角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

次はぜひ「フリー旅」で。

2010年02月19日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き〔四阡円〕
茶の唐草をベースに、合わせは黄土色基調の和柄プリントです。
シブくお洒落に決まりましたね。男性でもいけるよう24cmにしてみました。案外こうした配色は女性がお選びになるケースも多いですから、どんな方がお買い上げになるか私も楽しみです。

今日も暖かい日差しに包まれた角館です。朝から日光に照らされるのは、ずいぶん久しぶりのような気がしますね。散策のお客様も、『旅行中ずーっと天気に恵まれてるのっ』。確かにここ数日の当地は、まずまず穏やかに過ごしています。
ただし屋根から落ちる雪や氷も多くなってきました。軒先に入るときは充分な注意が必要です。

西宮家でお昼ごはんを食べるツアーがあります。予約のない日もときにありますが、おおむね週五日くらいはお越しでしょうか。西宮家の散策というより昼食がメインですから、たいして長い時間は予定されていません。食事を終えて米蔵をのぞきに来るときは、バスの出発時刻まで残り10分なんてこともあるんです。米蔵の中は中高年の女性が好む商品が多数あるため、『もう少し時間があったらねぇ』なんてボヤきながらバスに向かうお客様が何人もいますよ。

一昨日は私が知る限り、最も時間の少ないパターンでした。草履コーナー側の出入り口から入って見えたときは、すでにバスの出発時刻に5分とありません。みなさん米蔵の中を走るように見て回ってましたね。
そんな中にも角館草履に関心を示してくださるおばさまがいて、『24cmをひとつもらって行くわっ』と言いながらカバンの中の財布を探しています。『色はどれにします?』の言葉にも、『う~ん、時間がないからこれでいい』。目の前にあったすぐ手に取れる草履をお選びでした。
お買い上げは嬉しいにしても、もっと草履の話をしたかったですねぇ。

このツアーには「お弁当付き」と「フリー食」の二通りがあります。「お弁当付き」というのは西宮家があらかじめお弁当を用意しておくタイプで、「フリー食」というのは西宮家のレストランや界隈の飲食店で、好きなものを自由に食べるタイプです。お弁当を食べる人は西宮家の外へ出ることはないのですが、フリー食の場合は外へ出ることがあります。すると心配なのは、バスの出発時刻までちゃんと戻ってくれるかなんですね。

昨日この心配が的中しました。フリー食で外へ出てしまったふたりが、バスの出発時刻に戻らなかったんです。ケータイ番号を知る人がいなかったのでしょう、西宮家のスタッフがフル稼働で辺りの飲食店を探し回っていました。
そして20分後、無事に戻られたふたり。お客様全員を乗せて、次の目的地へ向かったそうです。

ところでこちらのふたり、どこへ行っていたのかと言うと、今見学してきたばかりの武家屋敷通りへまた戻っちゃったんですね。ツアーの良さも分かりますが、かねてから草履職人が言うように角館は自由に散策することで良さが分かる街です。5分で草履をお買い上げくださったおばさまも、バスの出発時刻を忘れて散策したおばさまも、次はぜひフリーの旅をお勧めします。

コメント (2)
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