緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

安い、便利な食品は危ない

2020-02-08 21:07:08 | グルメ
このところ、食品の安全性について関心を持っている。
理由は、アレルギーと思われるのだが、体のあっちこっちがかゆいのだ。
このかゆみで夜中に目が覚めてしまい、それでなくても短い睡眠時間がさらに短くなってしまい、しまいには仕事中に何度も睡魔に襲われるようになってしまった。
木曜日の夜は2時間くらいしか眠れなかった。
これはまずい。なんとかしなければ。
そんな中、いろいろと原因を調べていくうちに、このかゆみの原因が食品にあることがわかってきた。
まずは、パンの原料である小麦が原因らしいことが分かった。
小麦に含まれるグルテンという物質が悪者のようなのだ。
また菓子パンに含まれている大量の植物油脂、ショートニングなどのトランス脂肪酸というヤツだ。
このトランス脂肪酸は、欧米先進国では既に健康に危険を及ぼすものとして使用禁止または制限がなされているが、日本はまだ規制されていない。
今まで休日の朝は長年菓子パンだった。
この事実を知ってから米粉パンに替えた。
米粉パンも味と食感はまんざら悪くもない。ねばりがあって結構おいしい。
次に考えられる原因としては、コンビニなどで売られている弁当、総菜、パック入りの加工食品であった。
これらの商品には大量の食品添加物が混入されている。
パッケージの原材料表示を見れば、どんなものが混入されているかが分かるが、実は表示されていない食品添加物が他にも大量に使用されていることが分かってきた。
その裏の事実を教えてくれたのが、安部司著「食品の裏側(東洋経済新報社)という本だった。
著者の安倍氏は大学卒業後、添加物商社に勤め、その業界では第一人者言われるほどのエキスパートまで登りつめたが、ある日、家族との食卓で、幼い子供たちがおいしそうにミートボールを食べているのを見て突然、それを制止し、その日は一睡もできないほどこれまでの自分の考え方に疑問を持ち、その翌日にはついに会社を辞めてしまったという。
何故、ミートボールを食べることを止めさせようとしたのか。
驚くべきことに、そのミートボールは安倍氏が開発し商品化したものだった。
そのミートボールは、本来、産業廃棄物として捨てられる運命にあったくず肉に、大量の化学調味料と食品添加物を投入して、いかにもおいしそうに作られたものであった。
食品添加物の恐ろしさを知り尽くしていたからこそ、このような決断をしたのだと思うが、食品メーカーが儲けのために、危険で安価な輸入食材に大量の添加物をじゃぶじゃぶ投入して、見栄えをよくしたり、保存期間を長くしている現実をこの本で知ってしまうと、恐ろしくて加工食品などは買えなくなってしまう。
安倍氏は、添加物を大量に使用している加工食品として、次の5つをあげている。
・明太子
・漬物
・練り物(かまぼこなど)
・ハム
・ソーセージ

このような加工品を作っている会社の社長が自ら、うちの商品は買ってはいけないよ、などと言っていることもあったという。
注意しなければいけないのは特売で販売されている加工食品だ。
安さの裏には表に出せない裏事情があると思っていい。
90年代の半ば頃に、やけに安いうなぎのかば焼きがスーパーで売られていて、たくさん買って食べたことがあったが、そのウナギは中国産だった。
おそらく薬漬けにされたウナギであったであろう。
加工食品だけでなく、袋詰めされたカット野菜やコンビニで売られているパック詰めされた野菜サラダなどに使われている野菜は、大量の薬品が入ったプールに漬け込まれたものだという。
その現場で働いている人は、その商品は絶対に買わないという。
こういうカット野菜が不自然なほど傷まないのは裏にこういう現実が隠されていたということだ。
こういう食品を便利で長持ちすると言って、頻繁に何年も食べ続けていたら、いつかは健康被害が表れてきても不思議ではない。

このような添加物まみれの食品が氾濫するようになったのは、企業側からすると低コストにより儲けを多くするためであるが、消費者側からすると、共働きの増加により、短時間で料理を作らなければならないと言った状況から生まれたニーズ、すなわち便利さを求めた結果なのだと思う。
共働きがいけないとか、悪いとか言うつもりはないが、便利さも度を超すと必ず歪をもたらすという現実があるということだ。
安倍氏は、「子供に食の大切さを教えるためには、親が料理をつくる姿を見せることが大切だ」と言っている。
もともと生命のあった食材を、その命を犠牲にして、手間暇かけて作った料理であることが、肌で感じることが出来れば、おのずと料理に対する感謝や食べ物を粗末にしないという心が育っていく、ということを強調されている。
普段、何気なく言っている「いただきます」、とか「ごちそうさまでした」という言葉には、考えてみると深い意味があるということだ。
ちなみに私は、この2つの言葉を口に出して言ったことがほとんど無いが(何で?)。

安倍氏は安全な食材で自ら料理をするという。
私もかゆみを何とかしようと思って健康被害を及ぼす食害に関心を持つ過程で、休日は料理を自分で作るようになった。
これでも30代前半の数年間は、毎日自分で料理していたこともあったけど。

話は変わるが、食品添加物が悪い食材を見違えるほど見栄えを良くし、おいしそうに感じさせる魔法のような作用を持っているのと同じように、音楽の演奏の録音に使用される、「音加工」、いわゆる電気処理というやつも食品添加物と同じようなものではないか。
今、Youtubeなどの録音を聴くと、殆どの演奏がこの電気処理が施されている。こういう録音が氾濫している。
もはやその録音でオリジナルの生の音は聴くことは不可能である。
オリジナルの生の音とは全く別の電気音に変換されているからだ。
食品添加物を大量にブレンドして食材に投入するように、どんなひどい粗悪な生の音でも、この電気処理を使えば、一応聴き映えのする音に生まれ変わる。
しかしこんな電気処理された音から感動は決して生まれない。
電気処理するのは、生の音が悪すぎてそのままでは披露できないからという理由と、生の音はいいのだが、録音環境や録音機材が粗末で、本来の音を再現することが出来ないから、という理由が考えられる。
MP3に圧縮し、さらにYoutubeなどにアップロードすると、本来の生の音とあまりにもかけ離れた音になってしまうのは避けられないのが現実だ。
しかし昔の録音技師は、あくまでも生の音の忠実な再現にこだわった。
だからレコード時代の録音には素晴らしいものがたくさんある。
今の録音業界は、いかに電気処理を駆使して、生の音に味付けをして、表面的にでも聴き応えが得られそうな技術がもてはやされているのであろう。
しかしプレーヤーの真の実力を引き出すためには、生の音にこだわる必要があると思う。
そのことが、往時の巨匠ようなプレーヤーの出現につながるのではないか。
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