角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

共に過ごした証し。

2010年02月09日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ25cm土踏まず付き〔四阡五百円〕
紺基調の半纏プリントをベースに、合わせは紺の唐草です。
同系色合わせの典型例のこちら、和が活きていてかっこいい草履と思います。やはり貫禄のあるお父さんへお勧めでしょうか。

たった数日でこれだけ違うものかと思う、今日の角館の天気です。夜半から降り始めた雨が今朝まで続き、先日来の大雪が一気に減りました。さらに気温なんですが、今日の最高気温は6℃。昼ごろからは青空が広がり、屋根からかなりの雪が滑り落ちていました。
4、5日前の今冬一冷え込んだ日と比較すれば、14℃もの差になります。これに適応するんですから、人の体というものはよく出来ているものですね。

具体的な土地は聞き漏らしてしまいましたが、県内からお越しの女性四人様。草履コーナーを見つけた時点では、『ほかも見て、もしかしたら草履にしよっ』。どうやらなにかの記念品かお土産を探しているように思いました。
しばらくして戻って見えた四人。うちの代表格と思しきおばさまが、『よしっ、みんな好きなの選んでっ』。50歳代と思しきおばさまがおふたりに、あとのおふたりは学生さんとも思えるお若い女性です。それぞれ母娘ペアさんとはちょっと違う気がして訊ねてみました。

お若い女性おふたりは東京に暮らしていて、なにかの研修で秋田にお越しなんですね。そしておばさまおふたりは、彼女たちの秋田での生活をお世話していたわけです。今月15日には研修を終え東京へお帰りとのこと。秋田の思い出におふたりへプレゼントを探していたというのが、事の次第でした。

であればおふたり分で良さそうなのに、結局おばさまもそれぞれお気に入りをお選びくださいました。プレゼントというよりは、秋田で一緒に過ごした縁を四人同じものを持つことで、想い出に刻みたいということなんでしょう。
草履を胸に抱いたお若い女性おふたりの笑顔、草履職人もしっかり心に刻みましたよっ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする