーで強羅まで戻ってきました。
  温泉でゆっくりする”のが目的の旅でしたが、貧乏性な母と子なもので、
  「せっかく来たんだから、」と色んな所に行って珍しいものを見ようとしてしまう。。。
  そこをグッと抑え、午後はのんびり強羅公園を散歩することにしました。
 
  強羅の登り道をずっと登り続けるのはキツ過ぎるかなと思い、
  強羅駅の手前、公園の一番上あたりの駅で下車してみました。
  少し歩いたら、ちょうど公園の一番上の出入り口!
  ラッキーなことに強羅公園は入場無料♪ (箱根フリーパスを使ったからかなあ?)
  まだ雪の残る時期なので、木々も花々も淋しい公園の風景。
  フランス式の回遊庭園だそうで、バラ園が自慢らしいのですが、
  まだ全然ですからね。なので人が少なくて良かったです。
  上↑と下↓の写真の「ヒマラヤ杉」が庭園のシンボルなのかな~。
        
  係の人に温室のクリスマスローズがお薦めと教えてもらい、温室中心に鑑賞しました。
  庭園の中心にある噴水付近、晴れていて気持ちよかったですよ。
            
      
                   
   里帰り桜(ワシントンからの)→  
        
        
   日本庭園と茶室もありました  
            

   クリスマスローズの温室
        
                 
   他にも、熱帯植物やハーブなどの温室が2、3棟あり、さまざまな植物が楽しめます。
        
              
                     
         
             
                       
                  
     パパイヤ →  

   花言葉がなかなかユニーク(笑)→  
   どういう意味でつけたんでしょうね?
        
         
                 
   さすがに、熱帯植物の温室では汗だくになり、坂を下ると公園入り口にでました。
   きっとバラの時期には大混雑するんでしょうね~。
   広さも程よいし、今回は人も多くはなく、私達はのんびり散歩出来てよかったです。

     母
    
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