角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

余生は北国。

2010年02月22日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
ピンク基調の南国プリントをベースに、オレンジを三本配してみました。
南の国にはオレンジというのが良く似合いますね。明るく楽しくなるような配色は、むしろ中高年のおばさまにお勧めしたいです。

南国ほどではないにしても、今日の角館は朝からすっきり晴れ上がりました。放射冷却現象で朝の冷え込みこそ格別ながら、昼の時間ずーっとお日様が射すのは気分のイイものです。
今晩これから雨になるようですが、明日はまた回復基調とのこと。週間予報を見ても真冬日はもう一日もありません。春は目前ですね。

岩手県雫石町と都内にお住まいというおともだち、おばさまおふたりがお越しでした。都内のおばさまは角館が大好きで、もう4~5回目とおっしゃいます。雫石と角館は電車一本、各駅停車で一時間ほどでしょうか。比較的近いところにおともだち宅があることで、角館の常連さんというわけですね。

雫石にお住まいのおばさまが草履を気に入ってくださり、ご自分用をお買い上げくださいました。
こちらのおばさまが話す言葉にも、岩手訛りはありません。『やっぱり元々は東京ですか?』とお訊ねすると、『生まれは沖縄。東京で30年暮らして、主人の実家に来たっていうわけよぉ』。
沖縄→東京→岩手、だんだん寒いところへ移動してるんですね。

おばさまは続けます。『こんな雪の多いとこ初めてよぉ。まだこっちへ来て一年なんだけど、ぜんぜん慣れないわぁ』。私が、『やがて“住めば都”になるでしょ』と笑うと、『まぁ10年もかかればねぇ。あっ、10年も経ったらもう死んじゃうんじゃない!?』と大笑いでした。
生まれてから若き日が沖縄、これまでの人生のほぼ半分が東京、そして終の棲家が岩手。確かに体力が弱ってから初めての北国暮らしは、「明るい未来」とばかりは言えないかも知れませんね。

私はおばさまに、2009年12月24日のブログでご紹介したご夫婦のことを教えました。角館歴史案内人として活躍されている奥様とは、先日の「蔵めぐり」でもお会いしています。寒さなんてどこ吹く風、今年も元気に活動されることでしょう。
雫石のおばさまも、その明るさは見事なものでした。角館までの距離を思うと、これから幾度となくお会いする気がします。

コメント
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