角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

あきらめた登山。

2010年02月05日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡円〕
夜桜をベースに、合わせは金です。
定番配色⑧の「夜桜にエンジ」は通年編むのですが、この金という色は実にイメージを変えてくれます。厳かな美しさとでも言いますか、なかなか魅力がありますね。中高年のカリスマ美女を自認される方にお勧めしましょうか。

またまた冷蔵庫以下の生活が続いています。一昨日今冬の最低気温を記録し、昨日も今日も真冬日でした。そして明日は真冬日のうえに、猛吹雪の予報が出されています。
日曜日は次第に回復し、週明けからは最高気温がブラス5℃までになるそうです。今が今冬最後の大暴れなのかも知れませんね。

東京からお越しのおばさまひとり旅。さすがにこの時期の散策ですから、防寒対策はバッチリとお見受けしました。それでも少し大げさなくらい、冬山登山でもするかのようないでたちです。『寒い角館にようこそっ』とお声を掛けると、『森吉山に登ろうと思って来たんだけど、ちょっとこの雪じゃあ無理ねぇ』。あらら、ほんとに冬山登山でしたかっ。
寒いだけなら覚悟の上でしょうが、今日は午後から吹雪になっていました。山の上ならましてヒドいでしょう。おばさまはひとまず登山をあきらめたとおっしゃいます。

角館草履には関心をお示しでした。『これは伝統のあるものなの?』からはじまり、『なんでまた草履を編むようになったの?』といった具合に、興味の湧いた事柄は積極的にご質問されてましたね。
試し履きをお勧めすると、『う~ん、登山靴を脱ぐのもたいへんだし、厚い靴下二枚履いてるのよ。いずれ森吉山のリベンジを果たすから、そのときにするわぁ』。

実演を眺めながら、『そのうち有名人になるかも知れないから、今のうちに写真撮ってイイ?』と、何枚かお撮りになってお帰りです。
この吹雪の登山をあきらめて良かったと思いますよ。もし強行して遭難・救助なんてことになったら、超有名人になるのはおばさまのほうだったでしょう。

コメント
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