tyakoの茶の湯往来

日常生活の中から茶道の事を中心に、花の事、旅の事、そして、本や写真の事など、気ままに書いて見ようと思ってます。

床の間に風が吹く・・・

2012-11-30 17:56:00 | 茶の湯
朝からどんよりとした曇り空で、今にも降り出しそうな天気です。

今日も稽古です。

昨日からの稽古に掛けている軸のことを書いて見ようと思います。



巌松無心風来吟

巌松無心風来吟(がんしょう無心風来たって吟ず)は、巌谷の松に風が吹き来て松籟の音が梢々と響く様。

松は元々歌う意志があるわけでなく、風もまた歌わせようとするのではない。しかし、その場の機縁に応じて、深い真理を湛えた音色が響いてくるという、無心の働きを表している。(禅語百科 淡交社刊)

冬の時期にこの軸を拝見すると、荒海の絶壁の孤高の松が、海からの冷たい風に煽られて、鳴いているような光景を思い出します。

師走のような気持ちの慌ただしさが先走るような時期には、あえて、どっしりと構えた老木の松の落ち着いた様を思わずにはいられません。
「何をそんなに急いでいるんじゃね」と・・・・

木枯らしにもわずかに梢を揺らすだけで、人々のせわしそうな行動をニンマリと見ているような気がいたします。



床の間

春から夏では、深い渓谷に突き出すようにある岩に一本の老松が立っていて、谷から吹き上げる風のままにヒューヒュウと枝を揺らしている光景を思い浮かべます。

そんな風に、軸一本を拝見して、様々なことを人それぞれが、自分にあった解釈をすることが、楽しみの一つになるような気がいたします。

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ニシキギの葉が辛うじて・・・

2012-11-29 18:33:29 | 茶の湯
連日真冬のような寒さです。陽が沈むと急激に気温が下るのが分ります。

今日は稽古日でしたので、昼過ぎから茶室の掃除と、落葉がいっぱいの庭の掃除を時間をかけて行いました。落葉も2~3日放って置きましたから、集めた落ち葉はごみ袋に入りきらないほどの量になっておりました。

さて、お稽古です。



織部の花入にニシキギと西王母

ニシキギの葉が落ちておりますが、生けた時は色鮮やかな葉が4枚ありまして、「4枚か・・・数が悪いな~」と思いながら床の間の位置を決めて動かしたらハラッと1枚落ちて3枚になりました。

私の考えている事が分ったのかも知れません。

いつもと変わらない花ですが、椿を選ぶのは大変なことで、鋏を持って椿の木に行きますが、木が大きくなっておりますから、鋏では気に入った花が切れません。かといって、脚立を使うのは大袈裟なような気もいたします。

そんな時は高枝鋏が便利ですが、花を切るには距離がありすぎるような・・・・。花を選び切って見ると枝振りが良くなかったり、蕾に虫の食い後があったり、葉の並びが駄目だったりと、思うような花が切れないことがよくあります。

今日の花も、高枝鋏で切り取りましたが一回で気に入った花を取る事がで出来ました。

もう直ぐ師走ですが、師走になると稽古を月末まですることは出来ませんので、今日から12月分とした稽古を始めました。

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手帳が届くと・・・

2012-11-28 18:16:58 | 日常雑感
朝の寒さは真冬並みになり、蹲に薄氷が張っておりました。ああ冬なんだ・・やっと実感がわいてきました。

今日も大学の稽古は休みでしたので、一日自由に使うことが出来ました。

淡交社から頼んでおいた来年の手帳が届きました。長年使っておりますから使い勝手がよく重宝しております。



来年の茶道手帳 淡交社

この手帳は、お茶関係に必要な事が大まかに掲載されておりますので、予定の記入だけではなく、とても便利に使っております。

たとえば、茶杓の銘など考えると、あれこれ頭に浮かびますが中々決まりませんが、この手帳の最下段のその日に使えそうな、言葉が網羅されております。



会記の記入欄

これはお茶会などに出かけて、入ったお茶席の道具類を書きやすいように表題が書かれております。とても便利です。



源氏香一覧

これなど口では説明できない、かといって、図を書けないなどといった時には一目瞭然です。
そのほか、千家の系統、大徳寺の住職名、十職の歴代など載っておりますので、お稽古の準備などには便利だと思います。

この手帳が届くと、今年も終わりか・・・・そんな気持ちになってしまいます。

最近は1年の終わるのが何だか早いように感じて仕方ありません。
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茶禅巡礼 有馬頼底著

2012-11-27 18:54:15 | 本棚の中から
今日は何という寒さだったのでしょう。風が強かったこともありますが、この冬一番寒さだったかも知れません。

今日は大学の稽古は休みでしたので、自分の時間を過ごすことが出来ました。

知人の庭を器用な友人が作っているとの事でしたので行って見ました。すでに半分以上出来上がっておりました。



隣家との境に建仁寺垣で

建仁寺垣は最も身近な垣根としてよく見かけます。友人が作っているのは、真竹を使って作っておりますので、長持ちすると思います。最近は、プラステックで作ったものが多いようですが、やはり本物がいいですね。

今日は、私の本棚の中から、相国寺管長の有馬頼底老師の「禅茶巡礼」を紹介しようと思います。



頼底老師がアジア各国、チベット・カンボジア・タイ・ブータンなどの仏跡を巡礼された紀行文とでもいうような本ですが、老師の観たもの感じたことを優しく書かれております。

二部構成になっておりまして、後編は、祖師方や日本の中の禅師の事をたくさんの事例を元に書かれております。

お釈迦様から生まれた仏教が、アジア各国でどのように違い、どのように信仰され民衆に受け継がれているかなど実に面白いと思います。
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禅語 円相

2012-11-26 17:59:17 | 禅語今昔
朝から雲が多く、昼前からポツポツと降り出しましたが、本格的な雨にはならず夕方には西の空がほんのりと優しい夕焼けになっておりました。

昨日がロングドライブでしたので、今日は予定をいれずのんびり出来ましたが、そうばかりいっておられませんので、先日の外国からのお客様の時に使用した茶道具や器などをよく拭き清めて箱にしまいました。

気持ちがゆったりしておりますので、今日は禅語の話を書いて見ようと思っております。



円相 円太虚 鷲見透玄老師

円相の解釈は難しく、とても私には説明が出来ませんので何冊かの本の中から抜粋してみました。

円相は禅語でもなく、禅画でもない。しかし、禅のきわめて禅的な表現。(一行物 芳賀幸四郎著)


絶対的な真理の一表現で、語句では説明し難い悟りの象徴。 (禅林句集 柴山全慶著)

お茶の道具は総じて丸みを帯びた円の形をしているものが多いように思います。
また、点前の動作、道具を扱うのにどのように扱うのが美しいか、それは円を画くようにすると点前の美しさが表現されると教えられます。

特に茶道で円相をことの外大事にするのは、自己を忘却して相手の気持ちになり得る心の豊かさを、点前とか道具に表しているからだと思います。
茶道を修ずる者は、この「円」の心を目標として精進努力いたしたいものです。( いっぷく拝見 千坂秀学著)

こんように書かれております。

実に難しい。それでも、茶室の床の間に掛けられるとピタリと収まり、どんな茶室でも落ち着いた雰囲気を作り出してくれます。

写真の円相は、20年?もっと前かも知れませんが、能登旅行に行った時に、総持寺祖院で精進料理を頂き、その折にお願いして揮毫していただいた軸ですので、時々はかけて見ております。

思い出がたくさんの軸ですが、掛けるたびに、あの時、お願いした勇気は失礼だったのかも知れない・・・。

ただ、執事をなさっておりました方が、偶然に同郷であったことからお願いできたのかも知れません。

大切な大切な一本です。
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お墓参り

2012-11-25 21:28:50 | 日常雑感
穏やかな日曜日。早起きして義父母のお墓参りに行って来ました。

行き先は、静岡県御殿場市ですので、順調に行って2時間半といった行程でしょうか。ところが、予想していた通り、河口湖まで大渋滞となりましたが、カーナビの誘導で別ルートを行き、時間通りに着くことが出来ました。




富士山を目指して(車の中から)

知らない町をカーナビの誘導で迂回しながらの運転でしたが、何しろ富士山を目指して運転しておりました。高速道路ばかり走っていると、何だかとんでもないところに連れて行かれるような気がしてなりません。

今のカーナビは凄いですね。時間通りに連れて行ってくれました。

無事にお墓まいりを済ませ、これもいつものお店によって美味しいそばを食べてホットいたしました。



必ず寄る蕎麦屋さん

この蕎麦屋さんは、最近良くテレビに出てくるようになりまして、お客さんが増えれいるようで、今日も満席状態でした。



いつも頼む盛そばに天ぷら

いつもながら美味しかった。

お腹を満たして帰路に・・・。観光する訳でもありませんから、順調に進んでおりましたが、途中から嫌な情報が入り始め、事故渋滞とのことでした。

今度は、下りるに下りられず、そのまま渋滞の列に巻き込まれ、ダラダラと一時間・・・・。



談合坂の大渋滞

ずっと先まで車の連なりが解るでしょうか?

予定より2時間も遅くなりましたが無事到着。

それでも、義父母も喜んでくれていると思います。年2回だけのお墓まいりの一日が終わりました。
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ホットする時に・・

2012-11-24 17:37:39 | 日常雑感
一日中北風が吹いて寒い一日でした。

土曜日の稽古が終ると何だか体の力が抜けるような気がする反面、開放された嬉しさもわいてきます。

可笑しなものですね。



稽古が終って

お稽古が終ると、釜のお湯を出して釜底を洗い清め、炉の火を取った後に、釜を完全に乾かすために掛けなおします。
昔から、「茶室からは火は出ない」といわれておりますが、火の始末にも決まりがありまして、今でも「火消壷」を使います。

昔はよくどこの家庭でも、裏口に火消壷が置いてありました。しかし、今時、置いておく家などないでしょうが、お茶をしている家では、火消壷はなくてはならないものです。

最近の茶会は、防火のために炭火の使用を禁止している施設が多くなりましたが、お茶はやはり、炭火で沸かしたお湯が一番です。

そんな訳で、炭火を許されるお茶会には必ず持って行かなければならない物です。

稽古が終ると、まず釜を片付け、使った道具をすべて元に戻し、使った布巾などもきれいに洗い清めます。

とにかく、お茶の稽古では、使った道具は元に戻すが基本になっております。

そして、すべて片付け終わると皆さんが帰ります。

静かになったお茶室で一服のお茶を喫する楽しさは格別なものがあります。



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疲れた時の一服は・・

2012-11-23 17:05:56 | 日常雑感
朝から降ったりやんだりしておりましたが、お昼ごろからはお日様も顔を覗かせる変わりやすい天気でしたが、予報に反して雨が降り続くことはありませんでした。

今日は所用で出かけ、慌ただしく帰ってまいりましたが、先日のお茶会の道具がまだ片付いておりませんので、少しずつ片付けを始めました。



織部の花入にニシキギ・サツマノジギク

サツマノジギクがやっと咲きました。
例年ですと、学園祭には飾っておりましたので、2週間も遅いことになります。
サツマノジギクは名前の通り、鹿児島地方に自生する野菊で、現在栽培されている菊の原種ともいわれております。



お菓子は一片(ひとひら)

お菓子屋さんが届けてくれたお菓子は一片(ひとひら)だそうで、春には同じ名前で、桜の花びらがありますが、この時期の一片は山茶花か椿でしょうか?

求肥に包まれたみそ餡が何ともいえず、口いっぱいに広がります。

出かけてきた後、静かにお茶室で頂く一服は格別で、疲れた体もそして心もリラックスさせてくれます。

今日も無事に終わりました。
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竜田川と菊の茶碗で・・・

2012-11-22 17:58:37 | 茶の湯
朝晩の冷え込みは一段と強くなって、いよいよ寒い冬になり、もう暖房なしではいられなくなりました。

昨日のお茶会をもう少し書いてみます。



茶碗は竜田川の絵

ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは  在原業平

百人一首で有名な歌ですが、遠い昔から竜田川は紅葉の名所として有名だったので、それがデザイン化されて、茶碗や棗などの茶道具に描かれるようになったそうです。

そんな事から、水と紅葉が描かれた道具は、「竜田川」と呼ぶようになったといわれております。

これは余談ですが、「立田揚げ」という料理がありますが、揚がったところが、色鮮やかな紅葉を思わせるところからそう呼ばれるようになったとか・・・



菊の絵
この茶碗は真葛の作で、大輪の菊を大胆に書き込んだ華やかな茶碗です。

秋から初冬にかけては、このように、紅葉や菊の茶碗や棗が多く使われ、お茶室を華やかに彩っております。

昨日の外国のお客様も、やはり茶碗の絵付けには興味津々だったそうで、大学の担当の先生もどのくらい理解していただけたかと気にしておりました。

でも、きれいな物は、誰が見ても綺麗と感じてくれますから、竜田川の説明など必要ではないと思っております。

紅葉した葉が、枝から離れて川の流れに従って流れ行く様を描いた茶碗。そんな風に楽しんでいただければ一番嬉しいことです。

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外国からのお客様が・・・

2012-11-21 18:52:54 | 茶の湯
朝から冷たい北風が吹く本格的な冬になってまいりました。

今日もお稽古ですが、お稽古の前に外国からのお客様が、お茶室に入って見たいという事でいらっしゃいました。

数日前から話がありましたので、精いっぱいのおもてなしをしようと、皆さんそれぞれの持ち場でしっかりとして働いてくれました。



軸 円相 無余無欠 如太虚 花入 黄薬つる首 善五郎造 花 ニシキギ・西王母 香合 和とじ本 阿山造


お出でになりましたのは、オーストラリアのラ・トローブ大学のシェリル・ディサナカ博士ご夫婦、そして、通訳と大学の責任者の4名のお客様でした。

4畳半の狭い茶室ですので丁度いい人数でした。
12時正午の席入りでしたので、10分前に茶室周りの露地にたっぷりと水をまき、準備は整いました。

12時10分にお見えになり席入りをして頂き、直ぐに軽いお食事をという事で、簡単に食べられる寿司にいたしました。



点心

シェリル・ディサナカ博士ご一行は、今日は大学で講義を行い、23日には、別の場所でシンポジウムを開催するそうで、忙しいスケジュウルの間に来ていただきました。

点心の写真右下の紙は、持ち出す順番を書いた紙ですが、写真を撮る時に気が付かないという慌ただしさでした。

それでも茶室は、珍しい茶道具に喜んでくれたようです。



香合は和とじ本

学校ですので、本の交合を使いましたが、これも珍しく写真をたくさん撮っていったそうです。

1時間ほどで終わり、喜んでお帰りになりました。

そして、後片付けをして、いつものようにお稽古をして帰ってまいりました。

疲れた~。

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