ちいさな幸せ

幸せの基準ってある?
それは自分の心の中にあると思う。
私は何時も陽だまりのような幸せの中に居た。

八日目の蝉

2012年02月15日 | 読みました

          「サイネリア」   神戸・サンチカ   (12-2-14)


今日もどんよりとした、暗~い一日でした。今日はゴミだし以外は引きこもり
の一日でした。テレビで、咲き始めた「梅」を見ますと、大阪城公園に「梅見」
に行きたいな~と思いますが、こんなに寒いと、冷えるな~と日の差す日が
待ち遠しいです。


       八日目の蝉     角田光代(かくだみつよ)

第132回直木賞を初め5つも、色んな文学賞を取っておられるのに驚きまし
た。未だ30代という若さなんですよ。

この本のことは映画で知りました。映画も観たいと思っていたのですが、チャ
ンスを逃して、観ていません。

希和子は不倫相手の子供(薫と名づける)を誘拐して3年半。住まいを転々と
しながら、わが子として育てる。

世の中から隠れるようにして、分けありの人たちが生活している「エンジェル
ホーム」には入る。全てを捨てるようにと誓い、預金通帳も、名も捨てて、ホ
ームの一員となる。年月がたつうちに、ホームにいる「娘を返せ」「金返せ」
と外部が騒ぎ出し、警察の手入れがある事を知った希和子は薫を連れて逃
げる。同室の久美が、自分の小豆島の実家の住所を書いた紙を握らせる。

行く当ての無い希和子は小豆島に流れて久美の実家で働かせてもらう。ここ
までは警察のても届かないがと思いつつも、学齢期になれば、戸籍の無い薫
はどうなるかとの心配もする。

祭りの夜、カメラに写らないように用心していたのに、知らぬ間に親子は写さ
れて、その写真が、全国紙のアマチュアカメラマンを対象にした写真コンテス
トの佳作に入って、新聞に載ってしまう。

希和子は絶望した。取るものもとりあえず、薫を連れて、岡山に逃げようとす
るが、フェリー乗り場で捕まってしまう。

戸籍名、恵理菜は実の両親の元に返されるが、妹が生まれていて、どうも老
親としっくり行かない。中学になった頃から、自分が誘拐された子である事を、
それらの事情を知りたくて、図書館に行って調べる。そして全ての事を知る。

両親の反対を押し切って、大学に入学すると、一人暮らしを始める。そこで誘
拐犯の母と同じ、妻子ある人と不倫関係に陥る。妊娠する。

その頃「エンジェルホーム」で一緒だったという千草という女性が訊ねてきて、
恵理菜の事を小説に書かせてくれと言う。初めは気乗りしなかったが、同意す
る。千草が「エンジェルホーム」や「小豆島」に行ってみようという。

岡山のフェリー乗り場の待合で、恵理菜と希和子は何も知らず同席する。希和
子は刑を終えてから『小豆島」に行こうと岡山まで来た物の、如何しても乗船
できず、岡山で働いている。会社の帰りに、いつもフェリー乗り場に来てみるの
を日課にしている。

希和子の目に小豆島に行く船に乗り若い妊婦が写っている。「小豆島の実家
にでも子供を生みに行くのかな~」と思って見送ったその女性がイチバン会
いたい薫(恵理菜)であるとは、神ならぬ身の知るはずもなし…。

11月に小豆島に行ったばかりで、「天使の散歩道」「瀧湖寺」とか、色々知
っていますので、各々の場面を身近に感じました。





コメント
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