ちいさな幸せ

幸せの基準ってある?
それは自分の心の中にあると思う。
私は何時も陽だまりのような幸せの中に居た。

ストーリー・セラー

2012年02月09日 | 読みました

            紅葉した 我が家の「サボテン」     (12-1-30)


朝6時、真っ暗だった空が、少しずつ青くなって来ましたよ。お星さまも、見
える数が減って来ました。新聞を取りに出て、私は深呼吸をします。笹川さん
の真似です。肌がぴりりと引き締まるような寒さの中、汚れていない空気を胸
一杯に取り込みます。そうしておいて、体操に臨みます。

冬ってこんなに寒かったかい? と思うぐらい寒いですね。暖かい部屋にいま
すと、戸を一寸開けただけでヒヤッとします。

今日は一日中家に居ました。たまっていたビデオを見たり、本を読んだりして
過ごしました。昨日、映画の帰りに買って来た美味しいドイツ菓子をたべなが
ら…そりゃ太るわね~。デモね1月の風邪で3キロ痩せて、それをキープして
います。辛い風邪をやり過ごしたご褒美かな?


        ストーリー・セラー     有川 浩

面白い題名だな~、「物語を売る人」って「小説家? それとも出版社?」

有川さんの本は、先日読んだばかりです「県庁おもてなし課」を…。

小説はside:Aとside:Bに分かれています。side:Aは初めに書かれたが、1冊
の本にするには、もう1つ書いて欲しいと言う、出版社の要望から生まれたの
が、side:Bです。

AもBも主人公は妻が作家で、Aはその妻が死に,Bではその夫が死ぬと言
物語。

「side:A」 の方は女主人の作家が、作家としては致命的な、物を考えると命
が縮むと言う「致死性脳劣化症候群」と言う病名の世界でたった一人の病人。
複雑な思考をすればするほど彼女の「生命を維持するために必要な脳の領域」
は劣化する。

「治療の方法は無い。悪化させない為には勤めて物を考えないこと。テレビを
観るのはいい。映画を観るのも、本をよむのも。だけど『ああ面白かった』でお
わること。何処が面白かったか、如何面白かったかは考えてはいけない。会
話もしていい、だけど『議論』になっちゃいけない」と夫は告げる。

彼女の絶筆は「あなたがすき」と言う言葉を数十回繰り返したものだった。

「side:B」の方は、「作家の夫が死ぬ物語にしよう」と夫が提案、作家が受け
入れる。

二人は社内結婚。ふとしたことから男が女の作品の熱烈なるファンである事を
知り、思わず、その作家が自分である事を喋ってしまう。お互いに心引かれ結
婚する。

作家生活に専念するようにと退社を進める。夜型の作家生活を夫が家事を支
える。至れり尽くせりにも程があると思い、作家は夫に言う「…甘やかしすぎだ
よ、ちょっと」夫は答える「相手に求めることが少ないのはもともとの性格なの」

夫が交通事故で入院生活に入る。そして、ガンが見つかる。実母と姑からそれ
ぞれ「良かったら明日、留守番しとこうか」「貴女はだらしないから家の切り盛り
と病院の付き添いは両立できないでしょう」と。病気の彼とは恐ろしくて向き合
えないけれど母親達も役目が欲しいのである。それぞれ自分の子どもに対して。

夫は元気だったときに、「死ぬ前には、親しい友とは会ってから死ぬ」と言って
いたとおりに、友人とそれぞれの最後の別れをする。

と言う物語。近頃の小説は理解するのに、少し時間が掛かる。思いがけない
発想であり、展開が在るから。まぁこれも頭の体操になるでしょう。


コメント
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