緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

スカルラッティのソナタを聴く

2012-12-23 22:11:30 | ピアノ
こんにちは。
明日はクリスマスだというのに出勤です。
さて、先週日曜日に第55回東京国際ギターコンクールが開催されましたが、その後数日間、第3位となったフランスのFlorian Larousseさんが冒頭で弾いたスカルラッティのソナタL.238(K.208)の演奏が何度か頭の中で流れていました。
この曲、原曲はイ長調ですがFlorian Larousseさんは二長調に編曲されたものを弾いていましたね。自編なのでしょうか。自編だとしたらすごい才能だと思います。まだ20代前半なんですね。将来が楽しみです。
原曲どおりイ長調でギターに編曲されたものとして、古くはホセ・トーマス編やレオ・ブローウェル編がありますが、Florian Larousseさんがあえて二長調の編曲を用いたのは、ギターの最も美しい音を引き出せるからなのではないかと思います。
実際彼の演奏はとても美しく、とくに高音の美しさは透明で暖かみさえ感じられるものでした。
原曲はチェンバロですが、Florian Larousseさんはチェンバロの奏法に捕らわれることなく、ゆったりとしたテンポでギターの音や和音の響きの美しさを、繊細できめ細やかな弾き方であまねく表現していた。
彼のスカルラッティのソナタをもっと聴いてみたいです。
Florian Larousseさんのスカルラッティを聴いてから、ずいぶん昔、就職するちょっと前だったか、ホロヴィッツが2回目の来日の時に冒頭で弾いたスカルラッティのソナタの演奏のことを思い出しました。ライブ録音をラジオで放送したものでしたが、姉や兄と一緒に聴いていて、ホロヴィッツの音の美しさに驚嘆したことを憶えています。
そこで昨日ホロヴィッツの弾くスカルラッティのソナタのCDを買ってきて聴きました。
最も感動したのは1968年のカーネギー・ホールでのライブ演奏の録音で、ト長調L.23(K.380)。スカルラッティのソナタのなかでは最もポピュラーな曲ですが、ホロヴィッツの弾く演奏は、まさに天上の音楽のように聴こえた。音が強すぎず、優しく暖かく、繊細で透明で、美しく、ため息が出てきました。



下の写真は就職して間もなくして買ったブローウェルの弾くスカルラッティのソナタのレコードと楽譜。




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第55回(2012年度)東京国際ギターコンクールを聴く

2012-12-16 22:30:30 | ギター
こんにちは。
今朝ベランダに出てみると、さぞ寒いと思ったら生暖かく拍子抜けしました。
今までとても寒かったので急に暖かくなるとかえって不快ですね。
さて今日は東京上野の東京文化会館小ホールで第55回東京国際ギターコンクール本選がありました。
会場に入りプログラムを見ると、本選出場者は外国人5名、日本人1名でした。
その6名は以下のとおり。

1.Marko Topchii(ウクライナ)
2.小暮 浩史(日本)
3.Flrian Larousse(フランス)
4.Tariq Harb(カナダ)
5.Andrey Parfinovich(ロシア)
6.Sanel Redzic(ボスニア)

全体的な感想として、昨年度よりも演奏者のレベルが高かったこと、自由曲の選曲がおなじみの曲が多く、つまらなかったことです。
さて結果ですが、下記のとおり(カッコ内は私がつけた順位)

1.Marko Topchii(ウクライナ):失格(第3位)
2.小暮 浩史(日本):第5位(第4位)
3.Flrian Larousse(フランス):第3位(第1位)
4.Tariq Harb(カナダ):第2位(第6位)
5.Andrey Parfinovich(ロシア):第4位(第5位)
6.Sanel Redzic(ボスニア):第1位(第2位)

1番手のMarko Topchiiさんは課題曲を全て弾かなかったため失格となった。終楽章を途中までしか弾いていなかった。これは致命的ですね。譜面を見ながら弾いていたのでありえないミスではあるが、どうしたのか。
2番手の小暮浩史さんは、音が明瞭で聴きやすいが、音楽解釈の深みが今一つのように感じた。速度がやや遅く単調な感じも受けた。
3番手のFlrian Larousseさんは、昨年度で素晴らしい演奏だったのに、極度の緊張か曲をど忘れして惜しくも2位だった方。第3位と発表された時、「え、なんで」というような声が2、3聴かれた。音がとても美しくかつ強いアクセントを持っており、音の表現の幅や繊細さを表現できる人で私は一番聴き応えがありました。ただ、自由曲の選曲が同時代のスペインもの(トゥリーナのソナタとアルベニスのセビリア)にしたのがまずかったと思う。この選曲を見たときまず高得点を得るのは難しいと思った。
こういう誰もが何度も聴いている曲は技巧が完璧でかつ余程聴き手を惹き込ませる演奏をしないと高い評価を得るのは難しいのではないか。ミスもかなりあり本調子ではなかったようだ。しかし課題曲(無名碑に捧げる哀歌/小川崇)の演奏は良かった。特に終楽章は作者の嘆きのような気持ちを上手く表現していた。
4番手のTariq Harbさんは、こう言っては悪いのですが、私は間違いなく最下位だと思っていましたので、第2位と聴いたとき「え?」と思ってしまいました。ミスも多く、課題曲は曲の切れ目の譜面めくりで集中力が途切れ、表現も表層的だったと思う。
5番手のAndrey Parfinovichさんは、テクニックはトップクラスですが表現が単調、音も変化がなく、自由曲の選曲もおなじみの曲でおもしろみに欠けていた。
6番手のSanel Redzicは、課題曲、自由曲の「想い出の音楽」が素晴らしかった。自由曲は長大な曲であるが選曲で成功したと思う。
課題曲は冒頭の透明な高音がクールに打つように響き渡り、後半部のグリッサンドと不協和音の掛け合いは死者との交流が聴こえるように感じた。最後の嘆きような叫びは作者の気持ちが表れているようで印象的だ。
自由曲の「想い出の音楽」は無調をベースにしているが、随所にイ短調の古典的フレーズが挿入される長大な曲で、このような難曲を最後まで緊張感を持続して弾いたことが評価されたと思う。特に無調とイ短調の古典的形式との曲想の対比の表現が素晴らしかったように思う。

自由曲に現代曲を選ぶ傾向が年々少なくなってきているように思うが、スペインものやバリオスやソルのおなじみの曲などは、国際コンクールで選んで欲しくないですね。
自分としては現代曲をもっと聴いてみたい。
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明日は総選挙と東京国際ギターコンクール

2012-12-16 01:10:38 | 時事
こんにちは。
久しぶりの更新です。仕事やら色々やることがあり、なかなか時間がとれない。
明日は総選挙だし東京国際ギターコンクールもあります(日付は変わったが)。
どこに投票するかは投票ぎりぎりまで考えたいと思う。
自分の望む全てをかなえてくれる政党などないし、今の時代は政局運営は極めて難しいから、あまり強く期待しようとは思いませんね。
マニュフェストを守らなかったといって、新聞の投書で怒りをぶちまけたり、街頭演説でインチキだウソつきだのとヤジを飛ばすようなのは嫌いだな。
消費税反対という政党がありますが、消費税増税をしないでどうやって財源を生み出すか、1000兆円の借金を具体的にどう返済していくか真剣に訴える方は殆どいない。
原発反対といっても、原発に代わるエネルギーがどれだけ高いコストとなるか具体的に示そうとしていない。太陽光発電など非常にコストのかかる発電方法なのに。
原発は嫌だけど電気代値上がりは許せない、なんて無茶な話だ。
電気代の値上がりを国債を発行して補うといった人がいますが、後先のことを考えずすぐに国債にたよるのは、自分自身が借金を返すという自覚がないからですね。
憲法9条改正など軽々しくやろうとしている。第二次大戦でどれだけ多くの人を失ったか考えてないのだろうか。自分が戦場に行かないから平気で改正しようとする。

あーもう嫌になってしまったが、とにかく難しい政党選びです。でも投票はしようと思う。もう1時半だ。寝る。
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おいしいコーヒーを飲む至福の時間

2012-12-01 23:24:43 | 健康
こんにちは。
今日はとても寒い一日でした。
昨日久しぶりにいいドラマを見ました。「悪党」というタイトルの2時間ドラマでしたが見ごたえがありました。ドラマで感動したのは10年ぶりくらいかな。もうタイトルも思い出せないのですが、ある盲目の女子高生と彼女に走る喜びを教えたあるマラソンランナーとの悲しい愛を描いたドラマを見たとき以来だと思う。
テレビをほとんど見なくなって半年くらいになりますが、なんとなく見るのは一切止めてニュースや見たいと思った番組だけ絞って見る、方がはるかに充実しています。
テレビを見なくなってやるようになったのが読書。最近、第二次世界大戦に青春時代を送ったある作家の全集を読んでいるのですが、この時代の人の生き様には感動してきますね。この作家については後日紹介したいと思います。
文学を読むのは数年ぶりですが、たまたま興味を持って買った流行作家の本よりも昔の世代の作家のほうが読み応えがありますね。
私が読んだ文学書で特に印象に残っているのは、庄野英二とミヒャエル・エンデの書いたものです。
庄野英二は10年くらい前に全集を手に入れました。エンデは今少しづつ全集を手に入れて読もうと思っています。
庄野英二氏の「星の牧場」という作品がありますが、不朽の名作だと思います。ご存知の方もいると思いますが。
次にテレビを見なくなって楽しみが増えたのがコーヒーを味わうことですね。
コーヒーの味に目覚めたのが30歳くらいの時で、姉夫婦から誕生日にもらったコーヒーメーカーを使い出してからですね。インスタントとは全く違う味に驚いたものです。
ただコーヒーメーカーは手間がかかるんですね。わたしはめんどうくさがり屋なのでほどなくしてコーヒーメーカーで飲むのを止めてしまいました。
しばらくしてコーヒー豆を挽いてのむこともしてみましたが、これはもっと面倒。すぐに止めてしまった。そして今は下の写真のような手軽に飲めるコーヒーパックを使っている。



これは手早く入れられるし、味もなかなかのものです。しかし時間ができるようになったら本格的にコーヒー豆を手で挽いて、色々な産地のコーヒーを楽しみたいですね。
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