ちいさな幸せ

幸せの基準ってある?
それは自分の心の中にあると思う。
私は何時も陽だまりのような幸せの中に居た。

そうか、もう君はいないのか

2011年05月12日 | 読みました

      「藤」   宝塚・花の道の側で…     (11-4-19)


この3日ほど雨ばかりで嫌になります。でも一寸嬉しいこと?もあったのです。

ガスコンロがとうとう壊れてしまいました。もう何ヶ月かの間にだんだん火の付が
悪くなって、とうとうつかなくなりました。レンジは3つ口ですからあと二つあるので
すが、左を集中して使うものですから、壊れました。

仕方がないので、右を使っていたのですが、隣が壁と言うこともあって、実に使い
にくい、思い切って買い換えることにしました。

ガス・ショップに行きましたら、幸運にも入り口に「ガスレンジ40%引き」と書いて
ありました。

契約をしたのですが、「製品が震災地に重点的に送られる事になっていますので、
入荷次第ご連絡いたします」と言われました。3日後の昨日我家に新しい『ガスレ
ンジ」がやって来ました。

「ガラストップ製品」を購入したので後片付けが簡単で、タイマーも付いているの
で、便利に使えます。「畳」だけではなく、何でも新しいものはいいですね。

オール電化の呼びかけにフラフラとなびこうかと思ったのですが、原発問題が起き
ています。反原発運動が盛り上がるかもしれないと考え、ガスレンジにしました。

オール電化でお客さんを奪われたでしょうガス屋さん、お客が戻ってくるかも知れ
ませんね。ここにも原発問題で得する商売がありました。そんなものですよ世の中
って!

         そうか、もう君はいないのか    城山三郎

このご本は、唱歌の学校の八田さんが貸してくださいました。

城山さんの作品も何冊か読んでいます。この本は題名が示すとおり、なくなった奥
様に話しかけて、「あ~そうだ、もう君はこの世に居ないのだ」と思われた気持ち
をそのまま題名にされたようです。

私は母を亡くした頃の事を思い出しました。母が亡くなってしばらくの間は、何か
嬉しかったり、悲しかったりした時、「帰ってお母さんに話そう!」と一瞬思うので
す、そして「あ~もうお母さんは居ないんだわ」と思ったことが何度もありました。

奥様は容子さんとおっしゃいます。容子さんとの出会いから、結婚、その生活と書
き綴られているのですが、城山さんの自伝と言うよりは、容子さんとの接点の自伝
と言うものでしょうか。

「文學界新人賞」を貰ってから何かと忙しくなり、それを避けるために、茅ヶ崎に転
居し、電話も引かず、気の赴くままの生活に入った。「直木賞」受賞した時も、第一
報は近所の八百屋さんの電話番号をしらべ、そこからしらされて、文芸春秋からの
正式な通知もやっぱり八百屋さん経由だったそうです。

容子さんとの別れはこの様に記されています。

『あっという間の別れ、と言う感じが強い。
癌と分かってから4ヶ月、入院してから2ヶ月と少し。
四歳年上の夫としては、まさか容子が先に逝くなどとは、思いもしなかった。もち
ろん、容子の死を受け入れるしかない、とはおもうものの、彼女はもう居ないのか
と、時折不思議な気分に襲われる。容子がいなくなってしまった状態に、私はうま
く慣れることが出来ない。ふと、容子に話しかけようとして、われに返り「そうか、
もう君は居ないのか」と、なおも容子に話しかけようとする。』

城山さんは容子さんの死後7年間、一人で暮らした後、容子さんの元に旅立たれました。

     
     




コメント
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