tyakoの茶の湯往来

日常生活の中から茶道の事を中心に、花の事、旅の事、そして、本や写真の事など、気ままに書いて見ようと思ってます。

やまとことば 河出書房新社刊

2012-08-26 18:32:48 | 本棚の中から
相も変わらずの暑さです。猛烈な記録的な台風が沖縄に接近中と報道されておりますが、そんな事など嘘のように強烈な太陽が照り付けております。

今日は日曜日ですので、どこへも出かけずに家に閉じこもっていようと思い本棚に・・・手を取った小説は1日では読み切りそうもないので、何かないかと探しておりましたら、買ったことすら忘れておりました本が目に止まり開いて見ると、そのまま読み始めておりました。

初版印刷、平成元年の本ですので、24年前買ったことになります。忘れても無理がない・・・か。                        



やまとことば 河出書房新社刊 ~ことば読本~

この本は、著者はおらず著名な方々の文献の中から抽出してまとめた珍しい本です。こういった形態の本は始めて読んで見ましたが、それぞれの特徴というか特質が出ていて面白と思いました。

「字音語考 丸谷才一」という項では、剣術用語はたいてい和語である。たとえば、構え・足さばき・素振り・払い業・かつぎ業・竹刀・突き・こんな調子だ。

ところが野球用語は圧倒的に漢語が多い。内野・外野・投手・打者・三振・四球・盗塁・暴投・降板といふ調子で、枚挙にいとまがない。

これは言うまでもなく、この対比によって、漢語の多様は実は明治以降の現象で、明治維新前は和語で用を済ませていたことを、じつにわかりやすく示してくれたのである。

こんな風に書かれおります。

また、日本人が外来語を使うのに好意的であるという事も書かれており、それは戦後に始まったことではなく、千年以上も昔からのことであった。

中国の文字である漢字、中国の文章である漢文が日本に入ってくると、日本人は、この借用語を積極的に取り入れた。そして、現代でもその体質は変わらずに、欧米の文化を取り込みながら、私達の言葉や文章になってきている。

もうひとつ、三国一郎さんの「もうひとつ再考」のなかで、関西型の「もうひとつ」には「欠如」(マイナス)のニュアンスがあり、関東型の「もうひとつ」は、「附加」(プラス)のニュアンスを帯びる・・・・。

「もうひとつ」は、今時の若者言葉にすると「いまいち」となるのでしょうか?

この暑い日に随分暑苦しい本を読んでしまったようですが、言葉が言刃にならないようにしたいものです。

コメント
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