



小磯記念館のツリー (12-12-20)
今晩はクリスマス・イヴ、繁華街に出ていないので分からないのですが、昔のよ
うな、クリスマスの大騒ぎは影を潜めたのではなでいしょうか?夜の街も、近頃
は日曜祝日はお休みでしょう? 社用族華々しい頃と違っているのでしょう。
私たちは、今年の寿司の食べ納めと、芦屋に行ってきました。クリスマスとは場
違いだと思うのですが、案外子供連れが多かったですよ。小さい頃から、こうい
うお店にこられる子供って、幸せなんでしょうね。
私も小さい頃から、おすし屋さんに連れて行ってもらいましたが、今のお店と違う
ところは、ネタのケースとカウンターの間にちょろちょろと水が流れる水路があつ
たんですよ。それはおすしは手でつまみますからね、その指先をその水で洗うん
ですよ。小さかった私は、お寿司よりも、その水に手を付けて遊ぶのが好きだっ
たような気がします。
職人さんが3人いましてね、一人手順の悪い人がいるんですよ。今日はその人
に当たりましてね、一人6人づつぐらいの受け持ちなんですけどね。おたおたし
てね、注文しにくいこと、疲れましたよ。
やっぱり行くなら、土曜日がいいかな? 大将は土曜日しか出てないんですよ。
空いた席に順番ですから、大将の前とは限らないのですが、私たちは始めに刺
身を頼むのですが、大将ですと、その日の珍しいものを見繕って出してくれるん
ですよ。余裕があるから、話も弾みますしね。
ともあれ、お寿司を食べにいける元気を持って、越年できそうです。ありがた
いことです。
銀狼王 熊谷達也
主人公・二瓶は鉄砲で猟をする仙台藩の狩人だ。二瓶が山立(やまだち マタ
ギと同じクマや鹿を追う山の神への信仰を持った猟師)猟師になったのは、水
のみ百姓の三男だったからだ。結婚をし女の子を得るが、風邪をこじらせて死
んでしまう。それを悲しんだ、女房も又あっさりとこの世を去る。
領主が国替えで、蝦夷(今の北海道)に行く時、領主直々のお声が掛かった。
二瓶はそれほど腕の立つ猟師だった。
二瓶は一人で猟をする事を好んだ。技法は、アイヌに学んだ。例年通り狩に出
る途中、なじみのアイヌの長老の家を訪ねた。そこで「銀」の噂を耳にする。「銀」
は普通の狼より大きいと言う。アイヌは狼を大神(おおかみ)とあがめることが
あるので、大きな狼「銀」は神であるという。
二瓶は「よし! 是だ!」と思い。「銀」のみを探すことにした。友は長年の相棒犬
「疾風」のみ。「疾風」はクマ狩りには果敢であるが、どうしたことか「狼」は
苦手らしい。
「銀」は頭の良い狼で、二瓶が舌を巻くほどである。二瓶と「銀」の知恵比べ、つい
に「銀」をしとめるまでの物語である。
登場する人間は二瓶とアイヌの長老のみ。描かれているのはその追跡する山の
描写と、憶測する「銀」の頭の動き、それを迎え撃つ二瓶の心の動きのみ。
『狩りは、狩人と獲物とのあいだの知恵比べだ。知力に勝るほうが勝つのが基本
である。しかし、勝敗の行方は、ウンに大きく左右されることも二瓶は知ってい
る』
狼の夫婦は、離れることはない、二瓶の弾に傷つき、動けないに女房(黄色い毛
の狼)の側を離れることはなく、2匹の二人の子供(成狼)を使って戦いを挑んでく
る。二瓶は子供を撃ち殺し、黄色い毛の女房も息絶え他の地、「ぎん」と勝負する。
二瓶の左手は腐るのみ(噛みつかれる)、しかしどうにか「銀」を仕留める。「疾風」
は狼の策略に掛かり、後ろから襲われて、腹を食いちぎられて果てている。二瓶
は「きっと敵をとってやる!」と誓う。残った右手で、「銀」を引きずりつつ、意識朦
朧しながら、アイヌの家までたどり着く。と言うところでジ・エンド。
この作家のものは2.3冊以前に読んでいる、マタギ(クマ狩り)の物語だった。
この本を読んで益々ファンになった。自分の人生は一度きりだが、小説を読むこ
とによって、読んだ数だけの人の人生を感じることが出来る。本当に読書が好き
でよかった、という思いを増した本でした。