tyakoの茶の湯往来

日常生活の中から茶道の事を中心に、花の事、旅の事、そして、本や写真の事など、気ままに書いて見ようと思ってます。

雷様も困った・・

2012-08-02 17:48:26 | 茶の湯
今日も同じ言葉から始まります。兎に角暑い毎日です。

夏のこの時期らしいお茶碗でお茶を頂きました。
平茶碗という夏だけ使用するお茶碗は、片手では持ち難いので、初心者の方は手がぎこちなく見えるし、本人も?と感じると思います。



大津絵 雷の絵

中々面白い茶碗で、お茶が入っておりますと何だか解りませんが、飲みきると何をしているのかが解ります。この茶碗を手にした誰もが、茶碗を手元で拝見しながらニッコリとします。

雷さんが、タイコを落として慌てている様子がいかにも面白い・・・。



お茶を飲みきると。

雷さんの慌てぶりが大きな目玉で強調され実にユニークです。ひと昔前にはこんな絵柄の茶碗など全くありませんでしたから・・・。どの職人さんも、昔ながらの絵柄を踏襲して作品を作り上げていたように思います。現代では、作家さんも増えて、それぞれの持ち味を出さないと売れない時代になっているのかも知れません。



茶碗の側面の絵・海に落としたタイコを引っ掛けて取ろうとしています。

この茶碗も、お茶道具の茶碗の中では、決してお値段の高い物ではありませんが、こうして物語を想像させ、納得させる作品ですから売れているのだと思います。

この茶碗ひとつで、「近頃夕立が来ないな~」「こんな暑い日には一雨欲しいな~」と思っていたのが、「ああ、そうか雷さんがタイコを海に落としてしまって、ゴロゴロと鳴らすことが出来ないんだ~」と、想像が出来ます。そんな事を想像するだけでも楽しいことだと思います。
そうした想像力を働かせるのも、お茶の楽しさのひとつだと思っております。

今夜あたり、雷さんタイコ拾って敲きだすかな・・・。
コメント
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