角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

次は満開の角館で。

2012年04月26日 | 実演日記




今日の草履は、彩シリーズ23cm土踏まず付き〔四阡六百円〕
こちらも同系で揃えた配色です。ベースにチラリと見える白い部分が、涼しさも感じさせてお洒落ですね。紫色と組み合わせて、どちらかといえば中高年のおばさまにお勧めでしょうか。
淡い紺と白の和柄はこちらです。



武家屋敷通り樺細工伝承館前の枝垂れ桜が、数輪開きました。外町では西宮家田町側向かい、市情報センターの枝垂れ桜も咲き出しています。
角館はソメイヨシノよりも枝垂れ桜のほうが、ほんのわずか早く咲きます。武家屋敷通りの枝垂れ桜が三分咲きほどになると、檜木内川堤のソメイヨシノが咲き始めとなるわけです。

今日も「桜ざんねん旅」が一日続きました。昨日のおばさまじゃないですが、中途に赤い蕾を見せられるとむしろ悔しさが増幅されますね。『もぅ、あとちょっとじゃな~い』の言葉は何人から言われたか分かりませんよ。

お客様の人数も日を追うごとに増えてきました。ご夫婦でお揃い配色をお買い上げのご主人は、『まだ咲く前だってのに、武家屋敷にはずいぶん人がいたよ。これが満開になったらスゴいんだろうね』。
実演席で日々話している「角館の桜」について、ここであらためてご説明します。

先日「桜トリビア」としてご紹介した檜木内川堤のソメイヨシノ。400本2キロメートルに渡る桜のトンネルは、「国の名勝」に指定されています。
一方、武家屋敷通りの黒塀に映える枝垂れ桜。162本が「国の天然記念物」に指定されています。

角館を知る方はご存知でしょうが、このふたつの「国指定」は徒歩1分くらいしか離れていません。
前述のようにソメイヨシノと枝垂れ桜はほんのわずかズレて咲きますから、双方が満開というのはおそらく二日間か三日間のものでしょう。これを観た人は、そりゃあ大満足するわけですね。

「国指定」の桜がふたつ、同じ日に歩いて1分で観られる。桜の名所も数ある中で、さすがに角館のようなところはなかなかないでしょう。それゆえ、人の多さも覚悟しなければいけません。桜まつり期間に角館を訪れる人の数は、おおむね人口の100倍に相当します。旧角館町1万5000人に対し、150万人ですね。

「桜ざんねん旅」のお客様とは、この話を一日に何度もしています。それほどの桜ですからリベンジを果たして欲しい気持ちと、もう一方で今だからこそ角館人とゆっくり話が出来ることを伝えたいわけですよ。するとお客様は、しっかりご理解くださいます。

『体に気をつけて頑張ってくださいねっ』。この言葉は、「桜ざんねん旅」のお客様によく言われます。私がお返しする言葉は、『次は満開の角館で会いましょう』。
コメント
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