遊び人親子の日記

親子で綴る気まぐれ日記です。

花散しの雨

2013年09月23日 13時16分31秒 | 読書
         

   花散しの雨
        みをつくし料理帖     高田郁(著)2009年10月発行

   『八朔の雪』に続く『みをつくし料理帖』シリーズの第二弾。
   一作目と変わらず、ほっこりさせてくれる時代小説。
   今回は、付け火で焼けた神田明神下にあった「つる家」を、
   元飯田町俎板橋そばに再建するところから話が始まる。
   
   相変わらず、美味しそうでヘルシーなお料理が登場し、
   空腹時にはお腹が鳴りそうで困ります。
   澪の奮闘はもちろん、ベテラン「おりょう」と若い「ふき」も
   登場し、新たな展開が、、、といっても、それほど変化は
   ないですが。
   今後は、澪の秘めた恋心の進展も気になります。
   安心して読めるシリーズなので、乗り物の中や
   ふと時間のあいた時などにお薦めの小説ですね。

    わがまま母
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王になろうとした男

2013年09月23日 12時15分22秒 | 読書

   王になろうとした男    伊藤潤(著)2013年7月発行

  日本にとどまらず、世界の王となる野望を抱いていた「信長」の傍で、
  凌ぎを削って出世を目指し奮闘した者、出世とは異なる道を選んで
  生きた者、それぞれの信長との関わり方、生き様の違いを描く短編集。
  
  初めの「果報者の槍」と「毒を食らわば」では、
  信長に使えた同郷二人、
  不器用ながらも武士として無欲を貫いた毛利新助」と、
  出世競争に奔走する「塙直政」の対照的な生き方が、
  それぞれ二人の視点から描かれていて興味深い。
  
  信長本人の凄まじい勢力欲はもとより、家臣団の命を掛けた
  出世争いの熾烈さが痛ましいほどで、
  流行のドラマ「半沢直樹」の倍返しなど可愛く思えるくらいだ。
  
  激しい出世争いに終わりが来るのは必然で、
  一時は豊臣秀吉や明智光秀と並ぶ出世頭となっていた塙直政も
  あっという間に敗者となり、戦国時代の泡と消える。
  そして、出世競争を煽って天下統一した信長も
  また歴史の敗者となってしまうのだが。
  
  世界の王となろうとして怒濤のように駆け抜けた「信長」と、
  彼同様に激しい野望を抱き彼に使える家臣たちの姿が目に浮かぶ
  ようにリアル。
  
  また、上記の「新助」と「直政」の他に、
  モノタバ(モザンビーク)から奴隷として連れてこられ
  信長近くに遣える「ヤシルバ」(やすけ)は、信長との交流により、
  生まれ故郷で王となる夢を持つに到るが悲劇で終わる話や、
  信長に背き、後に茶人となった荒木村重など、
  王になろうとした男と、なろうとしなかった男の生き方の
  対比が信長を軸に絡み合いながら巧みに描かれている。
  著者の挑戦意欲が溢れる面白い時代小説でした。

    わがまま母

   
  
  
  
 








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