さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

内山快勝、河野熱闘 充実のダブル世界戦

2013-05-06 22:47:42 | 関東ボクシング

ただいまTV放送を見終えました。ディレイだったみたいですね。
まあしかし、どちらも見ごたえ十分の試合で、視聴率高いといいなぁ、と思える二時間でした。


河野公平はリボリオ・ソリスに0-2判定で敗れ王座を失いました。
河野、敗れたとはいえ、懸命な闘いぶりで、見る者を惹きつける熱戦だったと思います。

暫定王者で1位のソリスは、序盤見たところ、力を入れて打つ強打者で、
これは強い間は強いが、スローダウンするのも早い、河野が我慢して序盤を乗り切れば
中盤以降、河野に流れが来る、と感じました。

しかし2回に劣勢と見えた河野が右を決めてダウンを奪う。思いのほか早い逆襲。
後から思うに、これが良かったのかどうか、と思いましたが、ここから両者の打ち合い。
序盤はダウン以外はソリス若干優勢。中盤は河野が攻勢。案の定ソリスが落ちてくる。

ただ、河野も攻めているがフィニッシュには持ち込めない。
ここで意外にもソリスが少しずつよみがえってくる。セカンド・ウィンド、というやつか。
8回あたりから足を使い出し、お世辞にもこなれた感じには見えませんが、アウトボクシングする。
この回左で河野を倒し、終盤も完全ではないにせよ、互角の打ち合い以外の時間帯において、
なんとなくジャブを出しては、捌くというでもなく、ペース掌握とも言えないけれども、
試合展開構築の意志は我にあり、みたいな感じを醸し出す。
採点表見ていないので終盤の数字は分かりませんが、
これが終わってみれば採点に影響したかな、という印象でした。

しかし河野の闘いぶりは、終始見せた懸命さ、以前よりずっと増えた好打と、
ずっと減ったラフな行為のおかげで、素直に「頑張れ」という心境でいられる、好ましいものでした。
これも勝敗に響いたローブローの減点など、問題もなくはないですが
(このせいで、普通のボディブローまでもが採点上、辛く採点された可能性もあるでしょう)、
全体的に見て、初防衛戦で、まあ1位に相応しい選手だったかどうかは置くとしても、
なかなかの強敵相手に、立派な闘いぶりだったと、称えたいです。

惜しいというか、タラレバを言えば、勝負どころがもっと後だったらどうだったかな、と。
ダウンを奪い返すのがもっと後だったら、その流れで河野の押し切り勝ち、になったような気もします。


内山高志は、ランクの数字よりも強いな、という印象のハイデル・パーラに完勝でした。

序盤、内山よりも一回り大きく見えたパーラの、踏み込みの良いジャブが目を引き、
これはけっこ強いな、大変かも、と思ったんですが、2回には早くもパターンを読んで
左右を打ち終わりに合わせていく。おお、やっぱさすが、と、見ているこちらはこの時点で安心。

4回からさらに好打が増え、5回、ロープ際でパーラが伸びあがったせいで、普通のボディが
ベルトラインに入ってしまい、休憩があったあと「このあと、下打ちにくいかな」と思った私の
凡人のスットコな感覚を嘲笑うかのよな、左のレバーブロー。

あれ、聞いた話だと、腹が痛いというのはまた違うらしいですね。
肝臓をきつく打たれると、脇腹を起点に、それこそ頭のてっぺんから足の先まで、
刺されたような激痛が走って、なかなか収まらないんだそうです。
試合後、セコンドが背中とか肩とかをさすってはりましたが、
あの辺にも痛みが走っていたんでしょうか。
仮にも世界戦に出てくる、そして実際けっこう強そうに見えた、
中南米の上位クラスのボクサーに対してこんなことをいうのもなんですが、
本当に見ていて気の毒、可哀想なくらいの苦しみようでした。


内山高志、そんなことで終わってみればまたも完勝。
世界のスーパースタークラスが、スーパーファイトの合間に、少し知名度や実績は落ちるけど、
もちろん普通よりはずっと強そうな相手とやって、でもやっぱりレベルが違って一蹴してしまう、
そんな風な試合と似たような印象を持つ試合でした。

なんというか、こういう盤石がトランクス履いて試合してるような王者の存在というのは、
本当に有難いというか、得難いというか。
試合見終えて、こういう王者もいつか王者でなくなる日が来るのだろうけど、
それがいったいどういう形でやってくるものなのか、想像出来へんなぁ、
でもそうなったときの喪失感って、ものすごく大きいんやろうな、とか、
今まさに勝負を賭けた闘いがあったばかりだというのに、ちょっと場違いというか
時と場合を外した感慨を抱きながら、大歓声が湧き上がるTV画面を見ていました。

内山高志、本当に強いですね。この王者の存在は、もっと多くに知られ、称えられるべきものでしょう。
次は指名試合か何かになるんでしょうが、ユリオルキス・ガンボアか、それに匹敵するクラスの相手との
大きな試合をそろそろ見たいものです。現実を無視して言えば、ガンボアがライト級に去るというなら、
フェザー級のミゲール・ガルシアとの対戦なんて、見てみたいものですねー。


コメント (2)
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